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自動車整備業&車両販売業のCS経営をコンサルタントする TIO21ブログ

自動車整備業、車両販売業のCS経営のためのコンサルティング、現場改善指導、制度設計、社員教育、各種セミナー・講演

商売の原点QSC-5:QSCが下がると

2010年09月22日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、商売の原点QSC-5:QSCが下がると、です。

イトーヨーカ堂の鈴木会長が、著書「商売の原点」の中で、コンビニの近くにライバルのコンビニが出来ると、客は新しいコンビニに行くので、以前からあったコンビニは一時売上が落ちる、これは仕方がないことだが、落ちっぱなしになるのは、問題であるといっている。
 
コンビニに置いてある商品は、8割から9割が同じような品揃え(私から見て)であって、商品力で勝負にならないほど大きな差があるものではない。それなのに客が戻ってこないのは、商品以外のQSCが劣っているためだという。

売上が下がるのは、競合のせいではなく、お客さまから見て、その店の価値を比較できる物差しができた結果であり、以前利用していたコンビニのQSCの悪さが分かったからだという。

商売がうまいから、広告宣伝が派手だから、規模が大きいからなどの原因も挙げられるが、むしろそれ以前の商売の原点である「QSC」が大事だということだ。

QSCが低下すると、売上が低下するだけではなく、社員のモチベーションも下がってくる。このことがQSCをさらに低下させるマイナスのスパイラルに陥ることだ。

だから、根気よくQSCを高めるためのアクションを取っていかなければならないのだ。朝礼で身だしなみの点検を行っている整備工場を拝見した時に、感じたことだがチェックのためのチェックを行いる。

これでは、身だしなみは良くならないし、意識も働かない。なぜか?それは、統一した基準がないからだ。だから、チェックが形骸化してしまい、本当の身だしなみ点検になっていないのだ。

したがって、QSCを徹底していくにはそれぞれの基準を設けることが必要になる。ぜひ、基準を設けていただきたい。それがQSCを根づかせることになる。

今年の8月に、創業以来の月間全店売上高最高記録を達成した現マック日本法人の最高経営責任者(CEO)原田氏は、一にQSC、二にQSC、永遠に「QSC」だと言っている。


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商売の原点QSC-4:Cとは

2010年09月21日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、商売の原点QSC-4:Cとは、です。

QSCの最後は「C」だ。
クリンリネスは店舗、従業員の清潔感はもちろん、店舗の内外が清潔に綺麗に磨き上げられて常に最高の状態になっていることをいう。ショーウインドーやトイレ、テーブルなどはもちろんこと、全てにわたって清潔感があること。

整備工場で言えば、工場内の整理整頓が整っていてことだが、効率的なモノの配置になっていることもCに入る。

中古車販売店では、展示場内の清掃から始まって、外灯、看板、パラペット、ノボリ、展示車の清掃状態までがCの範疇に入る。特に、ノボリの端が破れていたり汚れているのはイメージダウンだ。

とりわけ気を遣ってほしいのが、店頭(店構え)のイメージである。今Cに求められてきているのが店舗イメージなのだ。お客さまがお店を選ぶ基準は、価格もあるがそれ以上にイメージがかかわっている。

整備工場であれば工場や店舗の外観である。無機質な外観なのか、楽しそうなイメージの外観、クオリティーを感じさせてくれる外観、スポーティーな外観など色々あるが、お客さまは自分の好みの雰囲気にあった工場や販売店を選ぶ。

レクサス店を見てほしい。シックで洒落た店舗構えで、いかにも高級車を扱うお店というイメージを醸し出している。銀座にお店を出店しているブランド店の店舗構えも、いかにも高級店であることをアピールした店構えである。

数ある居酒屋で、店構えを見ただけで、自分にあう店構えか、雰囲気がある店かがなんとなく掴める。ここでお客さまは入店するかを決めているのだ。

QSCの中で、一番重要にされているのが、このCなのだ。QやSは、商品を買ってからわかるものに対して、Cは買う前に判断されていることになるからだ。

ある調査で、大学生にお店(居酒屋)を選ぶ基準をQSCで分類したところ、76%がC、23%がQ、Sに至っては0%であったそうだ。Cを選んだ理由に、「雰囲気が良いお店」が一番多く、次いで「楽しい」「落ち着く」「アットホーム」などだった。

