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自動車整備業&車両販売業のCS経営をコンサルタントする TIO21ブログ

自動車整備業、車両販売業のCS経営のためのコンサルティング、現場改善指導、制度設計、社員教育、各種セミナー・講演

整備相談に見る苦情・クレームー2.料金トラブルを防ぐ

2011年09月15日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備相談に見る苦情・クレームー2.料金トラブルを防ぐ、です。

私は、接客において「数字」に関することは、念には念を入れて対応するように
指導している。これは、電話応対でも同じ。

数字とは、日時と金額のこと。
日時には、予約の日時、納車の日時、連絡の日時、電話番号などがある。日時の場合は、「どこに」という場所も含まれている。

金額には、見積金額、請求金額と、取引条件だ。
見積金額の場合は、見積内容、内容のグレード、支払条件がある。

金額のトラブルで多いのが「言った言わない」「聞いた聞かない」の類だ。
大体が、店舗側は「伝えた」とか「言った」といい、お客は「聞いていない」とか「覚えがない」という。

言い忘れもあると思うが、一通りのことはお客さまに伝えているケースが多いが、
お客さまは、聞いていないとか覚えがないという。

そこで、伝え方をもっと工夫する必要がある。
言葉だけでは、中々伝わらないのだ。

ところで、何かを伝る手段と記憶に残る関係には、相関関係があると言われている。
例えば、3時間ごと3日後の記憶に残る割合は、次の通り。
・言葉だけの場合:3時間後70%、3日後10%
・視覚のみの場合:
3時間後75%、3日後20%
・言葉+視覚の場合:
3時間後85%、3日後66%


同じような資料だが、一般講演では、1時間たってからその内容が記憶に残る割合は、
・言葉だけだと10%弱
・図だけだと20%強
・言葉と図を併用した場合は、およそ70%程度
と言われている。

また、ある資料によると、
聞いた:10%
見た:15%
聞いて見た:20%
話し合った:40%
言葉を言い換える:70%
言葉を言い換えて行動:90%
となっている。

上記の3つのケースでは、話すだけではなく、見せながら話す、。さらには、行動させることによって、
格段に記憶に残るということだ。

整備見積の場合、金額しか書いてない。見積を「外観」だけでしたのか、「分解」したのかまでは、書いていない。
あるいは、追加が生じる場合の事も書いていない。

これでは、この部分は「言葉」だけになってしまうので、お客さまが記憶に残るは10%でしかない。
整備相談のケースでも、外観見積は説明している、と担当者が言っているが、お客さまの記憶には
残っていない。

見積した時の条件や追加整備の発生などは、別紙を作って、これを見せながら話をして、持参いただくことだ。
話をするときに、マーカーペンなどを使って、重要な部分にマークしながら話すと、記憶に残る割合も高まる。
場合によっては、説明を受けたということで、サインを求める(行動)ことも考える必要がある。

こうしたお客様優先の接客、説明が料金トラブルを減らす条件になる。


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整備相談に見る苦情・クレームー1.最近の整備苦情・クレームの内容

2011年09月14日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備相談に見る苦情・クレームー1.最近の整備苦情・クレームの内容、です。

整備工場とお客さまとのトラブルは、色々なケースがある。
ある県の会員向けの機関誌に、平成23年度の第一四半期の全国に寄せられた整備相談の一部が
掲載されている。ケースは全部で8ある。

そのうち、車検整備に関する件数が4件、全体の半分を占めている。次に一般整備2件、点検と車販に
関するケースがそれぞれ1件となっている。

実に、整備相談の多くが「車検整備」に関することなのだ。
では、車検整備の何に対して相談が来ているかを見てみると。
半分の2件が料金に関することだ。整備内容に関するケースが1件、残り1件が傷をつけられたという内容だ。

車検整備は、整備工場の売上の約半分を占める、いわば経営の柱である。
その柱が、あってはならない苦情やクレームが多く発生している。

この8件の傾向が、全国の平均的な傾向というには、ケースが少なすぎて判断できないが、苦情・クレームの参考になる。
何が参考になるかと言えば、ユーザーが求めてことと、解決策の例である。

特に、私はユーザーが求めていることが何かの参考にしてほしいと思う。
それは、ニーズが分かれば苦情・クレームの発生を一つでも減らすことができるからだ。

解決策の事例も、大いに参考にはなるが、これは、苦情・クレームが発生した後の個別の対応策だ。
苦情・クレームは無いにこしたことがないので、その意味でニーズを掴む参考にしてほしい。

8件のケースを見てみると、「説明不足」がある。
例えば、車検料金を安くしてくれと言うので、前検査だけで納車した。その1カ月後に高速道路で止まってしまった。
その時の修理代金と、車検工賃を返却して欲しいという。

また、次のケースでは、事前見積で言われた金額が、実際作業に入ったら追加料金が必要と言われた。
断ると、車検に通らないと言われたので、仕方なしに中古部品を使うことで了承したが、納得いかない。

3つ目のケースでは、車検整備の完了連絡を貰って、引取に工場に行ったら、見積金額よりも高い請求を
言われた、事前了解も取らないで整備したことは、納得いかないし、追加料金は払いたくない。

如何だろうか。今少し、丁寧に説明するなり、書いたものをお渡ししておけば、防げたケースではないだろうか。
二番目のケースなどは、外観だけ見ての見積もりだったそうだ。

であれば、そのことを事前に伝えておくことと、または、外観見積と分解見積のどちらかを選ぶ方法にする。
この選択方式は、違いを必ず聞いたうえで、どちらかに決めることになるので、必ず説明することになるし、
追加整備の発生も当たり前のこととして受け取ってくれる。

また、走行距離、前回の車検整備、定期点検の実施状況、日頃の維持管理の状態などを掴むことで、
外観以外の交換部品を予想して、追加の可能性を見積書に入れておくなどすることで、十分防げた。

一手間かけていれば、あるいは、もう少しきめ細かくしていれば、防げたケースが圧倒的に多いということ。
こう考えてみると、CSの根本である「お客様優先」ということが、どれほど社員が理解しているか気になる。

