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未使用車中心の品揃えを止めた理由

2009年09月18日 | 営業・フロント全般


ある地方の中古車販売店が、軽自動車の未使用車を中心にした品揃えを止め、本来の中古車へシフトした。

軽自動車の未使用車は、数年前から全国的にブームとなり、一時は台数と利益アップさせたが、ここ最近はライバル店も多くなり、競争が厳しくなっている。同社も台数の落ち込みと、台当たり利益が減少してきたために、品揃えを本来の中古車にシフトしたのだ。

未使用車は、中古車であるが事実上は「新車」である。このことは、何を意味しているかといえば、代替えサイクルが中古車に比べ、長くなることである。新車の代替サイクルは、おおよそ8年になる。地方だと10年もざらだ。つまり、未使用車を売ることは、2年後3年後の代替見込客を減らし、登録諸費用利益を減らすことになる。

また、販売後の車検整備、故障修理などのメンテナンスも、中古車よりも期待できないのである。つまり、未使用車を売り続けることは、台数の減少だけにとどまらず付加価値の減少の二重苦に陥ることになる。

一方、未使用車を販売することは、次の代替えの際に、下取りという形で程度のよい再販車両作るメリットもある。また、販売後の故障などのクレームが減るというメリットもある。しかし、自社代替させなければ捕らぬ狸の皮算用となり、計画倒れの危険が大きい。

こうした理由を背景に、同社は中古車販売店の看板どおりの品揃えに戻した。これは、賢明な判断である。私は、その際に品揃えは、中古車7~7.5、未使用車3~2.5の割合のバランスを提案する。未使用車は、優良の再販車両の仕入車的な位置づけとし一定割合は必要である。

そのためにも未使用車は従来のようにローンや現金販売ではなく、残価型ローンやオープンリース方式で販売することだ。当然、メンテナンス付きだ。このことで、下取りの優先権を確保でき、程度のよい再販車両を仕入れることができるし、メンテナンス・保険などの付加価値をがっちり確保できる。


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