飲食店と整備工場や中古車販売店を同列で見ることはできないが、Cの大切さは同じだと言える。

Q=品質、S=サービス、C=クリンリネス。当たり前のことが当たり前にできてこそ、繁盛店の資格を得たことになる。


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商売の原点QSC-3:Sとは

2010年09月17日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、商売の原点QSC-3:Sとは、です。

QSCの「S」は、サービスで、ある意味一番厄介なものである。厄介というのは、サービスを提供する人、受け手となる人の二人の呼吸が合わないと、台無しになってしまうからだ。

サービスは、特に受け手の価値観で評価が分かれてしまう。あるサービスが「不足=不満」と取られる場合もあるし、「過剰=不満」と取られる場合があるのだ。ここが厄介なところである。

岩手経済研究所が行った県内の小売業、サービス業の接客マナーアンケート調査によると、接客に対して8割のお客さまが「不満」を持ったことがあると回答している。

不満の原因の第一位が「笑顔がない」で40.3%の人が答えている。第二位が「態度が乱暴・不誠実」、以下「長時間待たされる」「挨拶が悪い」などが挙げられている。

怖いのは、不満客の64%が、不快をお店に伝えずに利用をやめると回答していることだ。サービスが悪くてお客さまが不満に感じると、実に半分以上が他店に流出するというのだ。

Qの品質が多少劣っていても、サービスが良ければ品質をカバーし、リピート客になっていただくことはできるが、サービスが悪いと、それだけでお客さまはそっぽを向いて、次回からは他店で買い物をするのだ。

では、サービスを良くするにはどうすべきだろうか。過去のTIO21ブログでも触れているがサービスではなく、ホスピタリティー、お持て成しで接客することである。

「感謝」の気持ちを精一杯持ち、気持ちを前に出して接客することだ。笑顔がない、態度が乱暴、挨拶が悪い、などというのは「感謝」の気持ちに欠けているために出てくるものだ。

わざわざ当整備工場、当中古車販売店で取引していただいた、当社の商品を数ある中から選んでいただいた、私はお客さまからお給料をいただいている、こうしたお客さまに感謝できる素直な気持ちを養うことだ。

経済が縮小し、どの商売もオーバーストアーの時代である。同じような商品は何処でも手に入る時代だからこそ、サービスが重要なのだ。

リピートしてくれる分かれ目は「サービス」にかかっている。


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商売の原点QSC-2:Qとは

2010年09月16日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、商売の原点QSC-2:Qとは、です。

さて、QSCの「Q」はQualityであることは、昨日のTIO21ブログで触れたところだが、今少し内容を見てみたい。

QSCの中にあって「Q」は優先度が高いようで低い、低いようで高いのだ。
Qは品質である。整備業であれば技術であり、飲食店であれば味である。だから、商売中の商売の大前提条件であるが、昨今Qは、よくて当たり前の世界なのだ。

つまり、Qが良くなければ話にならないということである。したがって、商売の基本で言えば高いが、QSCの優先順位で言えば出来ていなければならないことになるので低いことになる。

整備業で言えば、整備技術ということになるが、整備技術の内容は、出来栄え(一発完治)、作業時間、適正価格に加えて「整備説明」を入れてほしい。

整備技術が確かなものであっても、お客さまが納得していただけなければ技術が良いということにはならない。整備前に、分かりやすく説明し、整備方法や料金に納得いただく。

整備後の納車時には、修理した箇所を確認いただき、これからの注意点や症状による対応などを分かりやすく説明し、料金に納得をいただいて、初めて技術が認められたことになる。

中古車であれば、車両状態と整備履歴が明示され、事故歴やメーター改ざんがないことを保証し、初期故障には誠心誠意対応することが品質となる。つまり、安心して安全にお乗りいただくことができることを、分かりやすく表示していなければならない。

Q=品質というと、商品そのものに聞こえるが、周辺の「安全」「分かりやすさ」なども含めてQと捉えていくことが、ニーズの多様化に応えることになる。


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商売の原点QSC-1:QSCとは

2010年09月15日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、商売の原点QSC-1:QSCとは、です。

売上を目標通り挙げていくことが非常に難しく、パワーがいる時代だ。こんな時「集客」をどうしようと、お客さまを集めてくることに気が行きがちだ。気持ちはわかるが、果たしてそれだけでいいのだろうか?