お客様優先というのは、お客さま「が」理解するのが「CS」であって、お客さま「を」理解させることではない。
お客さまが理解するには、どのような説明が必要なのか、どのタイミングで連絡を取るのか、言葉だけではなく、
別な方法がないのか、こうしたことを解決しないと同じようなことが起きる。


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旅先で経験した対応事例ー2.ありがとうの前に「予約しましたか」

2011年07月15日 | CS全般

 おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、旅先で経験した対応事例ー1.看板に偽りあり、です。

この日は、ヒーリングガーデンを観にいった。
これもネットで探したガーデンである。

受付で入場券を買おうと料金を聞いたところ「予約されてますか」と、尋ねられた。
予約??、予想もしない言葉に、聞いた叔母は、予約すると入場料が安くなるんですか?
と、聞き返した。

「いいえ、そのようことは御座いませんが、ゆっくりと園内をご覧いただくために、
予約制となっています。本日は、入場者数も少ないので、予約がなくてもご入場いただけます。」
ということである。

であれば、先に「ご来園ありがとうございます。当園は予約制が原則ですが、本日は予約が
無くても、ご入園いただけます。入園料は大人御一人〇〇円となりますが、如何なさいますか?」

というのが、本来の対応だろう。
それをいきなり「予約いただいていますか?」と、ハードルを高くするような、嫌味な感じを受ける。

自宅に戻ってHPを確認したら、「ご注意」というコーナーに、小さな文字で「予約制」と書いてある。
その前に、基本情報として開園時間や休園日、入園料などが書かれている。私的に言えば、
この基本情報と横並びで、「予約制」というタイトルを設けて、誰でもすぐに気づくように工夫すべきだ。

HPをつぶさに見なかったこちらも落ち度があるが、その書き方が問題である。
園の基本方針として「予約制」を採っているのであれば、もっとはっきりと目に付くような書き方・表示
の仕方をするべきである。

ここは、難しい判断が必要である。
大きく「予約制」などと書くと、わざわざ予約をしてまで行きたいと思わせる「差別化」が必要になる。
そうでない限り、予約を入れることはあまりしない。

ましてや、予約の仕方が書かれていないし、HP上からも予約ができるシステムがない。
これでは、わざわざ予約をするお客がどれほどいるのか疑問である。

入園者にゆっくりとガーデンを見物していただきたいといった、基本方針を掲げているのであれば、
HPにおいても手間を取らせないシステムの導入が必要だし、受付においては、未予約客についての
対応の要領をもっと工夫する必要がある。

予約客の割合などのデータをもとに、システムの内容を見直さないと、いらぬクレームを自分たちで
作ってしまいかねない。

昨日と本日の出来事は、HPに起因することであった。
整備工場や中古車販売店でもHPを活用したビジネスが盛んになっているが、
今一度、HPの内容と実際に齟齬がないかをつぶさに検証し、必要に応じて対策を
することである。

CSというのは、満足を得るよりも前に「不満」を作らないことが基本である。
このことを常に、頭に入れて、そのために何が必要か、どう行動すべきかを
シュミレーションしておくことだ。



株式会社ティオ
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旅先で経験した対応事例ー1.看板に偽りあり

2011年07月14日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、旅先で経験した対応事例ー1.看板に偽りあり、です。

先日、我々夫婦と母、叔母の4人で信州に泊まりがけの旅行に行ってきた。
特別これといった目的もなく、如いてあげれば、普段の生活から気分転換を狙いであった。

宿泊先の手配は、いつもながら私の役目である。
ネットで探していたら「公共の宿」を見つけ、HPの内容をつぶさに確認したら、
値段の割に内容が充実していたので、早速予約を入れた。

どうだろうか、おおよそ宿泊の一か月前の予約であった。
当然、予約はネットからの申込であった。予約後に「サンキューメール」が来たが、
それ以降は、宿泊当日まで音沙汰なしであった。料金が料金だけに致し方ない、と自分で
納得して当日を迎えた。

フロントでチェックイン。70才台半ばといった感じのオジサンが普段着姿で
応対にあたっている。奥には、もっと若い女子職員がいるのに、である。
名前を告げたところ、すぐに夕食と朝食の時間の確認と、場所の案内があった。

次に、温泉場所の案内が始まった。「済みませんが、先の地震で温泉設備が壊れて、温泉が出ません。
ついては、水道の沸かし湯になっています。温泉に入りたいのであれば、本館(徒歩2分程度)に行って
いただければ、入ることができます」との案内だ。

ムム、そんなこと事前に一言も聞いていない。むっとした顔で、言い返すと、申し訳ございません。
順次連絡を入れていましたが、漏れていたようですね。との返事。冗談じゃない。その日は我々だけしか
予約がない。

細かいやり取りはこれ止めるが、要は、HPの記載内容の温泉が違っていたのだ。
夕方6時過ぎに山奥まで行って、温泉が出ませんと言われても、宿を変えることもできない。

こんな時、皆様はどのようなことを期待するのだろうか。
料理が数品多く出る、本館への部屋の切り替え、本館までのクルマでの送迎、料金の値引きなど
色々ことを期待するはずだ。

ところが、代表からお詫びの手紙が行くと思います、で片づけようとする。
公共の宿がとるクレーム対応としては、この程度だと思って、それ以上何も言わずに部屋に入った。

料理もさることながら「温泉」は、旅の大きな目的でもある。その目的がないがしろにされた旅行は、
つまらない思い出しか残らない。ましてや前日の温泉がとてもよかっただけに、落差があまりにも
大きく感じられる。

私が、フロントであれば3つほど解決策を提示し、選んでいただく。
それでも対応に不満であれば、料金を「0円」にする。

こうした覚悟がクレーム処理には必要なことだ。
要は、自分たちの「損害」を最小限にすることを前提にした対応は、決して満足を得られる
解決にはならないのである。

クレーム解決のポイントは、お客さまの意向を最大限実現することである。
それが「宿泊費0円」であっても、それを望んでいるのであれば、採用するのが一番の
クレーム解決の早道である。

なお、普段からクレーム対応のシュミレーションや、ロープレトレーニングを行い、
経験を積んでおくことも、いざといった時に冷静に対応するためには大事ことだ。

 


株式会社ティオ
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お持て成しを表現する!

