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整備作業と5Sー1.効率作業の舞台作り

2011年09月26日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業と5Sー1.効率作業の舞台作り、です。

5Sと言えば「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」と相場が決まっている。
この5Sを整備作業のために行うことを考えてみたい。

先ず5Sの目的を確認しておく。5Sの目的は「コストダウン」にある。
「綺麗にする」といった理解をしている方もあるが、それは、あくまでも結果として得られる
副産物に過ぎない。

整備作業を効率よく行うことで、コストダウンは可能になる。
だから、5Sを実施して、理想の整備作業場と作業手順を作るのだ。

単純なことだが、60分の作業時間を40分で行うことで、20分のコストを下げることができる。
このために「5S」をどう当てはめるかだ。

今回は「整理」を考える。で、先ずは「モノ」の整理だ。
5Sでいう「整理」とは、必要と不要とに分けて、不要なものを処分すること、と定義付けられている。

整備作業するのに必要な道具や部品などを、工場内に置けということだ。
つまり、効率的な整備作業をする「舞台作り」のための改善である。

必要な道具と不要な道具が一緒になっていると、「探す」「見つける」「取り出す」などといった、
余分な時間が生まれる。このことが作業時間を無意味に長くするのだ。

常に必要な道具などが、しかるべき場所に整然と分かるように並べられていれば、
探すことや、見つけることがないので、その分作業時間を短縮できる。
だから、不要な道具などは処分するのだ。

さて、ここで問題なのが「必要」と「不要」をどう定義付けするかだ。
多くのメカニックに、この道具は必要かと聞くと、必要だから置いてある、と答える。
このまま理解してしまうと、不要物が限りなく少なくなってしまう。

そこで、必要を「常に」と「時々」使用する道具とし、「滅多に」しか使用しない道具を不要に区分する。
不要に入った道具を「捨てる」ものもあるが、別な場所に収納するものもある。

当然、取り外して埃が積もったパーツ類、壊れたまま放置された道具類、持ち主が分からない道具類は、
不要に入れること。

そうそう、整備工場でよく目にする、使い古した「ボルト&ナット」の在庫も、基本的には不要物とする。
それぞれがサイズごとに分けて収納してあり、誰が見ても在庫と分かるようにしてあるものは、必要とする。

以上のような基準を決めて、個人キェディー、部品庫、油脂庫、機械加工場を、くまなく整理する。
できれば、工場の休業日などを使って、整理の作業に集中できる日が理想だ。

常に必要な道具は、身近な場所に配置し、時々は離して置く。
滅多には、倉庫などに仕舞っておくことにして、整理を実施する。

ハンドツールも同じ定義で、整理をすること。滅多に使わない工具は、一番下のトレイや引き出しに
収納してしまう。

このように、必要・不要とに分けるのではなく、使う頻度を考慮して「必要」の順位を付けて
区分すること。

この整理が全ての出発点になるので、十分に時間をかけて後悔しないように、実施することだ。
必要としてリストアップされた道具は、この後の4Sの対象となり、収納場所など管理することになる。

余分な管理をしなくても済むために、しっかりと行ってほしい。

整理には、もう一つ取り組む課題がある。
それは、整備作業(=作業手順)だ。例えば、車検整備をするのに何回リフトを上下するだろうか?

部品の交換がなくて2回以上行っているようだと、不要な動作が入っていると思っていい。
1回の上下は必要だが、2回目は不要だ。1回分を削除することも「整理」に入れて、検討して欲しい。


株式会社ティオ
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