おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自動車販売の自社代替率を高める-3.属性を知りコミュニケーションを増やす、です。
取引アイテムを多くする。入庫頻度を上げる。どちらも客との人間関係を深く、太くすることだ。
取引アイテム、入庫頻度を上げれば人間関係は増すのだろうか?
1回でも多く顔を合わせれば、顔を覚えることや親しみを増すことは確かだ。
これは、ザイアンスの法則でも言っていることである。
いわゆる「知っている」人がいるということになり、心情的には近くなる。
しかし、これには限界がある。
これはSSでのことだが、あるマネジャーが給油係りが欠勤したので、応援に給油係りを
手伝ったそうだ。女性客が給油で来場され、応対したマネジャーが、クルマの中を見たら
テニスのラケットが置いてあったので、客に「テニスをされるんですかー」と尋ねたら、
その女性客は、「私、このSSに7年通っているが、言葉を掛けられたのは今回が初めてです」
とマネジャーに話したという。
つまり、入庫頻度が上がっても、客と通り一遍のコミュニケーションをとらないと、より心情的に
近い存在のためには効果がないと言うことなのだ。
天気がいいですねー、などと当たり障りがない会話は、人間関係を深く、太くすることにはならない。
より突っ込んだ会話が必要なのだ。
それは「人間的なこと」である。
ザイアンスの法則に、人間的側面を理解すると、より親しみが増すという。
人間的側面とは、家族のこと、趣味・嗜好などの客の属性、もしくは担当者の属性
を話題にして会話ができることが一番なのだ。
だから、「今日は天気がいいですねー。こんな日は何をされているんですか?
ゴルフですか、それともトレッキングですか」と、内面に入り込むこと。
これを初対面でやっては、マイナス効果であるが、ある程度入庫回数が増えた段階で、
実行するとよい。
ニャーと笑って、よくぞ聞いてくれた、と言うような顔をしたら、一歩近づいたことになる。
自分が経験したことがない趣味であったら、「頷き」や「合の手」を入れるだけでいい。
「なるほど」「さようですか」「それは楽しそうですね」などと、適度に合の手を入れると、
お客は気分よく話しをしてくれる。
嗜好品などが聞けたら、次回の来店時に「お好きな紅茶でよろしいですか」と言えば、
お客は、気分満点である。これが、ホスピタリティーなのだ。
いらっしゃいませ、毎度ありがとうございます、今日はいい天気ですね、ありがとうございます、
などはサービスの部類で、誰にでも最低限行う「挨拶」である。
これ以上のサービスを行うには、客の属性を「知る」ことだ。
だから、フェイスtoフェイスの時に、少しづつ属性を掴むための話題作りを行うこと。
知り得た属性情報は、話題にして初めて効果が期待できる。
その意味で、必ず面談したら「属性を話題にすること」だ。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自動車販売の自社代替率を高める-2.入庫頻度を増やす、です。
取引アイテムを増やすことと、入庫頻度を増やすことは、必ずしもイコールではない。
例えば、カーナビなどの電装品などは、故障でない限り入庫には繋がらない。
したがって、入庫を増やすにはメンテナンスが伴うことが大切だ。
その意味では、オイル交換、定期点検、室内消臭除菌、窒素ガスなどの取引アイテム
を増やすこと。
つまり、「役務」が伴う取引アイテムが理想と言える。
それは、メンテナンスと言うことになる。
でもって、入庫の頻度を上げて自社代替の率を高めること。
入庫と自社代替の関係は実に明快で、有償入庫が2回以下の顧客の自社代替率は35%、
6回以上だと86%にもなる。
と言うことになれば、車両売買契約時に「メンテナンスパック」を、販売することだ。
メンテナンスパックは、一度の販売活動で数年間のメンテナンスを販売できる。
営業コストがきわめて低い商品で、割引販売しても、割が合う商品である。
また、入庫のスケジュールも整備工場サイドでコントロールができ、
この面でも売り手にとって魅力がある商品なのだ。
とはいっても、販売後何もしないと入庫がない場合もあるので、
スケジュールに沿って、告知と促進活動を連動させながら、入庫を確実にさせることだ。
メンテナンスパックは、囲い込みの商品としてディーラーが熱心に販売しているが、
モータース店でも今以上の力を入れて、販売活動を展開することだ。
メンテナンスパックの販売が出来ない顧客には、「オイル会員」を販売して欲しい。
オイルであれば、必ずどこかで交換している。それを、自社で行うようにする方策として
オイル会員は、メンテナンスパックに次ぐ商品と位置付けること。
私は、ある整備工場でメンテナンスパックを商品化し、次にオイル会員を商品化し、
次のように販売活動を展開させた。
先ず、メンテナンスパックをお勧めする。点検をやらないからとか、高いなどといった客には、
「さようですか、〇〇様、エンジンオイルは交換しますね。でしたら当社のオイル会員は、いかがですか?