もっと、別にやることがあるのではないだろうか?
別にやるべきこととは、商売の原理原則を整えることが先決だ。お金をかけて集客しても、品質が劣っていたり、サービスが悪ければ、お買い上げいただくことはない。

人通りが少ないからと言って、賃料が高い人通りが多い一等地にお店を構えても、お店が汚くて品質が悪くて、サービスが悪ければ不評をまき散らすだけで、売上は上がらない。

商売の原理原則とは「QSC」と言われる。QSCは、飲食店の専売特許のように言われるが、私は、整備業にも車両販売業にも、いやいや全ての商売に当てはまるものと思っている。

QSCとは、サービス業、小売業や飲食業などが繁盛店になる条件となるもの。繁盛店になるためには、来店客(取引客)を増やすことと、客単価を挙げることに尽きる。このQSCは、そのための前提条件といえるものだ。

QSCは、下記の通り頭文字3つである。
  Q・・・Quality(クオリティ)=良い技術、良い品、良い味
     整備業では技術、中販店ではクルマの程度、飲食業では味

  S・・・Service(サービス)=良いサービス
     整備業、中販店、小売業、飲食業共に同じ意味

  C・・・Cleanliness(クリンリネス)=清潔さ
     整備業、中販店、小売業、飲食業共にきれいな店づくりは必須条件

このQSCを重視し、常にバランスよくなるように点検改善を行っていけば、店が繁盛し成功する可能性が高くなるということだ。

この3つの前提条件を、、世界で初めてお店で実践し、世界展開に成功したのがハンバーガーで有名なマクドナルド創業者、レイ・クロックである。マックはQSCを店舗運営の基本原則(理念)としたのだ。

現にいまでも、このことは続いている。
マクドナルドのHPには、しっかりとこのことが書かれている。マクドナルドでは、QSC & V を教えられるそうだ。 Vとは、Value(価値)のことで、QSCが最高の形で結びついたとき生まれる状態だとしている。

イトーヨーカ堂の鈴木会長は、「商売の原点」という著書の中で、「品揃え」「鮮度管理」「クリンリネス(清潔)」「フレンドリーサービス」が、同社の基本4原則と述べている。

鮮度管理が品質に、フレンドサービスがサービスに、そしてクリンリネスに品揃えを加えて4つが商売の原点であるとしている。至極もっともで納得である。

さて、皆さんのお店のQSCは、如何なっているだろうか。


株式会社ティオ
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サービスがCSか(5)ホスピタリティー度!

2010年08月27日 | CS全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、サービスがCSか(5)ホスピタリティ度!、です。

あるお客さまからオイル交換の予約電話がかかってきた。さぁー、フロントマンの貴方はどう対応しますか?

リーン
リーン
「はい、トータルカーサービスのtioモータース、山本です」
「○○さまでございますね。何時も大変お世話になっています」
「オイル交換でございますね。ありがとうございます」
「ご希望の日時をお聞かせいただけますか?」
「○月○日、日曜日午前10時にご来店でございますね。
かしこまりました。」
「私、山本が承りました。変更などございましたらお知らせください、
調整させていただきます。本日はオイル交換のご予約ありがとうございました。」
ガシャ

この応対はいかがだろうか?
これでお客さまの要求や期待に応えているだろうか?

オイル交換の受付はできたし、名前も呼んでいるし、入庫の希望も聞いている。取り立てて問題はない?問題ないと判断したら、間違いである。

電話応対の「サービス」であれば、そつのない応対で、これで合格ということになるが、ホスピタリティという視点で見れば、少々問題である。

先ずは、整備履歴を見ることが先決である。定期交換なのか判断をする。定期交換でなければ、オイル漏れ(オイルが減ったためなのか)があるのか、はたまた長距離ドライブに出かけるためなのか、交換の原因を察知しなければならない。

それによって、エレメント交換や日常点検(長距離ドライオブ点検)が必要なのかを判断して、問診内容や交換部品などの準備を整える必要がある。

定期交換であれば、エレメント交換の必要があるのか?整備履歴から判断し、必要であればお勧めをすることになる。同時に、在庫があるのかを確認しておき、在庫切れであれば即座に注文しなかればならない。

また、日曜日の午前中に来店されるということは、午後の予定がどうなっているかを確認しておく必要がある。予期せぬ不具合が見つかった場合には、午後の予定がなければ待ち整備が可能となるが、予定があれば「代車」の必要がある。

で、代車の空きを確認しておく必要がある。このように、オイル交換の目的がどこにあるかを確認し、その上で聞いておくことが何かを考えて、その場で聞いておく必要があるのだ。

