
今秋のシェフズダイニング(クーカルin奈良)は、時間のやりくりがつかなくて、2回しか行けない。1回目が10/2(土)に訪ねた「一之船入(いちのふないり)」と「トラットリア パッパ」のコラボ。そして2回目が10/10(日)に訪ねた「リストランテ ヒロソフィー」(東京都港区麻布十番)だ。
※一之船入&トラットリア パッパ(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/743c776b8aee9cf50dbc7cf6e357f9b7
philosophy(哲学)とは、また堅苦しい店名だなぁ」と思っていたら、そうではなくて、シェフの山田宏巳さん(株式会社リストランテ・ヒロ代表取締役総料理長)のお名前から取った店名(HiRosofi)だった。


山田シェフは《1953年東京生まれ。新潟の「イタリア軒」、乃木坂の「ハングリー・タイガー」などで修業。 青山「ビ・ザ・ビ」の料理長を経てイタリアへ。帰国後、原宿「パスタ・パスタ」の初代料理長に。西麻布の「リストランテ・ヴィノッキオ」、下北沢のポポラーレの料理長を歴任した後、95年オーナーシェフとして表参道に「リストランテ・ヒロ」を開業。シェフ仲間と国内外のうまいものを食べ歩き、新鮮な感動を新しい料理へと昇華するパワーに溢れている》(クーカル山中湖のHP)という方だ。

Cu-Calのメルマガ(クーカルニュース第9号)に、この日のメニューが詳しく紹介されている。《食いしん坊シェフ山田宏巳さんの「100年後のメニュー」とは 業界でもその交友の広さと、おいしいものがあれば世界の果てまで行く!というその行動力で有名な山田宏巳シェフ。現在は麻布十番で「リストランテ ヒロソフィー」という自身の店でジャンル、時代を問わずさまざまな「うまい!」料理に挑戦しています》。

《今回の奈良では100年後の料理、そして1400年祭の奈良を想像して料理を考えてくれました。「普遍的なうまさとは何か?」をテーマにするとともに、「100年後も、自然の恵みが豊かな日本でありますように」という願いを込めたそうです。二度と味わえないコース、おすすめです》《ぜひシェフの渾身のメニューを体験しにいらして下さい》。

《第一の皿 5000年間人間がまだ火を見つける前の料理「古代米とアンチョビーをおすしのようなイメージで」》。トッピングのアンチョビー(イワシのオリーブ油漬)と筋子(鮭の卵巣)の塩干(ボラの卵巣を塩干した「からすみ」状のもの)が利いている。ぱらりと仕上げたご飯に食用花も載せ、パクッとひと口でいただいたが、確かに太古の味(森と海の味)がした。

《第二の皿 サザエのエスカルゴバター「100年後も美しい海でありますように。海底の美味の王者を」》。サザエを殻から取り出し、内臓を取り除きコマ切れにして加熱し、パセリやニンニクのみじん切りを練りこんだ逸品だ。1個のサザエに、2~3個分の身が入っていた。台は海藻入りの岩塩。

《第三の皿 トマトの冷たいパスタ「山田宏巳のスペシャリテ。100年後もあったらいいな」》。冷製パスタは、もともとイタリアにはなく、山田宏巳シェフの考案だそうだ。フルーツトマトをトッピングしたカペッリーニ(天使の髪の毛=極細のパスタ)も美味しかったが、この演出がスゴい。葉っぱなどを並べた木の箱にドライアイスを入れ、炭酸ガスを吹き出させるのである。山小屋の霧の中でいただくような按配で、とても面白かった。


《第四の皿 時野菜はじめありったけの野菜を約40種使った"食べるミネストローネ"「これから増えて行くであろうベジタリアンに捧げる」》。40種類もの野菜をコマ切れにし、その上からスープ(ミネストローネ)をかける。スープ飲むというより、サラダにスープをかけて食べる感じだ。

《第五の皿 山奥の全ての天然の鹿や鳩や鴨等のジビラグーのフジローネ「日本の四季をずっと愛していたい。だから日本の秋のジビエを」》。ジビエ(鹿、鳩、鴨などの肉)とフジローネ(ショートパスタ)をラグー(肉の煮込み)ソースとからめてある。臭味はなく、ジビエのうま味だけを引き出している。仕上げのスモークの演出が、ニクい。


《第六の皿 ハタと白子、こだわりしいたけのファタ包み焼き、100年後の香り
「100年経ってもトリュフはトリュフ。作り手の思いがこもった食材を最高の香りに包み込んで」》ファタ(FATA)とは透明なクッキングラップ。耐熱温度は250℃で、オーブン、フライパン、湯煎など、直火以外のすべての加熱料理ができるというスグレモノだ。シェフ自ら、ファタの包みを解き、白トリュフ(1kg=150万円とか)を削ってかけてくれた。うま味を吸い込んだ椎茸が、とても美味しい。


《第七の皿 チーズバーガー 1000年前のローカルチーズで「ファーストフードだったすしが高級料理に。ハンバーガーもそうなるかも。人間が作った最高傑作のワインを二年間毎日1本づつ飲ませた尾崎牛ノリコと肉汁を閉じ込めさせた松阪牛とイベリコ豚の手切りステーキバーガーで」》。尾崎牛とは、宮崎の有限会社尾崎畜産が育てた牛。ナチュラルワインを毎日飲ませたとは、結構な牛である。チーズバーガーというより、高級ハンバーグをパイとポテトチップスで味わう料理だった。