メンテナンスパックよりもリーズナブルですし、交換時には点検も実施しますので、予防整備になり
とてもお得な会員制度です」といって、進めるように指導している。
こうした進める商品の順番を決めることで、オイル会員の販売も結構スムースに行く。
オイル会員であれば、必ず年間2回の入庫になる。つまり、入庫頻度を上げるアイテムになる。
しかも、有償なのだ。
それでも購入いただけない客には、「定期点検」を勧めること。
点検DMを出し、必ず電話コールを行っていくこと。
車検だけの取引客を減らし、より多くのメンテナンス取引ができる仕組みを作り、
そのことを通して自社代替率を上げていく。
このように、自社代替率を上げていくには、長期的な取り組みがモノをいうのだ。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自動車販売の自社代替率を高める-1.取引アイテムを増やす、です。
エコカー補助金の第二弾は、9月、遅くても10月には予算が底をつくと予測されている。
速いペースで販売が進めば、8月で終了なんていった、予測すらある。
エコカー補助金が終了した途端、販売がガタ落ちなんてことにならないように、
今から代替見込み客を作る活動を、真剣に進めていかなければならない。
ここで重要なのは、代替は「他社代替(他店代替)」と、「自社代替(自店代替)」がある。
営業マンにとっては、当然のことながら「自社代替=自分代替」である。
が、事は容易くない。
新車はどこに行っても同じ商品が買える。中古車も、あれこれ条件を言わなければ、
どのお店でも買える。近くになければネットで探すことは朝飯前だ。
営業マンであれば、自分からとか、自店から買い換えてくれることを熱望するが、ユーザーは
そんなことお構いなしである。
そこで、他店などで代替されないようにする事が求められる。
いわゆる「自社代替率」を意識することだ。
自社代替の率を高めるには、販売時点の取引条件だけでは決まらない。
購入者が、長い期間で経験した要素によって、決定付けられる。
それは、心のつながりである。
親しみや好意、あるいは信頼を持ってもらうことに尽きる。つまり、どれだけ心情的に近づきに成れるかだ。
そのためには、色々な条件があるが、先ず「取引アイテム」を増やすこと。
取引アイテムとは、車両本体以外の関連商品のこと。
例えば、メンテパック、保険、用品などである。
関連商品のアイテムが増えれば増えるほど、浮気が減る。
つまり、取引アイテムは、利益を生むだけではなく、それ以上に「繋がりアイテム」なのだ。
買っていただいたことで、何かあれば買った店や担当者に連絡がある。
これが重要なのだ。
例えクレームであっても、それを解決することで、心情的にさらに近づきになれる。
あの人、あのお店で買って良かったとなり、これが結果的に自社代替の要素になる。
自動車営業マンは、車両を売ることにアップアップになっているが、車両契約時は
車両以外のアイテムを販売する「最大のチャンス」である。
したがって、見積書には関連商品の取引アイテムを入れて作成することである。
値引きの種になるので、見積書には入れない、という営業マンもいるが
それは、代替販売のことを無視した発言と言える。
値引きの種になるのは、闇雲に販売すようとするからである。
お客さまの趣味・嗜好や家族構成などの属性と購入車種などから、必要性を訴求し提案すれば
理解してくれるので、値引きの種にはなり難い。
良いですよ、便利ですよ、ではなく「〇〇様にとって〇〇だから良いですよ、便利ですよ」
というトークが必要である。
苦労して販売したお客が、次回は「他店」「他社」では、報われない。
少なくても3回は自社代替をしてほしいと思うのであれば、見積書に入れて同時販売を
して、取引アイテムを増やすこと。
販売時に販売できないのであれば、フォロー訪問などで少しづつ増やすことを
狙って、継続することである。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、事例:車検入庫促進を強化する5.活動が見える管理、です。
車検入庫促進で、絶対にあってはならないことは、
・タイミング遅れ
・活動漏れ
である。
これらを防ぐには、入庫促進活動が「見える」ことに他ならない。
見えるとは、どのお客に、どこまでの活動が、何時までに終わっているか、あとの活動が何か、
が分かることだ。
分かるとは、活動している本人以外が「見える」ことと言う意味だ。
ではどうするか?