2011年05月06日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、お持て成しを表現する、です。

先日ある焼肉屋、というよりも「焼肉レストラン」と呼ぶ方がしっくりする店格のお店で、
ランチを食べた。

古民家風の作りで、とてもおしゃれな感じがするお店だ。
このお店は、『自社牧場で黒毛和牛を「育てて」提供するお店』を看板にして、
お肉には相当なこだわりを持っていて、安心、安全な食材を提供している。

カウンター席と小部屋(ボックス席)がある。私は一人での入店だったので、当然のように
カウンター席に案内された。案内は、カウンターの中から、「こちらにどうぞ」といった誘導だ。

入店した時間が11時半ごろ。まだ客も少ない時で、カウンター席も全て空席だった。
案内された席は、入口から近い席だった。普通、奥の席から案内するのに、
ここのお店では、入口に近い席に案内する。

ランチメニューの「手ごねハンバーグ」を頼んだ後にカウンターを見てみると、
お寿司屋さんでよく見る鮨ネタを入れるショーウインドーが置いてあるが、
中は空っぽ。これでもショーウインドーの意味があるのか?

ウエットパーパー、調味料などが置かれたテーブルセットが、私の席の4席ほど右にあるのに
気づき、勝手に席を移動してランチを待つことにした。

出されたお水を飲みほして、空になったグラスに、接客係りは気づかない。
私が、注文してからお水が注がれた。
うーん、ここまででは店格にそぐわない、お持て成し内容である。

ランチ980円、ハンバーグとライス、味噌汁、お新香と、ごく普通の内容だ。
ハンバーグの味は、普通の上ってところである。

ランチを食べ終わってトイレに入った。
用を済ませ、洗面台に近づいたら、何やら見かけないモノが置いてある。
よく見ると、一つは「歯ブラシ」だ。温泉旅館などに置いてある歯磨き粉が着いた歯ブラシ。

もう一つジャムの入れ物のように見えるが、口内洗浄液(マウスウォッシュ)が入ったモノだ。
焼き肉を食べた後に口臭を、これらで洗い流してほしいといった、
お店の配慮だろう。一味違ったサービスには、感心させられた。

思うに、歯ブラシや口内洗浄液などのハード的なお持て成しは、マニュアル化できるが、
お客さまをご案内する席順や、お水を切らさないように目配せし、行動するなどの
ソフト的なお持て成しは、マニュアル化できない。

以前に「QSC」をご紹介した。これはマックの商売の原点としてきたものだが、
いまでは、飲食業界はもとより色々な業界・業種で「CS」の基本として使われている。

この焼き肉レストランも目指すところは「QSC」なのだろうが、それをお客さまに感じてもらうための
アクションには、今少しトレーニングが必要ではないだろうか。

QSCが確実に表現できてこそ「お持て成し」になる。
このことを、全員が理解し、仕事に落とし込むことが必要だ。


株式会社ティオ
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CS向上に挑戦するー4.CSの基準に欠かせないアンケート

2011年04月28日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、CS向上に挑戦するー4.CSの基準に欠かせないアンケート、です。

お客さまに正しく接しよう、と社内に掛け声かけても、人によって「正しい接客」の理解レベルがまちまちなことがある。
単に「いらっしゃいませ」と挨拶することと理解している人、帽子をとって笑顔で挨拶すると理解している人など、
これではサービス品質がばらばらになってしまう。

そこで、CS社内基準を設け、誰でもが同じサービスを提供できる、意識と行動を均一にすることがCSの第一歩だ。
CS社内基準とは、「マイナスサービス=不満を与える」「ミニマムサービス=不満も満足もない」
それに「キシムサービス=満足できる」のCSの三段階を示すこと。


どうしたらお客さまに「不満」を与えてしまうのか、どうしたら「満足」が得られるのかの基準を
明確にすることで、いちいち注意や解説をしなくても、社員が自主的にアクションを取れるように
することが何よりも重要なことだ。

例えば、お客さま駐車場のマイナスサービスは、駐車場が満車状態、案内表示がない、社員や社長の車が駐車してある、
舗装していない、雪かきができていないなどがあるが、こうしたことを全社員が理解し、マイナスサービスの状態を
なくさなければならない。

CSが改善活動というのは、このCS社内基準を改定していくことなる。
だから、CSアンケート調査を定期的に行い、お客さまからCS社内基準をどう評価されているか
集計・分析し、適時見直しをして基準を改め、その基準を元に社員教育であり、システムの改修を行うのだ。

したがってCSを高め維持していくには、CSアンケート調査が不可欠である。
アンケートなくして「CS」は語れないのだ。

アンケートは、お客さまの生の声を聞くチャンスなので、なるべく多く回収することです。
そのためには、その場で回収するよりも後で回収するとよい。ただしその場合は、書いていただくお客さまに
「返信することの目的」を、十分に伝えることが必要だ。また、「お客様応対改善係」のような窓口を設けることも必要な
ことになる。

アンケートの質問は、「電話応対はいかがでしたか?」などのような大枠の質問には、必ず「理由」がわかる質問も設けること。
例えば、「電話応対で不満や不足に感じたことを下記より選んでください」と、具体的に改善が行える「種」を掴む
質問項目が必要だ。

なぜ「良い」と感じたのか「悪い」と評価したかを掴むことがCSアンケート調査の目的だ。
ただ単に「CS水準」を掴むのではなく、何がそうさせているかを把握することができれば、
CS社内基準を改定する方向や項目がより明確になり、CS向上を可能にすることがでる。

また、アンケートには、「自由記述」枠を設け、本音を書いてももらうことはとても重要になる。
質問に対して3や5段階評価をしてもらう、数値的な集計(データマイニング)だけだと、
その理由が何かを具体的に掴むことが難しくなり、改善活動が抽象的になりがちだ。