これが、ホスピタリティである。

展示車を見に行きたいという、電話が入った場合も同じことが言える。はい、では○月○日○時にお待ちしています。私担当の山本です、で電話を切ってはだめなのだ。

来店方向、同伴者、現在の使用車、商談できる時間などを聞く必要がある。買取査定の予約電話も同様だ。とにかく来てもらうことが先決だから、細かいことは後回しにする。

時と場合によっては、そうした対応も必要だが、お客さまが商談に期待が持てるかどうかを感じてもらったうえで、来店いただくことの方が、成約率も上がるはずだ。

このように、サービスレベルで終わらせるのはなく、ホスピタリティの対応することが、要求や期待に応えることができる。つまり、満足をいただけることになるのだ。

不満を出さないサービスから満足していただけるホスピタリティで、他社との差別化を図り、顧客の創造をしていこうではありませんか。


株式会社ティオ
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サービスがCSか(4)ホスピタリティはどこから出るか!

2010年08月26日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、サービスがCSか(4)ホスピタリティはどこから出るか!、です。

ホスピタリティは、状況判断がなによりも優先する。状況判断から、個別的な対応という行動をとることになるからだ。

では、誰にでも状況を見極められれることができるか?これは、難しいところである。それ相応の訓練が必要だ。

どのような訓練が必要かといえば、「自分で考えさせる」訓練を積むことだ。この場合はこうしなさい、とか、ああしなさいとか教えることができても、教えた以外のケースに応用ができない。

それは、状況的、個別的だからだ。状況を全て教え組むことはできないし、まして個別的な対応も、個別を想定することができにくいからだ。

実際の場面で表現できるようになるには、担当者がそのことに気付くことが必要だ。この気付きを刷り込ませるのが、自分で考えさせることになる。

受付から納車までのシーン一つ一つに対して、お客さまの要求や期待が何かを考えさせること。この時に、イレギュラーのケースも想定して、考えさせることも行った欲しい。

考えさせるもう一つは、システムを考えさせることだ。例えば、待っていただく場合に、どうしたらお客さまの不安を軽減できるのか。そのための受付システムをどう改めることが必要かを考えさせること。

土日の夕食時のファミレスは、席順を待つ客で溢れる。一般的には、席順受付シートに名前と人数、喫煙・禁煙を記入し、順番を待つことになる。この時、待つお客さは、後なん番待つのか、時間がどれくらいかを知りたい。

これを解決するシステムを考えさせるのだ。このシステムを考える過程で、お客の要求や期待が分かり、理解できるようになる。余談だが、修禅寺にある「七々番」というお蕎麦屋さんは、席順シートにお客さまに書かせるのではなく、店員が書くシステムになっている。

加えて、席順を書いてもらうと、番号札を渡される。この札が、待つ順番が何番目かを知らせる札になっている。私がもらったのは、「九」の番号が書かれた札だった。ということは、9番目であることが分かる。

カルビ一番では、携帯呼び鈴を渡される。順番が近づいてくると、バイブで知らせてくれる。これだったら、店の前で待つ必要もない。自分の車の中や近くの本屋さんなどで、時間をつぶすことができる。

この二つのシステムは、ともに不満が満足に代わることになる。これもホスピタリティの一環である。

もう一つは経験させることだ。百聞は一見にしかず、これを百聞は一経験にしかず、と置き換えてとにかく、経験させること。何を経験させるかといえば、不満を経験させるのだ。

不満は、要求や期待が未達成の場合に起きることである。つまり、ある状況の時、お客さまはどのような要求や期待を持つのかを、不満を経験させることで体得させるのだ。

とにもかくにも、考えさせ体験させることだ。
サービスを教える場合は、こうしなさい、ああしなさい、と考える前に行動できるように、教え込むことが必要だが、ホスピタリティの場合は、身に染みてわからせるための「考えさせる」「経験させる」という指導方法が必要だ。

で、こうしたことを通じて「相手を思いやる気持ち」を養うこと。


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サービスがCSか(3)満足はホスピタリティで!