それには、「壁管理」と言われる、活動の見える化が不可欠である。
難しい話しではない、活動の経過が、誰でもが、何時でも見えるようにすればいい。
一般的なのは「アタックチャート」を使うことだ。
この業販店もアタックチャートを使うように、指導した。
チャートには、アタック先の顧客情報を記入する。
できれば、車検到来期日順がいい。一発で活動遅れがないかが分かるからだ。
顧客情報に、DM発送、代替促進訪問、電話コールなどの活動の都度
何らかの記号と言うか印をつけていく。このことで、活動の経過が手に取るようにわかる。
別な整備工場では、顧客カードがあったので、BOX管理を行った。
これは、次の活動BOXに、カードを移動することで、どこまでの活動が終ったのか、
後の活動が何かが分かる仕組みだ。
チャートに、管理者が促進担当者から毎朝活動を聞き取り、印をつける。
活動遅れがあった場合は、いつ活動するかを担当者から自主申告させて、その期日を記入する。
この場合は、「電話します」とか「訪問します」で終わらせてはならない。
言わせるのは「何時電話します」とか「何時訪問します」という、具体的な活動日を言わせること。
こうしたことを進めていくのが「見える管理」なのだ。
ただ、活動が見えるようにするだけではなく、活動を見て次のアクションを決めさせていく。
ここに見える管理の神髄があるのだ。
このことを踏まえて、促進の見える管理を進めることだ。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、事例:車検入庫促進を強化する4.連係プレー、です。
この業販店は、新車販売、中古車販売を行っている。
当然、車両営業マンがいる。
そこで、代替を見据えた車検入庫促進の強化が必要になる。
でもって、車検到来リストを7カ月前に作ることにした。
6.5か月前に営業マン全員と、フロント担当者が集まり、「吟味会議」を行う。
内容は、取引をする客かどうかの判断から始まって、取引内容を決めることだ。
決まったら、営業マンが「代替促進」をスタートさせる。
この活動を、お客が「俺は車検だよ」と明確になるまで、フォロー営業を展開する。
代替をしなければ車検だろうから、基本的にリストアップされた個客には、代替促進を
してもいいと思う。
車検到来が進んで、3か月前になったら車検DMを郵送する。
この時点で基本的にサービス部門、つまりフロントの担当に切り替わる。
車検促進客として営業マンから、引き継ぎを受けることになる。
引き継ぎの際には、どのような営業活動であったか、お客の反応はどうであったかなど
営業活動状況を聞くこと。
車検DM郵送後は、フロントにおいて促進のための電話コールも適時行っていく。
この電話コールは、必ず行うことだ。場合によっては、営業マンに訪問をしてもらうことも必要だ。
こうしてどちらかに決まるまで、営業マンとフロントが情報等をキャッチボールして、
必ず取引ができるようにしていくことだ。
車検と決まっても、フロントは「代替」の可能性を「0」にしてはならない。
車検見積金額によっては、代替の可能性が高くなることもしばしばである。
基本料金にもよるが整備代が5万円以上で、2回以上の車検の場合は、
フロントから「代替のお奨め」をしてみることだ。
お奨めする場合は、下取りもしくは買取金額の相場を知っておくと、
商談がスムースに進む場合が多い。
フロントは、車検見積の場合は、平均代替年数、前に乗っていた車種、支払方法、
趣味、家族構成、流通相場、支払完済期日などを調べておくことだ。
顧客カードがあると、こうした時にとても便利である。
コンピュータ全盛の時代だが、アナログ的な「カード」も結構重宝する。
いずれにしても、営業マンとフロントが連携して、他社取引を防ぐことに
全力で当たることだ。そのためにも相互の連携プレーが必要になるので、ルールを設けること。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、事例:車検入庫促進を強化する3.車検案内の改善、です。
社内の強化態勢が整ったので、次に車検案内の見直しをした。
この業販店は、車検案内を「封書」で送っていた。それをハガキに改めた。
このことで、一通当たりの通信費を30円下げることができた。
封書で送っていた理由を聞くと、車検ハガキだと直ぐに「ごみ箱」行きだが、
封書だと「開封」して内容を見てくれるからだという。
この理由と言うか理屈は、当たっているのだろうか?