自由記述のような具体的な記述があれば、それに対して「サンキューレター」の返信文も個別の文面をしたためることができ、
この点でもCS向上が期待できる。
こうした自由記述を集計・分析し、傾向や思考などを把握することができるテキストマイニングという技法を使うことで、
より具体的なCS改善に役立てることができる。

集計・分析ができたら改善活動に移る。
改善活動は、前述のとおり「CS社内基準」の改定を行う。

業務に関係がある場合は、業務改善となるし、商品に関係がある場合は商品の改善を行う。
業務マニュアルがある場合は、当然マニュアルの改訂も含めて改善活動を進める。

改善活動が終わったら、改善内容に沿って社員教育を実施することだ。
社員教育のポイントは「CS評価の実態」「その要因の明確化」「改善内容の明示」「どう対応するか」の指導。
必要に応じて「ロールプレーイング」を行い、知識だけではなく体で会得させること。

改善活動としては、社員教育までで終了だが、自由記述やCS水準から「新商品」「新サービス」まで発展させるように心がけると、
CSアンケートがより生かされたことになる。CSアンケートから「メンテナンスパック」を開発・発売をしてお客さまから好評得ている会社もある。

いずれにしても、単に数値を集計し、前回よりも上がった、下がったと一喜一憂するのではなく、そのことを通じて、
仕事や意識にまで踏み込んで改めていくことが、アンケート調査の目的であることを、経営者が自覚することだ。だからCSは、計絵理念になるのだ。


整備工場の場合、来店から納車、フォローまでの3つステップの大半がフロントで行う業務でありサービスだ。
つまり整備業の場合は、CSを左右するのは「フロント」につきる。

だから何が何でもフロントを精鋭化すること。
できれば専任化して、対顧客業務と対社内業務に専念させて、一つひとつの業務品質を常に最高レベルで行える、育成を図ることだ。

顧客意識を持ち、確実で丁寧かつ迅速な業務処理ができ、サービス精神が旺盛な人こそフロントにふさわしい人材と言える。
当社には、そのような人材がいない、というのであれば経営者自らが担当してもよい。

CSは、改善活動であり仕事そのもと書いた。
ということは、社員の働き方や意識レベル、あるいは会社に対するロイヤリティ・レベル(好意度レベル)が
仕事の質を決めてしまうことになる。結果CSそのものレベルを決めることになるのだ。

従業員が気持ちよく働く、安心して働くなど会社に対する満足=ES(Employee Satisfaction)が、CSにとって何よりも優先しなければならない。

ジェームス・ヘスケット、他著「カスタマー・ロイヤルティの経営」(日本経済新聞社)などによると、ESとCSとの間には99%の因果関係があり
(MICコミュニケーション、メイジャーUSトラベル・サービス、ランク・ゼロックスなど各社での実績で証明)、ESが1%向上すると、
CSが0.22%向上する(メリー・メイド社の実績)とも言われている。

従業員の業務に対する意欲、生産性の高さは、ESと深く結びついていて、整備品質やサービス品質、あるいは生産性に影響を与えていることを、
経営者がはっきりと認識し、ES対策を優先していくことが、CS向上の近道といえる。

つまり、どんなに優れたCS戦略も、それを実践していく従業員の理解と賛同がなければ、満足いく成果は生まれないということだ。
今後の整備業界は、経営規模の拡大競争ではなく、CS品質競争が激しくなる。

最後に、「何もしなければ何も変わらない。何も残らない」をお伝えして最後とる。


株式会社ティオ
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CS向上に挑戦するー3.CSを見えるようにする

2011年04月27日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、CS向上に挑戦するー3.CSを見えるようにする、です。

CSがもたらすものは、「将来的な収益」だ。
ここでいう収益とは、売上だけではなく、お客さまを紹介いただけるという利益も含んでいる。

CSは、将来のために「今のCS」を大事にしなかればならない。
目の前の取引によって、その時の収益が確保できても、品質が期待以下であれば次回の取引は望めない。

逆に品質が期待以上であれば、次回の取引は期待できるし、お客さの紹介も期待できる。
このことを、経営TOPが理解することは当然だが、全社員が理解すべき大事なポイントなのだ。

特に、整備業の場合は「地域密着商売」だから、口コミ効果が良くも悪くもある。
満足したお客さまは、あまりそのことを他に伝えないが、不満の場合は、10人以上に「不満内容」を言いふらす。

事実だけを伝えてくれるだけではなく、人が幾重にも繋がると「尾ヒレ」が付き、悪さ加減が針小棒大になってしまい、
信用と同時に潜在的な顧客を失うことになる。

心理的品質とは、前述のとおり「サービス」に相当する品質。
サービスは、モノと違った特性がある。例えば、無形性=形がない、品質の変動性=人により品質が変わる、
同時性=消費と生産が同時に行われる、消滅性=保存や在庫ができない、需要の変動性=需要の変動に対応しにくいなどだ。

これらのことは、何を意味しているかというと、仕事をいい加減にできないということ。
「済みません、今の挨拶間違いましたので、もう一回やらせてください」とは、お客さまにお願いできない。

その点、モノであれば、代替品を渡して納得していただくことができる。
したがって、常に自分自身が品質であるという自覚のもと、常にベストの仕事をすることが、
CSを高め、維持することになる。

CSに影響を与える要素に何があるだろうか?
前述のとおり機能的な品質である「整備品質」と、心理的な品質の接客応対を中心にした「サービスの品質」に大別される。

整備品質は、「一発完治」「早い納期」それと「適正価格」の要素がある。
サービス品質は、人的サービスの「礼儀正しい接客」「親切丁寧な接客」「分かりやすい説明」のコミュニケーション的
要素がある。