2010年08月25日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、サービスがCSか(3)満足はホスピタリティで!、です。

サービスのレベルが低いから満足してもらえない。だったら、レクサス店や高級輸入車ディーラーが行っている高級レベルのサービスを提供すればいい。これは、ちょっと直球すぎる。

例えば、39.8万円の中古の軽トラックを買いに来た、普通のおじさんに、高級店ディーラーのサービスレベルで接客しているように、黒服の営業マンが最敬礼でお出迎えし、フカフカのソファーに誘導し、片膝ついてカフェラテを提供したら、なんと感じるだろうか。

多分、慇懃無礼な応対となり、お客さまは不満どころか怒って帰ってしまうだろう。だったらそうならないように、接客のマニュアルを作って、指導教育すればいい。はい、その通り。

しかし、昨日のtio21ブログで触れたように、サービスは平均的、平等的、没個性的な行為である。したがって、マニュアルを作って指導教育したところで、満足を得るまでには至らない。不満を持たれないだけなのだ。

逆に、マニュアルに縛られて「融通が利かない店」という、烙印を押されるのが関の山だ。マニュアルを作るな、と言っているのではない。必要だし、できれば作って備えておくことだ。

くどいようだが、サービスでは満足レベルには到達しないのだ。
では、どうすることが必要なのか?
それは、「ホスピタリティ」である。

ホスピタリティは、
1.個別的
2.状況的
3.総合的
なのだ。

顧客一人ひとりの状況や客層を見極めて、それにマッチした接遇行為を提供することがホスピタリティである。思い遣り、つまり「お持て成し」である。だから、マニュアルではカバーしきれないのだ。

北陸は能登にある「加賀谷」さんは、このお持て成しであるホスピタリティができているから、CSナンバー1に選ばれるのだ。お客さまとの会話から食べ物の好みを聞き、肉が嫌いだったら夕食の献立を、魚料理や野菜料理に替えて提供する。

お客さまから言われなくても、要望や期待を察知し、それに対応する。マニュアル対応だったらこれは、できないことである。

ホスピタリティには何が必要かといえば、状況判断が担当者レベルで行える組織でなければならない。権限が移譲されていなければならない、ということである。それも、損得抜きで対応できなければならない。

サービスポリシーが、「ノーと言わないサービス」で名が通っているリッツカールトンホテルでは、貴方が必要と思うことを行いなさい、という行動指針がある。

ことに対応した時に、上司に聞いてきます、それは規則でできません、などと言っていたら顧客が満足しない。

特別なことを行えというのではない。ちょっとした気遣いでいいのだ。
例えば、一人で来店されたお客さまには、「こちらで少々お待ちください」と言って待っていただくだけではなく、その後に「よろしければお読みください。他の新聞、雑誌はあちらに用意してございます」と、男性であればスポーツ新聞や経済新聞を、女性であれば日刊紙や女性誌をお持ちする。

一人で待つのは退屈だから、時間をつぶす用意をこちらで先回りして、提供する、これが思い遣りというものだ。だから感動が生まれるのだ。

馴染みのお客さまには、「いつものコーヒーでよろしかったですか」と尋ね、しかるべき飲み物をお出しするのだ。平均的な「お飲み物は何がよろしいですか」ではないのだ。

顧客争奪戦が激しさを増す中で、サービスの提供で終わっていたのでは、脱落を減らすことは難しくなっている。ホスピタリティが必要なのだ。


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サービスがCSか(2)サービスでは満足にならない!

2010年08月24日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、サービスがCSか(2)サービスでは満足にならない!、です。

昨日のtio21ブログで、サービスも要求や期待があれば,、良いサービス
を提供することがCSになると書いた。

しかし、サービスという一般的な行為を考えると、本当にCS、つまり顧客が満足をするかは、甚だ疑問がある。
というのは、いまやサービスはよくて当たり前になっているからだ。

まだまだ出来ていないレベルの会社もあるが、挨拶をしっかりやりなさい、漏れなくやりなさい、などいったことはどこでも言っているし、
教育されていることである。

サービスを考えてみると、次のような特性を見つけることができる。
1.サービスは平等的行為
2.サービスは平均的行為
3.サービスは没個性的行為

サービスは、誰にでも、何時でも行うもので、これといった特徴を持っているわけではない。
中には、「挨拶でNO1」という明確な目標を掲げて、地域で評判になっている会社もあり、
すべてと言わないが何処でも行われていることである。

ということは、サービスで「顧客が満足」することは、めったにないことといえる。
では、サービスとはなんだろうか?サービスとは、「不満を持たれない・与えない」最低限の接遇行為である、といえる。

いらっしゃいませ、というのが当たり前で、このこと自体が満足を感じていただけるものにはならないのだ。
当然だが、いらっしゃいませ、の一言がなかったら、お客さまは「何この会社、サービスがなってない」と不満を持つことになる。

つまり、お取引いただけるであろうお客さまに、不快や不安を与えないものが「サービス」なのだ。
だから、何時までもサービスをよくしろ、と言っているようでは、顧客が満足してくれないのだ。


