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自動車整備業の特定商取引への対応!

2009年10月23日 | CSR全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自動車整備業の特定商取引法への対応です。

特定商取引法が本年12月1日に施行される。
整備工場は、車両法に消費者保護規定が設けられれいることから、特定商取引法の適用が除外されている。

と云うことは、車両法がきちんと遵守されていなければならない。特定商取引法は、消費者を保護することを目的に法律化された。このことを理解すれば、整備業が整備作業取引時に実施すべき、消費者保護の内容が見えて来る。

一つは、取引の明確化である。料金表示が明示されていること。それも、お客さまが見やすい場所にである。記載されている内容が、分かりやすいこと。日整連の料金表が掲げられている会社でも、歯抜けになっていたりするものもある。これでは、意味をなさない。料金表にできれば「作業時間」も入れて欲しいものだ。

次に、支払方法と見積もり金額を作業前に確認、提示すること。馴染みの客といえども支払は「現金」がいい。飲み屋さんの例だが、ツケがたまると、お客の足が遠のくと聞く。そうならないためにも現金商売が、お互いにすっきりりする。

そのためにも、事前見積もりは不可欠だ。事前見積もりは「車検」だけではない。どの作業でも基本的に事前見積もりを行い、料金を明確にすることが、安心取引の前提条件である。見積書は、発行したらお客さまのサインを貰うとよい。そうすれば、見積書に沿って説明することになるからだ。

見積もりに必要な、「問診」「触診」「測診」の3診は不可欠。この辺を省略する工場が多いいが、この作業前確認が、とても大事である。だから、フロントマンの能力が問われることになる。藪医者と名医の違いはこの3診の違いにある。

追加作業が発生したら、承諾を取り付けたうえで作業を行うことは、鉄則。したがって、連絡方法確認やどの場合だったら作業を行うか、見積もり時点で説明し了解を取り付けておくことも、CSの上からも、また作業をスムースに行うために、必要なことである。無断整備のトラブルがクレームの大半と思っていい。

作業が完了したら、整備説明を行う。納品請求書(車検の場合は記録簿も)と交換部品を見せながら、不具合原因と修理内容の説明と、今後の維持管理や、正しい運転方法などのアドバイスを行うこと。何せ、整備は目に見えない商品だけに、目に見えるように説明する工夫が必要だ。したがって、部品が提示できなければデジカメで写真を撮って、提示すること。

そして、事後確認である。いわゆるアフターフォローだ。整備した箇所の状態確認を1週間以内に電話コールで必ず行うこと。整備を担当したメカニックが行うのがベストだが、女子社員でも構わない。要は、確認コールを行うこと、それも本人に直接行うことである。家族に伝言を頼むのは止めた方がいいい。目的が半減する。

以上、商売の上では当たり前のことではあるが、その当たり前が不足していたり、全くなされていないケースもある。やるべき行為を省略することは、お客さまを軽く見ているのと同じ理屈だ。

クルマを持ってくるのは、お客さまだ。整備工場は、クルマを修理するのと同時に、お客さまの気持ち(心)を修復する意識を持って、対応すべきである。整備作業を通して車検が1台増えたではなく、「ファン」を1人増やした、こうした顧客対応が必要なのだ。


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2 コメント

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価格表示について (村松宏幸)
2009-10-25 11:59:46
おはようございます。

価格表示についてだけではないですが、
「お客様にわかりやすく」と思うと正確性を欠いてしまいます。陸運支局からは指摘を受けます。
最近車検チェーンなどのチラシで一律○○円などという表示がありますが、この表示はアウトではないんでしょうか。
でもお客様にはわかりやすい。

正確性を第一に考えると、専門用語は増え、量も多くなります。こうなるとお客様は、見ない、読まない、になります。

限界を感じます。

そもそも自動車はその種類が多く、価格表示が難しいと思います。

例えばオイル交換。

「オイル交換いくら?」
ってお客様は聞いてきます。

1000円/Lという表示はあります。
しかし、お客様の知りたいのは、自分のオイル交換をの総額ですよね。

お客様の知りたいことを価格表にしようと思うとオイル交換だけでもとんでもないことになります。

○○の整備代 10,000円~30,000円

結果上のような表示になります。

私には価格表示がないのと同じように感じます。

私は大学を出てから10年間医薬品メーカーで病院を回っていました。
自動車整備と病院。作業の流れがほとんどいっしょだ、と感じました。

病院に価格表は表示されていません。
車検・点検の基本料金に相当する人間ドックの料金表はあります。
治療代の表示はありません。
当たり前です。人によって治療がかわるからです。

クルマも人間も最初に来るときには「症状」できます。

「エンジンがかからない」「熱がある」というように。

お客様が知りたいのは修理代であって整備代ではないでしょう。

ちょっととりとめがなくなってしまいましたが、自動車の整備代の表示が我々自動車整備業者にとって重要なのかは疑問に思うところです。
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料金表示について (山本)
2009-10-26 15:52:22
コメントありがとうございます。
確かに車種が多く、車種ごとに料金表示をしていては、きりがありませんし、見るお客さまも見るだけで疲れますね。

しかし、料金が分かりにくい場合も、お客さまは迷われてしまいますし、今回はよしとしておくか、となってチャンスを逃すことにもなりかねません。

回転寿司が、これだけ人気になったのは、従来の寿司屋の不透明な部分を変えたことではないでしょうか。明確な料金と気楽に食べられる、このことがうけたと思います。

すべての料金を明確に表示るのではなく、定型的な「故障診断」が絡まない部分を料金表示したらいかがでしょうか。

例えば、オイル交換では、横軸(縦軸でもOK)にオイルグレード、縦軸にオイル量(2リットルとか4リットルなど)でオイル代+交換工賃の料金表示が可能と思います。

ブレーキ液の交換でも、同様のマトリックスの料金表が可能ではないでしょうか。横軸に「ノーマル車」「ABS付き車」、縦軸に車種(軽、コンパクト、ミニバン、SUVなど)として料金表ができます。ドットによる料金差は、枠外にプラス○○円と表示することもできます。

ただし、標準作業点数表のように厳密な形では無理が出ます。そこは、ユーザー志向で判断し、分類することで分かりやすさを優先したらいかがでしょうか。

故障修理の場合は、おっしゃる通り、診断部分の料金表示は難しいと思います。この部分は、診た範囲や難易度に応じて料金を個別計算するしかないと思います。病院のように。

オーダーカーテンでも、複雑な料金を簡素化して、プロでなくても誰でも料金が出せる仕組みにして売上を伸ばしたと云うことも聞いています。社内の事務処理を簡素化することにもつながり、コストダウンにも効果的と考えます。

病院と決定的に違うのは、病気は治すことを優先するので、料金は気にはなるけど後回しが可能です。しかし、自動車の場合は、後回し(故障の場合は違います)ができるし、他の工場に行くことも容易いことです。

そうしたことで、できる分とできない部分を切り分けて、できる限り明快な料金表示をすることで、整備工場の敷居を下げることが必要ではないでしょうか。
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