サービス品質には、システムサービスという、もう一つのカテゴリーがある。
その要素として、「営業日時」「提案サービス」「公平な取引」「確実なフォロー」がある。

上記以外の要素に付け加えて自社の「CS体系」を社内に示すことが必要だ。
CSと言っている中身が何かをはっきりとさせなければならない。

要は、CSと一口で言っていることの具体的な項目が何かを、全社員が理解していなければ、
CSの向上及び維持はできないということだ。


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CS向上に挑戦するー2.CSの対象は何か

2011年04月26日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、CS向上に挑戦するー2.CSの狙いと目的、です。

CS=顧客満足とは、企業が顧客を「満足させる」ことではない。
あくまでも「顧客が満足」している状態のことをいう。ここをはき違えないことだ。

CSの対象は何かと言えば、それは私たちの仕事の全て。伝票作成一つでもCSの対象であり、接客もCSの対象となる。
ややもすると、接客的なサービスだけがCSの対象のように思われるが、そうではない。

ただ、お客さまの目に触れる、感じられるということで、お客さまとの接点サービスである、
接客や電話応対などが注目されることは間違い。

CSの対象が仕事のすべてと言うと漠然としているが、私たちが普段行っている「仕事」そのもの。
工場や事務所内などの清掃を行うが、この清掃もCSの対象だ。

お客さまが不愉快にならないように「清潔に保つ」ための清掃を行うのだ。
だから、気を抜いて適当に拭き掃除をしてはダメなのだ。

お客さま視点で行えば、身を入れて、徹底して磨き上げるような清掃になる。
お客さまが「感じがいい」と思えるような、掃除にしなくてはならないのだ。


値札一つもCS。お客さまに見やすいように、読みやすいように表現・表示することで、

お客さまが迷わずにスムースに買い物をすることができる。

整備技術にしても、早く正確に、確実に、そして丁寧な説明やアドバイスによって、
お客さまは納得して料金を払っていただける。


したがって、会社や自分のための仕事と思わずに、お客さまの仕事と思って、
心をこめて行うことがCSの出発点になる。


満足・不満が生まれるのは、お客さまの期待に対する私たちの仕事のレベル(品質)による。
CSは、お客さまの期待に応える仕事品質になる。

お客さまの期待は、意識してくる期待「顕在的期待」と、

されて、またはその時に気づく「潜在的期待」を持って来店される。

これに応える仕事品質は、顕在的期待には「機能的品質」で、潜在的期待には「心理的品質」で応える。
顕在的期待とは、「早く・確実に・安く」のハード的CSで誰でもが持っている欲求。

例えば、美味くて安くてボリュームに期待して来店する、このことが顕在的期待である。
吉野家のキャッチフレーズ「はやい・うまい・やすい」が、正に顕在的期待そのものである。


潜在的期待とは、「きれい・感じが良い・気がきく」のソフト的CSで、一般的には心の中にあり、
その場面に遭遇して気づく期待であり欲求だ。ハード的CSとソフト的CSの交差した箇所が総合CSとなる。

どちらが重視されているかと言えば、潜在的期待だ。顕在的品質は良く当たり前と捉えられる。
最近では「潜在的期待」が「顕在化」してきていると言える。

「物販業のサービス業化」などと言われる時代になっているのがその証だと言える。
だから、それに応える「心理的品質」に磨きをかけることがCS向上のポイントとなる。


株式会社ティオ
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CS向上に挑戦するー1.CSの狙いと目的

2011年04月25日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、CS向上に挑戦するー1.CSの狙いと目的、です。

CS(Customer Satisfaction)=顧客満足は、使い古された感があるが、実行レベルや定着レベルなどを見てみると、
不安な企業も多いのではないだろうか?

そこで、今一度「CS」をじっくり取り組みするための「基本」をおさらいしたい。

CSは、改善活動そのものと言える。改善活動と言っても、ありがちな「生産性の改善」などのように、
企業からの視点で取り組むものではなく、常に「お客さまの視点」で改善を行っていくことが一般的な改善活動と全く違う。

このことからCSの目的は、お客さまに選ばれるために経営品質を高めていくことといえる。
CS改善活動を通じて、お客さまが固定化し、目標とする収益を安定して獲得することが狙いとなる。

CSは単なるスローガンやキャンペーンのように、一時的な活動ではない。
継続して、改善していく恒久的な活動である。だから、 CSは「経営戦略」として取り組むことが必要なのだ。

戦略としてCSが定着していないと、CSアンケート調査を行っても、「コメント欄」の苦情に対して、
あわくって担当者を呼びつけ、問題の解決に走らせ、解決できたことに満足して終わる。
その場凌ぎのクレーム対応で終わってしまい、根本原因の解決がおざなりにしてしまう。

その場しのぎにしないためには、CSを「経営理念」に昇華しなくてはならない。
CSを経営理念、もっといえば経営哲学としている企業がある。

それは、ノードストロームデパートだ。同社は、全米最大の高級デパートで、「ノー」と言わない顧客サービスで有名だ。
それは、創業以来の経営哲学が徹底されているからに他ならない。 

ノードストロームの従業員手引書のルールには「いかなる状況においても、あなたの良識を発揮して下さい」とあり、
これ以外のルールはありません、と記述されている。また、同社の経営理念として、以下のことが明記されている。

『顧客に耳を傾けよ、顧客は常に正しい。顧客を満足させるためには、何事でもせよ。』
ノードスロームを語る様々な逸話が沢山ある。例えば、靴の販売にあたっては、必ず「両足」のフィット感を確かめて、
何度でも調整をし、お客さまが築かないようなことまで確認してから商品を渡す。

普通の靴屋さんでは、片足だけでサイズの確認(履き心地を確認はなし)だけをして終わりのショップが多いい。
この違いがCSの差になって、リピート客となり、全米一の高級デパートにならしめたのだ。

CSの必要性は、商売を行っている以上、お客さまに納得、喜んでいただくことは、商売の原点であり当たり前のことだが、
それ以上にCSの必要性が大きく二つある。

一つは、お客さまが支払いの「対価」を、厳しく評価していることに対するCSの必要性が増していること。
もう一つは、景気の低迷と人口減少による市場の縮小で顧客争奪戦がより厳しさを増し、
それに対するCSの重要性が高まっていること。