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サービスがCSか(1)満足の本質

2010年08月23日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、サービスがCSか(1)満足の本質、です。

CSの目的は、ビジネスの目的とイコールである。ビジネスの目的は、経営学者であり社会生態学者である「ピーター・ファーディナンド・ドラッカー」は、
「利潤」ではなく、唯一「顧客の創造」に求めるべきである、と提言している。

CSのルーツであり本質は、ここにあるといえる。
顧客を創造するには、顧客の声に耳を傾け、要望・要求・期待している商品でありサービスを、提供することに他ならない。
取引客を大切にする一方で、新しいお客さまを創っていく。

これこそがCSといえる。様々なニーズにしっかりと応えることが「CS」なのだ。
だから、ドラッカーは、顧客の創造には、マーケティングとイノベーションが必要不可欠であるとも言っているのだ。

ドラッカーの教えを忠実に実行して成功しているのが、ユニクロを展開しているファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏である。
ユニクロのCMを初めて見たときの衝撃は今でも覚えている。

ファーストリテイリングの経営理念の第一条には、「顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」と唱っている。
ユニクロのビジネスモデルは、イノベーションであり、フリースやヒートテックのヒットは、マーケティングの賜物である。

挨拶をよくしなさい、ということもお客さまの期待や要求であるならば、よくすることで顧客が満足をすることになる。
しかし、接客サービスだけが期待や要求だけではないことを、理解することも大事である。

整備であれば、早くて正確で経済的な商品を提供することは、CSにとってもっとも重要なことである。
ある意味、整備商品がいいというのは「前提条件」ともいえる。

展示場やショールーム、工場の整理整頓をして、常に清潔に努めることもCSであることは間違いないが、それでけではない。
顧客に提供する全てが顧客の創造に結びついていなければならないことを、経営者は当然、第一線で活躍する社員までもが理解しておくことだ。


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配慮してますか周辺住民のことを!

2010年07月16日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、配慮していますか周辺住民のことを、です。

苦情やクレームは、中古車の販売や整備だけではない。

ある新車ディーラーで、板金工場を新設した。その3か月後に移転し再建築した事例がある。

工場が新設されて、修理作業が始まったら周辺の住民から「うるさい」「臭い」などといった苦情やクレームが続出し、工場を移転しなければならなくなったのだ。

こうした苦情やクレームにも、対策していくことが求められているのだ。いわゆる取引以外の苦情やクレームにも、さまざまに取り組んで行かなければならない時代なのだ。

こんな話を整備工場の社長にすると、俺がここに工場を建てたころは、周りは畑や田んぼだった。俺の工場がここにあることを承知で移転してきて、勝手なことをいうのは許せない、といったたぐいの話を聞くが、時代が変わったのだ。

今や、エコの時代である。エコとは、環境にやさしい、ということがキーワードになる。だから、整備工場は当然だが中古車販売店においても、地域の住環境にやさしいお店でなくてはならない。

新車ディーラーもそうだが整備工場や中古車販売店は、地域密着型の商売である。地域密着とは、とりもなおさず地域とともに生活し、仕事をし、共存共栄を図ることだ。

だから、周辺住民とは常に良好な関係が保たれていなければならない。中古車販売店や整備工場は、周辺住民が健康で明るく生活できる住環境を健全に保つ責任がある。

常に、騒音や悪臭には気配りをして住環境を壊さないように、先回りして対策を講じることが求められる。うるさいとか臭いなどといった苦情やクレームが発生すると、最悪前述のようなことになる。

ある大型車を扱う整備工場では、完成検査を10時から12時の間に行うように作業工程を組むという。ディーゼルスモークの検査の時に、アクセル全開をするが、この時のエンジン音に配慮してのことだ。

また、ある板金工場は、極力あて盤を使わないようにして鈑金をするようにしている。これも騒音対策として取り組んでいることだ。それと、路上駐車にも注意が必要だ。道路を自社の駐車場代わりにしている工場や中販店もある。これも止めるべきだ。

定期的に周辺の住民を招いて、環境への取り組み工場見学会などを開催し、廃油の処理やバッテリー、古タイヤなどの保管・処分のプロセスなどを見ていただき、意見などを聞くこともいいのではないだろうか。


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苦情・クレームは利益を生む

2010年07月15日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、苦情・クレームは利益を生む、です。