皆さまは、どう思われるだろうか。
ハガキであっても文面を「見る(読む)」ことはする。
封書とハガキの反応率が、どれだけ違いがあるか明確なデータはない。
私は、封書であれ、ハガキであれ反応率は「内容」によるものと思っている。
郵送する親書の種類の違いではない。
つまり、送られた客にとって「魅力」があれば、反応率はハガキであっても高くなるし、
魅力がなければ封書であっても低くなる。
車検期日が書いてあり、あとは車検の料金表が印刷されている程度の内容であれば
魅力があるとは言えない。
客が知りたいのは、期日や一般的な料金表ではない。
今度の車検にどのような整備が必要で、いくらかかるのか。金額に対する得点はどうなっているのか、
こうしたことが知りたいのだ。
そこで、ハガキに見積金額と割引金額(最大)を「手書き」にし、郵送することにした。
3か月前早期予約割引を新設したので、ハガキは車検到来の3か月前に到着するように投函した。
すると、早速お客から「予約」の電話が入ったのだ。
その時点で入庫日が決まらない客が1台あったが、その他は「入庫日」まで決めることができた。
予約客の7割が「立会い見積」である。これも狙い通りだ。
この車検案内のほかに「サンキューレター」を送ることにした。
これは、納車後の「CS」を高めるためだ。
ハガキ一通でどれほど高まるかは定かではないが、確かなことはレターを受け取った
客は、「悪い気はしない」こと。
場合によっては「そこまでやってくれるのかー」といった、プラスの評価をしていただける。
サンキューレターは絶対に、マイナスにはならない。
費用も、従来の封書の80円をハガキの50円にした差額の30円に、20円をプラスすれば
できる。つまり、追加の出費は20円(郵送料だけ)で済むのだ。
こうした積み重ねが、お客との関係を良好に保ち、定期点検や保険更新、あるいは車両代替
に必ずやプラスになる。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、事例:車検入庫促進を強化する2.担当者の明確化、です。
次に改善したのが担当者を明確にすることだ。
従来も、慣例的に担当者が決まっていたが、「責任」がなかった。
そこで、何を、
・誰が
・何時
・どのように
・どこで
・どうした
と言うことを明確にした。
車検目標に関する責任者が誰かが不明確であった。
目標は従来もあったが、達成しても、しなくても何もない。
変わるのはインセンティブだけだ。
これでは、実績を挙げていく活動が疎かになり、機械的に「DM」を郵送し、
お客から連絡が入るを待っている、という何ともお粗末な状態である。
回帰率(リスト入庫率)がどれくらいかといったことが、だれも把握していないし、気にしていない。
だから、私が集計し経営者に見せたら、こんなに低いの?といった嘆きの声になる。
まず決めたのが、目標に対する管理者だ。
日々の実績を集計し、目標との誤差を掴み、その上でどのような行動が、追加的に
必要かを判断し、指示命令をする役割だ。
管理者を決めたら、次にリストの製作者とDM発送担当者を決めた。
これは、この仕事は「〇〇さん」ということだけではなく、仕事の中身についても
明確にしたことだ。
そして、促進担当者を決めた。
リストアップされた客一人一人に対して、誰が促進活動を担当するのかを、毎月決めることにした。
社長のお客についても、社長に任せるのではなく、担当者に割り振りをして促進の
責任を持たせることにした。
この促進担当者が、着実に活動しているかを管理するモノも決めた。
促進担当者を決めても、タイミングを逃した活動だったり、活動漏れがあっては、意味がない。
促進担当者が、早め早めの活動が出来ているかを「監視」して、齟齬があれば担当者に
注意を促したり、場合によっては見ている前で活動を行ってもらうようにした。
毎月実績の集計を取り、実績の振り返りをして、ナゼこの実績になったかを
部門責任者会議に提出し、出席者から意見などを貰うことも始めた。
