3回目の今回は、交叉比率を一歩進めて「セールスミックス」による適正在庫を見てみます。
交叉比率は、回転率と粗利益率の積が一番高いことが理想といいました。では、商品が複数ある場合に、どの商品をどれだけ在庫したら適正なのかは、3番目の指標が必要になります。
これは、交叉比率で求めた値に商品構成比を掛け算して求めます。この値が「セールスミックス」です。このセールスミックスは、どの商品が一番利益貢献度が高いを見るための指標です。つまり、在庫する商品ボリュームを最終的に決めるもっとも重要な指標といえます。
例えば、下記のように交叉比率だけで順位をつけると、ミニバンが第1位、第2位はコンパクトカー、第3位は高級セダンとなります。これは、あくまでも各商品の効率性(回転が良くて利益率が良い)だけを判断する材料に過ぎません。
しかし、中古車を展示場に陳列するにはこの交叉比率だけでは、車種ごとのボリュームが判断ができません。そこで、商品構成比を交叉比率に掛け合わせて、出た値から最終的な在庫車(展示車)を判断するものです。
【交叉比率から見た順位】
車 種 粗利益率 回転率 交叉比率 順位
軽自動車 7.0% 1.0 7.0--------5
コンパクトカー 13.0% 0.7 9.1--------2
ミニバン 10.0% 1.0 10.0--------1
高級セダン 18.0% 0.5 9.0--------3
SUV 25.0% 0.3 7.5--------4
【セールスミックスから見た順位】
車 種 交叉比率 展示目標 台 数 セールス 順位
台 数 構成比 ミックス
軽自動車 7.0 11 36.7 30.6-------1
コンパクトカー 9.1 7 23.3 25.4-------3
ミニバン 10.0 7 23.3 27.8-------2
高級セダン 9.0 2 6.7 7.2-------5
SUV 7.5 3 10.0 9.0-------4
合 計 *** 30台 100.0 100.0
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セールスミックス=交叉比率×台数構成比-------利益貢献度(A)
=A÷利益貢献度合計×100
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以上3回に分けて中古車の適正在庫を解説いたしました。
売れない時代には、ややもすると「販売」に力がかかりますが、むしろ効率的な経営を行っていくためには、在庫の適正化を図ることで資金の余裕を持たせ、かつ魅力的な商品を展示することが、結果的に集客効果が高まり、販売前線を優位に展開することができます。
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