先週のTIO21ブログで、苦情・クレームを売る・買う時代、という記事を書いたが、今や苦情やクレームが利益を生むのだ。

苦情に対応した前と後で再購入の意向がどう変わったかの集計を見ると、「今後も使う」が対応前では55%が、対応後に78%と23%も上昇している。また、「使いたくない」が同様に20%が3%と17%も減っている。対応の前後では見違えるほどである。

つまり、苦情やクレームにしっかりと対応すれば、リピーターを増やすことができるのだ。これは、ジョン・グッドマンの法則でも証明されていることだ。不満のお客さでも対応に満足すると82%がリピーターになるという。逆に対応に不満だと二度と買わないという。

こうしたことからも、苦情やクレームは対応次第で、確実に利益を生むものになっている。だから、避けて通るのではなく、積極的な取り組みが社内の体制として必要なのだ。

ところが、整備工場や中販店の一部にみられるように、苦情やクレームへの対応を避け、トロトロした取り組みに終始している。これでは、利益を生むどころではなく、悪評を撒き散らかせられるだけである。

これは、経営者が苦情やクレームは、あって当たり前、発生したら適当にかわせばいいといった、甘い認識に立っているからだ。また、苦情やクレームへの対応を「対決する」といった姿勢になっていることも、理由に挙げられる。

会社の損害をいかに小さくするか、という会社の都合を優先した戦闘モードで対応すると、解決が長引いたり混乱したりするだけだ。

苦情やクレームは、コスト要因ではなく利益要因なのだ。苦情やクレームは、利益を生まないのではなく、利益を生むのが苦情でありクレームである。

だからと言って、苦情やクレームを出せということではない。こうしたことは、ないほうがいいに決まっている。



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クレーム原因を「人」にしてはならない!

2010年07月14日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、クレーム原因を「人」にしてはならない、です。

苦情やクレームは様々な理由によって起きる。二度と同じことを繰り返さないためには、起きた理由=原因を、明らかにして確実な対策をとることだ。

この時に、「あいつの態度が悪かった」とか「あいつの技術がお粗末だから」、あるいは「細かい客だから」など、苦情やクレームの発生原因を「人」に向けたら、同じように苦情・クレームが起きる。

確かに、他の人間が行っていたら起きることがない苦情やクレームがある。しかし、だからと言って原因を「人」に向けていたら、根本的な解決策は生まれてこない。

根本的な解決策は、技術不足があったのであれば、それを承知で修理を担当させても苦情やクレームにならない方策を講じることが「対策」となる。例えば、中間で上司のものが「中間確認」をすることが対策となる。

ある板金工場では、上司にあたるメカニックに目ざまし時計を持たせ、10分とか30分単位で「ベルが鳴る」ようにしておき、ベルが鳴ったら自動的に部下の所に行って、経過確認とアドバイスをするという「システム」を導入している。

これが、対策というモノだ。

こうした対策を講じる一方で、苦情やクレーム発生の当事者には、レベルアップや仕事への取り組み姿勢などを改善するための指導・教育を施すことだ。

いつまでもレベルアップが図れないし、本人の努力も見えないような場合には、異動なども検討しなければならないが、先ずは、OJTを中心にした指導・育成だ。

また、苦情やクレームをお客さまの性格などにしてはならない。細かいことに厳しいお客さまに対しては、そのことを告げて作業指示書を発行しなければならないし、納点前に必ず点検確認をして納車する流れを作ることだ。

場合によっては、その流れを普段の流れにすることも必要になることもある。細かいことに厳しいお客さまでも、納得してくれる流であれば、どのお客さまにも満足いただけるはずだからだ。

いずれにしても、苦情やクレームの原因を「人」に向けてはならない。


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クレーム解決は初期対応で決まる!

2010年07月13日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、クレーム解決は初期対応で決まる、です。

苦情やクレーム対応は、どんなケースでも気が重い。その気が重いまま対応すると解決はスムースに進まない。進まないどころか、かえって悪化してしまう。

それは、初期対応の段階でミスしているからだ。気が重いままにファーストコンタクトをとると、心を閉ざしたままで接することになり、誠意ある態度や、相手の言い分を聞くゆとりがないので、ついつい「言い訳」に終始したりしてしまう。

結果、お客さまはそのことでも気分を害してしまい、解決の歩みが遅くなるし、広げてしまうことになる。

苦情やクレームの解決を円滑にするのは、初期対応なのだ。初期対応さえ誤らなければ、苦情やクレームの解決はスムースに進んでいく。

では、初期対応で肝心なことはなんだろうか。それは、「誠意ある態度」だ。誠意ある態度とは、
 ・迅速な対応
 ・責任を持つ対応
 ・真剣な対応
である。

迅速な対応とは、ことが起きたら即刻対応すべきである。例えば、電話でクレームや苦情が入ってきたら、その電話では、内容を聞くだけ聞き、「では、5分後にこちらから連絡させていただきます」と言って電話を終えることだ。