この実績集計には、入庫台数や工賃売上などの事だけではなく、回帰率に関すること、
あるいは新規入庫に関することについても、その実績と内容について、報告させることとした。
担当者で重要なのは、活動するモノを決めることではない。
管理するモノを決めることだ。
決められたルール通りに活動ができているかを見守り、出来ていればさらに促進を活発化させ、
出来ていなかったら、できるまで活動をさせることができる「管理者」が必要だ。
この管理者が決まっていない整備工場が圧倒的に多い。
管理者が決まっていても、大概が社長と相場が決まっている。
肝心要な社長は、業界の会議だ、付き合いゴルフだ、AA仕入だなどと、
会社を不在がちにする。必然的に管理も徹底した形にならない。
「ナゼやらない」と正し、「やっておけよ」と放り投げる。
そうこうしているうちに月末が来て、目標不足に慌てて、「怒鳴り散らす」。これがパターンだ。
これでは、目標達成はおぼつかない。
管理者は、社長ではなく別なモノを担当させる方が、はるかに実行度は上がる。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、事例:車検入庫促進を強化する1.料金の見直し、です。
TIO21ブログの記事は、その殆どが事例に基づいたものだ。
整備工場や中販店のコンサルタントで実践してきた事例を、記事として書いている。
多少の脚色はあるが、真実に近い。
ここに記事にする事例も、ある総合カーサービスを標榜する業販店でのことだ。
内容は、車検入庫促進に関することである。
この整備業販店は、経営者が整備現場の経験がないために、車販中心の経営を行ってきた。
しかし、車販は「水物」で、安定した収益を確保するには「サービス」の強化しかないと、
経営方針を転換した。
そこで、私は先ず「車検」の強化を図ることにした。
車検は、サービスの柱であり、入庫率が自社代替率や保険付保率に影響が強いからだ。
改善の手始めとして行ったのが「料金体系」の見なしだ。
車検入庫車両全てに「OBDチェック」を行うことにし、その点検料を数千円を「基本料金」に
「OBD機能点検」と明示して負荷した。
狙いは「差別化」である。
スキャンツールも購入したばかりであったので、これを武器にして料金の改定を行った。
これは、数千円の値上げのような形になる。
そこで、値上をマイルドにするために、従来の1週間前早期予約割引を「3カ月前」と「2カ月前」および
「1カ月前」とし、早期予約のメリットをより明確にし、値上げ分を実質相殺した。
また、「立会い見積割引」を新しく設け、従来あった車両回送割引との相乗効果によって、
来店客を増やし整備稼働率を改善することにした。
さらに「ネット割引」の割引額を従来の倍にして、ネットからの申し込み促進を
図ることとした。
この他、ダブルタイヤや4WD車、あるいは1BOX車などは、別途追加料金を貰う
ことにし、整備の難易度などに応じた合理的な料金体系に改めた。
こうした料金の見直しは、より分かりやすく、より魅力的な車検の営業施策のためだけではない。
むしろ社員の意識改革を、意識してのことだ。
新しい料金項目を設けることは、当然だがその項目に沿った社内態勢を整える必要がある。
これが、意識改革の火付けになるのだ。
このことを念頭に、料金改定を進めることだ。
競争相手の料金に対抗するための料金改定も必要だが、むしろそれ以上に社員のマンネリ意識を
打破するための料金改定と位置付けることだ。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、中販営業マンの1台の実績ー5.全ては打席数で決まる、です。
さて、タッチ率、商談率、見積成約率が1台の実績を左右する「プロセス」にあたる。
これらの率を、今月より来月、今年より来年と上げることが、台数を伸ばすことになる。
理想的には、全てが100%になることだが、それは現実的に不可能なことだ。
しかし、仮に全てが100%になったら、さらにうえの台数の実績を挙げるには、何が必要だろうか?
