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整備工場の工場長が現場力を変えるー1.工場長はマネジメントする人

2011年04月11日 | 人事・労務全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備工場の工場長が現場力を変えるー1の工場長はマネジメントする人、です。

整備工場の工場長って何をする人?役割は?

一昔前であれば、現場の経験を積み、ある程度年齢を重ねたメカニックが、工場長という役職に就いていた。
理由は、整備作業の経験が豊富で、何でも「知っている」「作業をこなせる」ということと、年齢的に幹部にふさわしく
なった、といったことになる。それで務まっていたのだ。

だから、工場長になってもメカニック時代と特に変わったところがなく、如いてあげれば責任が重くなったことと、
役職手当が支給されるようになったことだ。

しかし、現在のように整備事業が複雑で競争が厳しい経営環境の時代には、
メカニックの経験を生かした「メカニックのボス」では対応が困難になっている。
そこで、今回より5回にわたって、整備工場の工場長の役割と業務について確認する。

さて、整備工場で工場長と言えば会社組織の上では、社長に次ぐナンバー2のポジションになる。
ということは、管理職にあたる。

管理職である以上は、管理職としての役割がある。
工場長に就任したら、先ずは、管理職としての役割を理解することが必要だ。

管理職(マネジャー)だから「管理(マネジメント)」が仕事。
整備工場の場合は、実作業者というプレイヤーも兼ねるプレイングマネジャーで、多くの場合、プレイヤーのウエイトが多く、
自分自身としても「管理職(マネジャー)」としての意識が薄くなっているために、
管理
という仕事は、空いた時間や、何か問題が発生した時に行う仕事とになっている。

実は、工場長が先ずやるべきことが「管理(マネジメント)」の仕事になる。
しかし、殆どの整備工場では、実務経験が長く整備作業能力の高い人が工場長という管理職に任命されているため、
「部下に任せるよりも自分でやった方が早い」と考える管理職も少なくない。管理職が実務を抱え込んでしまうと、
部下はいつまでたっても育たないし、本来の役割を発揮できない。

また、管理職が現場業務にどっぷりと浸かってしまうと、本来必要な管理業務をする時間が取れない。
その結果、実質的に管理職不在に陥り、目標達成がおぼつかないことになる。

工場長という管理職は、会社から整備という生産部門を任されていて、自部門の業務を管理し、
会社に貢献する責任を負っている。

何を管理(マネジメント)すかと言えば、「業務マネジメント」と「人マネジメント」の二つがある。
先ず「業務マネジメント」は、目標の達成に必要な作業環境を整えること。作業が安全で快適に行えるように、
機械工具の更新計画、メンテナンス計画を立てる、あるいは、工場経費を減らす計画を立て、管理すること。

次に「人マネジメント」は、基本的に動機付けと人材育成。部下の能力を高め、業務を確実に遂行できるレベルまで育成し
工場の目標達成に向けて動機づけし、その人々が意欲を持って働けるような生産的な職場環境をつくるとだ。

以上の事から、管理職に必要となる能力は、「専門能力」「対人関係能力」「概念化能力」の3つ。
それぞれの能力は以下の通り。

・専門能力
その仕事をする上で必要な専門知識、技術、経験など。
工場においては整備作業業務、フロント業務、人事・労務管理業務、事業推進業務などを遂行する能力。

・対人関係能力
仕事は人と人との関係の中で行われる。
人と協力したり、人に影響を与えたり、人を動かしたりしていく能力が該当する。

・概念化能力
物事の全体を理解し、そこから本質となる問題を把握し、課題を設定し解決する能力。

工場長は、管理職として、下位層の人よりも「概念化能力(本質を掴む能力・技能)」を伸ばす必要がある。
問題や課題を見出す能力に長けていることが何よりも優先する。

工場長という管理職の基本業務は、「組織を纏める仕事」「組織を動かす仕事」「組織を評価する仕事」
「組織を改善する仕事」の4つ。

組織を纏める仕事は、進むべき方向と達成すべき目標を明示することで、計画、プランに当たる。
組織を動かす仕事は、目標を達成するための活動を計画し、適時調整するドゥに当たる。
組織を評価する仕事は、活動の内容を振り返り、次に向けて何が必要かを洗い出すこと、チェックに当たる。
そして、最後が、組織を改善する仕事。これは、洗い出した事項を、具体的に正していく改善活動で、アクションに当たる。 

工場長は、管理職の意識を持つことで、本来の工場長としてのリーダーシップを発揮することになる。



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