お客さまは、支払いに対する「対価」をより厳しく評価している。
同じ100円でも、その昔は無造作に買い物をしていたが、最近は、「気持ちよく払いたい」「納得して払いたい」などと、
精神的な満足を得るような買い物をするようになっているからだ。

それは、物欲の満足ではなく「心」の充足のために、お店を選択し、その商品やサービスを評価して、価値あるお金であったかを判断している。
自分が価値あるお金を払えるお店であるかどうかを、常にリサーチし、評価してお店を選択しているのだ。

つまり、CSが「ブランド」になっているのだ。
ブランドとは、お店の性格や品質を分からしめ、お客さまからマッチしている商品・サービスであるかを「識別させる資産」。
昨今では、ブランドは第5の経営資源ともいわれている。そのブランドの重要なファクターがCSなのだ。

デパートの商品構成の80%はどのデパートでも同じだと言われている。
でも、高島屋は高島屋としてのブランドイメージがあるし、西武は西武のイメージがある。

それは、残りの20%でイメージを作っているからだ。
それが、陳列方法であり、接客サービスであり、通路の幅であり、調度品などから大きな差が生まれてくる。

お客さまは、そうした残り20%の差を感じ取って、自分に合うデパートがどこかを選別し、
そのデパートを目指して来店してくる。

もう一つは、需要の縮小だ。保有台数予測(自販連、資源エネルギー庁の保有台数予測からティオが独自に求めたものです)から
整備需要を予測したものだが、95年当時の整備需要実績と2020年の整備需要予測では、1兆円弱の減少になる。

95年当時の工場当たりの売上高に必要な工場数を計算すると、2020年では17,181工場が余剰という計算になる。
あくまでも机上のことだが、5社に1社が余剰工場となるのだ。

こうした需要予測が現実となれば、当然のことながらお客さまの争奪戦は今以上に厳しくなることは間違いない。
その時に、お客さまは工場の選択を「CS」で判断することは間違い。

だからこそ、企業の運命を左右するのは「CS」になるのだ。
技術さえ優秀であれば生き残れるという希望的観測は通用しない時代であることを認識し、
CSを理念化しその向上と維持に全力を挙げて取り組む時が今なのだ。


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苦情への対応ー3.準備不足が不満を作る!

2010年12月29日 | CS全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、苦情への対応ー3.準備不足が不満を作る!、です。

起こそうと思わなくても起きてしまうのが、クレームや苦情だ。
発生した場合には、昨日のTIO21ブログの通り、初期対応で平身低頭、謝って感情の対応をすることだが、
何よりも大事だ。

が、発生させないためには何が必要だろうか?
私は、準備にあると常々言っている。
準備とは、接客の心構えなど以外のことである。

準備とは、予測しそこから「導かれる問題の種」を排除することだ。
今回のケースで見てみよう。

土曜日の夕方は、普段でも席待ちのお客さまで混在する。
それに加えて、持ち帰りのお客さまが加わる。

となれば、普段よりも来店客が多くなり、お客さまを適時誘導しないと、トラブルのもとになる。
このことを予測するのだ。別な言い方をすれば「リスクマネジメント」だ。

店内飲食するお客さまは、普段からの席待ちシステムで、それなりに慣れている。この面の対策は、
通常と同じで何とかこなし切れる。それでも、普段よりも多く座席などを用意する周到さが必要だ。

が、持ち帰りの場合は、初めて経験する人が多いと思われる。
そこで、慣れていない人を誘導し、順番に品を渡す流れをしっかりと組み立て、
その上で必要なツール。例えば、順番待ちの「番号札」や「並ぶ場所を示す標識」などだ。


そして、対応する係員の数を検討すべきである。
並ぶ順番を整理する係り、品物を渡す係り、品出しをする係りなど必要な役割と配置人数を整えること。
その他、予測できることを列挙して事前準備を怠りなく済ませることである。

整備工場や中販店では、そうある問題ではないが、それでもある整備工場が、オイル交換格安セールを行い、
お客さまが多数押し寄せて、待ち時間が長いとか、それこそ順番が間違っているなど、混乱したケースを経験した
ことがある。

これらも、事前準備が明らかに不足したことで起きた。
つまり、起きるべくして起きた苦情であった。

そうした事態をまねく前に、実施計画は開催する内容のことばかりではなく、そこに潜んでいる「問題」を、
十分にもんで苦情や事故を未然に防ぐ手立てを講じることが、クレームや苦情を一つでも少なくする。
以上。


2010年TIO21ブログ最後をお届けいたしました。
1年間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
来年も宜しくお願いいたします。

「兎の登り坂」ということわざがあります。
兎はご承知の通り後ろ足が長いので、坂を上るが得意だそうです。

カーライフ業界は、保有台数が減少しまさに登り坂の経営環境です。
この厳しい経営環境を乗り越えていくには、特徴を持って果敢に挑んでいくことではないでしょうか。
さすれば、必ず路は拓けます。

末筆になりましたが、皆様のご多幸ご健勝と、お勤め先の繁栄を心よりお祈りいたします。

来年は、1月5日よりスタートの予定です。


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苦情への対応ー2.感情の対応をする!

2010年12月28日 | CS全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、苦情への対応ー2.感情の対応をする!、です。

クレームであれ、苦情であれ、ことが起きたらまずやるべきことがある。
それが「感情の対応」だ。

お客さまは、お店の対応や商品について不満を持ち、それに対して「怒り」を持ってお店に対して対応を迫ってくる。
迫り方には、「これから注意してください」という程度モノから「返品だー」と言ったモノまで、千差万別である。

どの場合においても、共通しているのは、お客さまの荒れた「気持ち」を、静めることである。
つまり、平静になっていただくことが先決なのだ。

お客さまの感情と言うか心が「平静」にならないと、クレームや苦情の解決が進んでいかないからだ。
この「平静」になっていただくことの対応にミスすると、解決が難航したり、よけいに大げさになってしまう。