そう、残された要件は「来場組数」である。
仮にそれぞれの率が50%で、来場組数が100組であったら、12.5台の実績になる。
この来場組数を150組にしたら18.8台となる。
率が同じでも組数が1.5倍になれば、実績も1.5倍になる。
つまり、それぞれの率を上げる努力を個々の中販営業マンが行う一方で、
店舗として来場組数をいかに増やすかの努力が必要なのだ。
これは、基本的に「店長」の責任である。
店長は、毎月の目標台数に見合う「来場組数」確保の目標を立てなければならない。
これなしに、根性が足りないとか、やる気があるのか、などの根性論で発破をかけても
実績は伸びていかない。
3つの率もさることながら、来場組数がモノをいうのだ。
その意味では、来場組数は「打席数」に相当する。
打率が良くても「安打数」は、打席数によって変わってしまう。
それと同じで、1台の実績は来場組数で変わってしまうのだ。
中販営業マン個々の能力を高めて、3つの率を上げることと、同時に来場組数
を増やすことが、トータルの実績を増やすことになる。このことをしっかりと計算に入れておくことだ。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、中販営業マンの1台の実績ー4.見積からの成約率、です。
商品説明に納得いただいたら、次は条件の詰めに入る。
条件とは、下取り価格、オプション内容、本体価格、値引き、ローン回数、金利などの
取引条件だ。
これらについて、お客から下取り価格をもっと上げてくれ、値引きをもっとしてくれなどといった
障害が出てくる。
この障害をどのように克服するかは、中販営業マンの腕の見せ所だ。
ここで見積からの成約率が違ってくる。
成約率を上げるために条件を緩めていては、利益を減らすことになる。
かといって、突っ張っていてばかりでは、成約率は上がらない。
中販営業マンの葛藤が始まるのだ。
お客が条件に強く拘るのは、商品に対する納得感が満たされれないケースが多い。
だから、値引きや下取りに執着する客に対しては、商品の魅力などについて、
改めて説明することも必要である。
事情が許せば「試乗」は、商品の魅力を感じてもらえる場作りになるので、
お客をクールダウンさせる意味も含めて、試乗に連れ出すことだ。
要は、買える条件をお客と一緒に考えること。
例えば、支払回数を増やすとか、残価型の支払いなどを提案するといい。
安易な値引き(下取り上乗せ)は、ここの販売店は「値引くお店」というイメージになり、
その後の取引も値引き要求がきつくなるので、できるだけ避ける。
この成約率が低いのは、期が熟していない中で見積を作成していることがある。
兎にも角にも、見積書ありきで、商談即見積書提示、なんてことをやっていると、
成約率は下がる。
取引条件には、アフター体制のことも入る。
確実なフォロー体制であることなどで「安心感」を特徴を訴求するといい。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、中販営業マンの1台の実績ー3.商談入りの確率は、です。
見積書は、商談を本格化させるツールにもなるのだが、期が熟す前に見積書を提出すると、
値引きなどの条件闘争となり、利益を減らしてしまうし、破談になってしまうことにもなる。
見積書は、商談の「纏め」の意味で作成し、「これでよろしかったですね」と言って、
確認いただくものだ。
営業プロセスでは、見積書前の「商談=商品納得」の段階が必要だ。
つまり、タッチと見積書提示の中間に位置する、本格的な商談が必要になる。
商談に入るには、何が必要かと言えば、 提案ができるかである。
ご覧の〇〇は、人気がある一台で、外観も内装も綺麗で、お買い得ですよ、と言っても
お客が求めている条件でなければ、猫に小判である。
綺麗ですよなどというのは、締めくくりの言葉であって、説得のための言葉ではない。
説得のためには、求めていることに対する回答が必要なのだ。
求めていることとは、現在のクルマに対する「不満」が第一に挙げられる。
つまり、買い替えのきっかけになった理由である。新規購入の場合は、用途になる。
車検もその一つだが、それよりも重要なモノが「不満」である。
子供が大きくなって室内が狭い、とかもっと燃費をよくしたい、あるいは車庫入れが楽なクルマがいい、
などといったことである。
ニーズを探ることから商談が本格化する。
したがって、用途や家族構成、趣味などを聞くことで、不満=ニーズを絞り込み、
そこから提案するクルマを絞り込み、金額や支払条件を詰めていく。
こうした提案力や、商品知識力などによって、商談入りが
決まってくる。
タッチした客に対して、商談に入る割合である「商談率」も、中古車営業マンには、
大事な指標と言える。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、中販営業マンの1台の実績ー2.来場客にタッチしてこそ商談がスタートする、です。
中販営業マンの打率は「見積成約率」である。
分母である「見積枚数」は、お客さまが「見積書ください」と言って、いきなり来店することはまずない。
営業の場面では、買う気を見せないで清ました顔で来場し、お目当ての展示車をチェックして、
ある程度自分に納得できた時点で、営業マンと面と向かって「見積書」の話しに至る。
清まし顔で来場した来店客にコンタクトすることが、中販営業マンとしての営業活動のスタートになる。
この割合はいかがなものだろうか?