「では後ほど」ではダメなのだ。5分が10分でもいいが、時間を明確にすることがポイントになる。理想は、5分以内でコールすること。どうしても無理であれば、10分以内と心得ておくことだ。

もう一つ付け加えてほしいのが「お聞きした内容は・・・・・・、で間違いありませんか」とメモの復唱を必ずすることだ。これが、責任持つことに通じることである。「はい、分かりました」ではダメなのだ。

5分経ってコールするときは、役付者(上位者)が行うこと。これが、真剣な対応になる。「先ほど伺った○○の上司の山本です」と言ってコールすることが、真剣に言い分を受け止めてくれている証になる。

今までのことは、来店時でも同じことである。来店時であれば、必ずメモを録りながら、話の内容聞くことだ。それを、ただ直立不動でうなだれ気味に話を聞いているのは、誠意があるようでない態度になる。

メモを録ることで、真剣に責任もって聞いてくれているという印象を、相手に与えることができる。

皆様も経験あると思うが、苦情やクレーム以外でも人の話をメモ録りながら聞いてもらうと、正しく伝わっているということで、間違いないという「安心感」や「信頼感」を持つ。

メモって、結構重要なことなのだ。したがって、普段からメモを録りながら話を聞く習慣をつけさせることだ。例えば、会議の場でもメモを録らす。朝礼の場でもメモを録らす、など習慣をつけるシーンはいくらでもある。

私は、いつでも手のひらサイズのメモ帳を持ち歩いている。余談だが、コンデジもいつもシャツのポケットに入れている。メモとコンデジは、私の必需品になっている。これで、気になったことなどをメモったり、撮ったりしている。

初期対応の「誠意ある態度」、これがクレームや苦情の解決を早める重要なポイントであることを肝に銘じてほしい。


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クレームの種は店格で変わる!

2010年07月12日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、クレームの種は店格で変わる、です。

皆さん、ご質問。
ビジネスホテルに期待するサービスと、シティーホテルに期待するサービスは同じ?

同じと答える方もいるとは思うが、多くの方が「違う」と答えると思う。一般的には、ビジネスホテルでは、「寝る」「寛ぐ」「安い」を期待して宿泊する。

一方のシティーホテルには、「ゆったり寝る」「快適に過ごす」「優雅に寛ぐ」などを期待して宿泊されるはずだ。

何が言いたいかといえば、「店格」というイメージによって、お客さまが期待する内容やレベルが違うということだ。

ビジネスホテルに、「優雅な接客」などを期待する人はごく稀だろう。それよりは、日常の延長的な手軽と、それなりの安さを求めて宿泊する。だから多少接客態度がお粗末ても耐えられるし、さほど気にならない。

が、シティーホテルでは、丁寧かつ優雅なホテルライフを大いに期待して宿泊する。ある意味では、日常と違う体験を求めている。したがって、雑な接客や薄っぺらな礼儀作法で期待を裏切るようなことをすると即苦情やクレームになる。

百キンで買ったの食器が1か月もしいで壊れても、そんなもんかで済むが、ノリタケで買った食器だったら、クレームとなり交換などを要求されるはずだ。

これと同じようなことが、ドトールコーヒーとスターバックスでも求めている期待は違う、スーパーとデパートでも違う。民宿と温泉旅館でも違う、当然、新車ディーラーとモータース店でも違う。

こうした違いが出る店格というイメージは、歴史、過去の経験や広告宣伝、お店の構え、扱い商品、コンセプトそしてブランドなどから形成される。もちろん口込みもある。最近は、ネットによる「評価」が簡単にみられることで、口込みの影響が大きくなっている。

店格にあった接客サービスであり、礼儀作法を身に付けさせるには、通り一辺倒のCSマナー研修では、不足することになる。
CSマナー研修の前に、店格の自覚を持たせるプログラムと、店舗に期待することが何かを体験させる必要がある。要は、店格にあった「社員」の育成が必要ということだ。

余分なことだが、この記事を書いていて気になったのが、新幹線などの車内販売の販売員が、普通車両とグリーン車両では、アナウンスする話し方や接客方法が違うのだろうか?


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