では、平静になっていただくには何が必要なのか。
それは「謝る」ことだ。これ以外にありえない。

謝るといっても、謝り方がある。
「ごめんなさいネ」といった軽いノリで謝っても、お客さまの感情は、容易く平静にはならない。

大事なのは、本当に申し訳ないという、お店側(担当者)の気持ちが伝わることが大事になる。
気持ちと言っても、お客さまに心の中が読めるわけがないから、態度で示す以外にない。

だから「平身低頭」の言葉があるように、申し訳ないという気持ちを込めて、それを態度で示す。
これが、正しい謝り方である。以心伝心である。本当に謝る気持ちがあり、それを態度に示せば、
お客さまに必ず伝わる。

因みに、平身低頭とは、ひれ伏して、地面に頭をつけること。ひたすらあやまる。とある。
「平身」はからだをかがめること。「低頭」は頭を低く下げること。低頭平身ともいう。

つまり、丁寧に謝るといことになる。そこで先ずは、顔だ。神妙な顔になって、お客さまの前に立つ。
そして、90度に上半身を倒す。その際に、「申し訳ございません」と、言葉を放ってから、お辞儀を
すること。

こうすれば、言葉がお客さまにはっきりと伝わる。
そして、体を倒しきったところで、一拍おいてから上体をゆっくり元に戻す。これが、丁寧なお辞儀の
コツである。

上体を元に戻したら、両手を体の前で組んでお客さまの目を見る。睨んではダメだ。申し訳ないと
いった眼差しで見ること。

厳しい言葉を投げかけられても、言い訳などはしてはならない。
言われたことは、必ずメモを取りなが聞くことだ。このメモを取ることも、お客さまを冷静にする効果
がある。だから、常にメモと筆記具は身に着けておくことだ。

平身低頭、低頭平身。これを繰り返す。
このことは、肝に銘じておくといい。


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苦情への対応ー1.順番が守られない

2010年12月27日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、苦情への対応ー1.順番が守られない、です。

一昨日の出来事だ。
娘から夕食をご馳走するからと、誘いの電話がった。場所は、孫たちがお気に入りのある回転寿司屋
に決め、待ち合わせすることにした。地元では人気の回転寿司屋である。

我々の方が早く着いたので、席待ちの順番を書く「席順メモ」に、名前と人数を記入し、待合シートに座って
待っていた。

この日は、ホームパーティーをする家が多いらしく、注文の鮨を取りに来る人でレジ前がごった返していた。
そんな中、70過ぎの老人が、入ってくるなり注文控えをレジ係りに渡し、注文の品を受け取って、スーッと帰って
いった。

その直後、20台半ばだろうか、女性が「順番待ちっている人がいるのに、
ナゼ並ばない人に先に渡したんだよー」と、レジ係に食って掛かった。
離れたところにいたその旦那さんも、それに参戦し、「お前、並んでいるのを分かっているのに、
なぁにやってんだー」と、怖い顔して、睨みつけている。その横には、小さな子供が両親のやり取りを見ている。

こうなると、苦情言う方は、ますますエスカレートしてきて、また女性が「分かってんのかよー」、
男性が「順番を守れねえのかー、えぇー」と波状攻撃で追い詰める。女性は男みたいな口調で、
レジ係をののしる。

レジ係は、オロオロしながら、注文の品を揃えて渡そうとしている。
その様子を見ていた女性は、さらに激しさを増して、汚い言葉を浴びせている。
そこまで追い詰めなくても、と思うぐらいだ。

ひと悶着あった後に、レジ係が「申し訳ございません」と、頭を下げながら謝罪した。
間が悪いとはこのことだろうか。その言葉を聞いて、女性は「今頃謝ってもおせぇんだよー」と、言う。

イヤー最近の若い女は怖い。怒ることは分かるが、言葉が汚すぎる。まるで、その筋の方ではないかと
疑いたくなるような、汚い言葉を使うのには驚きである。

ざっとこんなことをまじかで見てしまった。
職業柄、レジ係はこんな時はどのように対処したら、苦情処理のスピードを速め、かつ納得を得られる
対応をすべきか、やり取りを見ながら考えてしまった。

どうだろうか?
私だったら、苦情を最初に言われた時点で、即座に謝る。
「申し訳ございません。順番を取り違えてしまいました。本当に申し訳ございません」と、90度のお辞儀で
前に出て、謝る。レジ越しではなく、女性の目の前に出てきて謝る。

他の人にレジ係りを変わってもらって、とにかく謝る。
何を言われようが、謝る。ある程度謝ったところで、「列の整理をする係りをつけて、順番を守るように
徹底しますから」と、二度と同じことを起こさないようにすることも伝え、今後の心配を払しょくするように、
努める。

接客で席待ちの順番、品出しの順番を守らないのは、最悪のサービスである。
順番が守れないときは、正当な理由がなければならない。

例えば、ある中華店では、料理の関係で後からの注文が先になる場合がございますので
予めご了承ください、と店内に大きな文字で但し書きを張り出してある。

あるいは、お一人さまの席が空きましたので、後の方を先にご案内させていただきますが、
よろしいでしょうか、と先頭で待っているお客さまに、一言お断りし、了解をいただいてからにする。

こうした配慮は不可欠のことだし、フロアー係りには、徹底して指導教育しておかなければならない。
教育するときには、レクチャーだけではなく、ロープレで何度も繰り返して、体で覚えこませることだ。

また、起きてしまった時の「対応方法」も繰り返して指導することだ。
今回の事例を見て、つくづく指導教育の大切さを学ばせていただいた。


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ハーズバーグ的CS論ー2:CSの動議付け要因

2010年11月30日 | CS全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ハーズバーグ的CS論ー2:CSの動議付け要因、です。


CSの動議付け要因は、要望や欲求という「期待」だ。
車検整備であれば「早くやってほしい」とか「安くしてほしい」などがある。

余談だが、ある車検チェーン店の地域7店舗でアンケート調査を実施した。
お店を選んだ理由を聞いたところ、第一位が「時間が早い」、第二位が「安い」であった。

このチェーン店は、車種に関係なく13,650円が基本料金で、これ以外は諸費用だけで
料金的には、競争力がある車検料金であった。にもかかわらず、お店を選んだ理由の
第一位が「時間」であった。