いわゆる「タッチ率」と言われるものだ。
このタッチ率は、中販営業マンから来場客に向かっていくことで「タッチ」ができる。
ここが大事なところである。
中販営業マンを長く経験していると、来場者の様子を見ただけで「冷やかし客」とか「見込みない客」
などと、勝手に判断して、タッチしにいかない無精者になってしまう。
冷やかし客や見込みのない客であっても、商談によっては「瓢箪から駒」が出てくることもある。
ベテランは、それを「たまたま」だと、割り切ってしまう。
たまたまであっても、タッチしたことがきっかけで「成約」に至る。
であれば、下手な球でも数撃つことが必要だ。
そこで、「タッチ率」をもう一つの「打率」としての指標にして、中販営業マンの実力評価に入れることだ。
こうしたことを言うと、後追い営業すると嫌われる。といった手前勝手な理屈で、来場者がいても、
タッチに行かない中販営業マンがいる。
これは、逆である。
来場者として、来店の挨拶があることで、客として認められ優越感を感じることができる。
だから、先ずは「来場ありがとうございます。私、アドバイザーの〇〇です。ご覧になった
後に、一言お声かけください。色々とクルマの特徴や下取りなどのアドバイスさせていただきます。
では、ごゆっくりご覧ください」と、いって名刺を渡して引き下がってくればいい。
これが、タッチである。
来場が10組あって、自分がタッチできた組数が何組か。この値は、目標に対する意識を表す
営業プロセスの大事な指標だ。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、中販営業マンの1台の実績ー1.1台の実績の打率を知る、です。
2012年のプロ野球が開幕した。私の地元「横浜DeNAベイスターズ」の開幕3連戦は阪神との戦いだ。
成績は1勝1敗1分けの五分のスタートとなった。今年は、Bクラス入りを果たしてほしいところだ。
野球においては、一般的に打者は「打率」、投手は「防御率」で評価される。
打率は、3割を超えるバッターは、好打者で優秀と評価される。
ヒット製造マシーンの異名をとるイチローは、日本で2000年に3割8部7厘で、シリーズ歴代2位の成績を残している。
さて、中販営業マンの打率はどうだろうか?