そこで、この7店舗は従来の60分車検から50分と、10分の時間短縮を図り、広告宣伝
でアピールをした。

こうした明確な「期待」のほかに、動議付け要因、つまり満足度要因には、「親切」「丁寧」
「気が利く」「案内がいい」「フォローがいい」などのお持て成し対応=ホスピタリティがある。

これらの要因は、早い、安いなどのように明確(意識)に「期待」として持ってはいないが、
場面に遭遇すると「いやー、親切にしてもらった」とか「馬鹿丁寧に応対してもらった」などと満足、
場合によっては「感動」していただける。

私の経験だが、スターバックスでお釣りを受け取り際に、女性店員が私の手を握りながら
お釣りを渡された。
この時、私はその行為に対して、思わず「おおー、ここまでやるか」と、素直に満足というか
感動をしつつスターバックスラテを飲んだ。

こうしたお持て成し=ホスピタリティが、お客さまの印象に残り、次回のお店選択を
優位にさせる。

ところが、お持て成しは親切であり丁寧という、提供者の「感性」に、頼らなければならない。
お客さまの性格や状況を判断し、何が親切になるのか、何が丁寧になるかを見極め、
その上で、行動を起こさなければならない。

感性とは、事象(もの・こと・情報)に感覚(価値観、評価)というフィルターを通して感じる心の
動きだ。このことから感性を磨くには、事象と感覚のマッチングを訓練することになる。

複数でご来店の客さまへの親切と、一人の場合の親切は違ってくる。このことを判断できる
感性を育てることが必要である。持って生まれた性格で感性が左右される部分もあるが、
経験を積ませて、感性を研ぎ澄ませていくことだ。

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ハーズバーグ的CS論ー1:CSの衛生要因

2010年11月29日 | CS全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ハーズバーグ的CS論ー1:CSの衛生要因、です。


アメリカの心理学者ハーズバーグは、職務との関連で動議付けを立証した。

ハーズバーグによると、動機づけの要因はすべて同じような強さではなく、
メンバーを「真に動機づける積極的な動機づけ要因」と
「積極的な要因ではないが、なければ不満をもたらす要因である衛生要因」の
2つに区別することを考えた。

これをCS(顧客満足)に当てはめてみると、車検を早く安くやりたい、
というのは「動議付け要因」であり、来店時における接客サービスで、
挨拶や笑顔などは「衛生要因」に区分できる。

これで分かるように、お客さまが、明確に意識して持っている「要望」や「欲求」
という「期待」が、動議付けの要素になり、それが満たされたときに、満足を感じる。

これこそが、CSの本質である。
お客さまの「期待(ニーズ)」に応えることがCSになるということである。

他方、挨拶や笑顔などは明確に持っている「要望」や「欲求」ではない。
が、挨拶がないと「感じの悪いお店」という不満を持つ。
また、笑顔がないと「事務的な対応だ」とか「冷たい対応だ」
というようなイメージを持ち、不満を持つ。

衛生要因には、挨拶や笑顔のほかに「お辞儀の仕方」や「環境整備」などがある。
CSを考えていく際に、先ずは「衛生要因」を確実に行わないと、不満を持たれ
結果それが、客離れを起こすきっかけにもなることを理解することだ。

挨拶や笑顔、お辞儀などはいくらでも訓練で向上させることができる。
明確な基準を設け、毎日々繰り返し徹底して体で覚えこませることだ。

よく朝礼などで、挨拶トレーニングを実施している風景を見かけるが、
トレーニングをしているようには、感じないケースが多い。

朝礼のプログラムの一つとして、淡々とこなしている感じだ。一人々の
挨拶の仕方を点検して、注意すべきところは注意し、誰から見られても
恥ずかしくない、挨拶ができるようにする、これがトレーニングだ


また、マニュアルとして纏めて、常に社員に持たせるなどで、衛生要因を
怠ることがない、社内体制と社員の意識化を図ることだ。


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商売の原点QSC-6:QSCを確認

2010年09月24日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、商売の原点QSC-6:QSCを確認、です。

整備業が3年連続して前年割れの実績、中古車販売も右肩下がりの基調だ。だから当社も前年比マイナスでも構わない、なんてことはない。他社がダウンしても自社はプラスになることでなければならない。

プラスにするには、広告宣伝など「集客アップ対策」を考えるが、その前に、商売の原点ある「QSC」のレベルを振り返ってほしい。

・高難度整備に対応できているか?
・展示車の清掃は行き届いているか?
・元気に笑顔で接客できているか?
・工場内や展示場内の5Sは整っているか?
・代車の清掃、機能は恥ずかしくなか?
・3ベル以内で電話に出ているか?
・保留30秒以内で取次が出来ているか?
 
・ご来店されたら外に出てお迎えしているか?
・いらっしゃいませ、ありがとうございましたの挨拶が徹底されているか?
・清潔で爽やかな身だしなみか?
・化粧が派手(地味)すぎないか?
・服装を着崩していないか?
・展示車の車両状態が見えるようになっているか?
・プライスボードには漏れなく記入できているか?
 
・室内の空調は快適か?
・期限切れのポスターが貼られていないか?
・トイレの手拭は定期的に交換しているか?
・トイレの清掃は定期的に行っているか?
・看板が傾いたり壊れたままになっていないか?
・正しい言葉使いが出来ているか?

以上のことに対して「○△×」をつけてみていただきたい。

QSCが整って初めて他の売上対策が効果を発揮する。価格を下げればそれなりの集客効果があるが、来店されたお客さまが「がっかり」するようなことでは、集客が仇になってしまう。

QSCは、社内の取り組みである。大したお金のもかからない。今日から始められることも多い。マックCEOの原田氏ではないが「永遠にQSC」を合言葉に励んでいただきたい。

売上の不振や心配がある整備工場、中古車販売店は、今こそ原点回帰で、商売の原点「QSC」を点検し、見直しし、改善して欲しい。完



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