中販営業マンの打率は、成約台数を「タッチ件数」や「見積枚数」などで除した値になる。
私は、見積枚数を分母にするのが、中販営業マンの打率だと思ている。
それは、打率の「打数」に相当するのが「見積枚数」になるからである。
タッチ件数は、いわば「打席」に相当すると考えるので、分母としてはやや違う気がする。
見積というバットを振って球に当てた数(枚数)に対して、ヒットになった数に当たる成約台数の
割合が、中販営業マンの打率になる。
この打率=見積成約率を自分で把握し、他の営業マンと比べることや、所属している営業所全体で
比べてみて、自分のレベルを把握し、反省をすることが、自分を成長させることになる。
台数ノルマに対して、何台販売したかと言う「目標達成率」も大事だが、それだけでは「成長」は
できない。目標達成率は、「運」も混ざってのことであって、本当の自分の実力を評価していない。
むしろ、成約のプロセスである見積成約率が実力を表し、その実力を細分化し、分析することで安定した
実績を残せる。
ゼヒ、目標達成率と同じように「見積成約率」を評価項目に入れてほしい。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、スキャンツールで有料化に取り組むー5.告知をする、です。
有料化するには、社内体制の構築やメニューを作るだけでは済まない。
買っていただけるお客さまが必要である。
そのためには、「告知」が不可欠だ。
当社で、OBD診断や点検を行っていることを、既存客や地域のユーザーに
知らしめが必要だ。
だからといって、いきなり折込チラシを行うのではなく、先ずは既存客に対して
周知していくこと。
来店客に案内する診断・点検の必要性やメリットを解説したリーフレットや、
メニュー表(料金表と作業時間表)、ポスターを作ること。
リーフレットは、請求書の発送時に同封するときにも使うといい。
有料化には、分かりやすい説明が求められる。
そこで、リーフレットを使って「プレゼンロープレ」を行うことを奨めたい。
話法を皆で設計し、それを使ってプレゼンをするのだ。
多分、何度か話法の作り直しをすることになるが、それはレベルアップの一環だから、
気が済むまで行うことだ。
ロープレが済んだら、いよいよ本番。
来店客には、必ず「お勧め」をすること。これは、全来店客におこない、リーフレットを
手渡すことだ。
ここで焦って「受注」することはない。知ってもらうことを初期の目的とする。
当社で新しい整備メニューが出来たことを知っていただき、刷り込みが出来ればいいのだ。
ある程度実施し、スキャンツールの使い方にも慣れてきた段階で、地域ユーザーに
告知をする。
告知は、折込チラシとホームページ(HP)の二つある。
お金が係らないということでは、HPが優位であるので、HPに新しいページを追加し、
OBD診断・点検・整備専用のページとすることだ。
折込チラシは、かなり費用がかかるので、あまりお勧めはできない。
チラシを配布するなら、市場調査も兼ねた「ポスティング」がいい。
保有車種、車検年月などを調べながらポスティングを行う。
したがって、日中に配布することになる。社員一人月間300枚程度を配布目標にして、実施する。
これを飽きずに3年ぐらい続けることだ。
新しいメニューを「定番メニュー」にするには、年月がかかる。
取りあえずは3年間、地道に告知活動をすることだ。
新しいことに取り組み、成果を上げるには「諦めないこと」と、「改良を加えていくこと」だ。
つまり、成功するまで続けることだ。
問い合わせ先 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、スキャンツールで有料化に取り組むー4.診断メニューを作る、です。
さて、スキャンツールを使って、診断や点検を有料化するには、「商品」が必要である。
いわゆるメニューだ。チェックランプが点灯して入庫になった場合や、何らかの不具合を訴えてきた
場合は、それらに対応した「診断料」や「点検料」を、作業点数表に基づいて有料請求すればいい。
ここで言っているのは、それ以外の有料メニューである。
例えば、車検整備や定期点検などにおけるメニューを設ける必要がある。
コンピュータに関する診断・点検を行うということで、「ウイルスチェック」などといった名称で
メニュー化している会社もある。診断・点検を、分かりやすく伝えるにはいいと思う。
しかし、実際は「ウイルスチェック」ではなく、不具合の有無確認や、計測データの判断である。
したがって、もう少し仰々しくというか、重みのある名称がいいのではないだろうか。
コンピュータ機能点検とか、走行安全機能点検、あるいは愛車内部機能点検などが
適当ではないかと思う。
こうした単体でメニュー化することと、
車検や定期点検の「点検」に入れ込む形でメニュー化する。
メニューの内容としては、入庫時の故障コード有無確認および消去と、
完成検査時の故障コード有無確認および消去を「初期診断点検基本コース」とする。
これに、アクティブテストを加えた「安心確認点検コース」や、フリーズフレームデータ判定、
データモニタ確認点検を加えた不具合の詳細を行う「精密検査診断コース」といったメニューが考えられる。
当然だが、フルコースとしてのメニューもありだと思う。
その他、環境診断コース、エンジン機能点検コース、電装品機能点検コース、カスタマイズコースなど、
スキャンツールの機能を活用したニーズに伴うメニューが、色々と考えられる。
また、バッテリーテスターや4・5ガステスターなどと組み合わせて、エンジン性能診断なども
メニューとして考えられる。
メニューは、アイデア次第で色々と、考えられるのでメカニックと相談しながらメニューを
作っていってほしい。
問い合わせ先 株式会社ティオ