《第八の皿 桃のスフレ「やわらかい食感はますます求められていくに違いない。ふわっふわのスフレを召し上がれ」》。これは美味しいデザートだった。焼きたて「ふわっふわ」の洋梨のスフレに、まん中から生クリームを落として混ぜ、下からろうそくで温めながらいただく。ホットケーキのようなクレープのような、不思議な食感だ。


ここにエスプレッソ、小菓子、オレンジやグレープフルーツから作ったばかりのシャーベットがついた。ああ美味しかった、もう満腹である。ランチに2時間半もかけたのは、初めて経験だ。


クーカルのシェフズダイニングに通ったおかげで分かったことは、食事が美味しいのは当たり前で、優れたシェフの料理は、優れたエンターテインメントになっているということだ。山田さんなどは、料理をショーと位置づけているようにすら思える。観客は、ワクワクしながら美味しい料理を平らげ、次のショータイムを待つ。花見の宴会では、桜と料理の間に関連性はないが、クーカルの場合は、ショーで見たものが、即座に皿に載って運ばれてくる。調理の過程を見ているので、「ほぅ、あれがこんな味になるのだ」と確かめることができる。

奈良にも美味しいレストランが続々と開店しているが、ここまでの域に達したお店は、なかなか見当たらない。良い客が良いレストランを作る、というが、せめて私たちは良い客として、お気に入りのお店を応援していきたいものである。
※一之船入&トラットリア パッパ(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/743c776b8aee9cf50dbc7cf6e357f9b7
philosophy(哲学)とは、また堅苦しい店名だなぁ」と思っていたら、そうではなくて、シェフの山田宏巳さん(株式会社リストランテ・ヒロ代表取締役総料理長)のお名前から取った店名(HiRosofi)だった。


山田シェフは《1953年東京生まれ。新潟の「イタリア軒」、乃木坂の「ハングリー・タイガー」などで修業。 青山「ビ・ザ・ビ」の料理長を経てイタリアへ。帰国後、原宿「パスタ・パスタ」の初代料理長に。西麻布の「リストランテ・ヴィノッキオ」、下北沢のポポラーレの料理長を歴任した後、95年オーナーシェフとして表参道に「リストランテ・ヒロ」を開業。シェフ仲間と国内外のうまいものを食べ歩き、新鮮な感動を新しい料理へと昇華するパワーに溢れている》(クーカル山中湖のHP)という方だ。

Cu-Calのメルマガ(クーカルニュース第9号)に、この日のメニューが詳しく紹介されている。《食いしん坊シェフ山田宏巳さんの「100年後のメニュー」とは 業界でもその交友の広さと、おいしいものがあれば世界の果てまで行く!というその行動力で有名な山田宏巳シェフ。現在は麻布十番で「リストランテ ヒロソフィー」という自身の店でジャンル、時代を問わずさまざまな「うまい!」料理に挑戦しています》。

《今回の奈良では100年後の料理、そして1400年祭の奈良を想像して料理を考えてくれました。「普遍的なうまさとは何か?」をテーマにするとともに、「100年後も、自然の恵みが豊かな日本でありますように」という願いを込めたそうです。二度と味わえないコース、おすすめです》《ぜひシェフの渾身のメニューを体験しにいらして下さい》。

《第一の皿 5000年間人間がまだ火を見つける前の料理「古代米とアンチョビーをおすしのようなイメージで」》。トッピングのアンチョビー(イワシのオリーブ油漬)と筋子(鮭の卵巣)の塩干(ボラの卵巣を塩干した「からすみ」状のもの)が利いている。ぱらりと仕上げたご飯に食用花も載せ、パクッとひと口でいただいたが、確かに太古の味(森と海の味)がした。

《第二の皿 サザエのエスカルゴバター「100年後も美しい海でありますように。海底の美味の王者を」》。サザエを殻から取り出し、内臓を取り除きコマ切れにして加熱し、パセリやニンニクのみじん切りを練りこんだ逸品だ。1個のサザエに、2~3個分の身が入っていた。台は海藻入りの岩塩。

《第三の皿 トマトの冷たいパスタ「山田宏巳のスペシャリテ。100年後もあったらいいな」》。冷製パスタは、もともとイタリアにはなく、山田宏巳シェフの考案だそうだ。フルーツトマトをトッピングしたカペッリーニ(天使の髪の毛=極細のパスタ)も美味しかったが、この演出がスゴい。葉っぱなどを並べた木の箱にドライアイスを入れ、炭酸ガスを吹き出させるのである。山小屋の霧の中でいただくような按配で、とても面白かった。


《第四の皿 時野菜はじめありったけの野菜を約40種使った"食べるミネストローネ"「これから増えて行くであろうベジタリアンに捧げる」》。40種類もの野菜をコマ切れにし、その上からスープ(ミネストローネ)をかける。スープ飲むというより、サラダにスープをかけて食べる感じだ。

《第五の皿 山奥の全ての天然の鹿や鳩や鴨等のジビラグーのフジローネ「日本の四季をずっと愛していたい。だから日本の秋のジビエを」》。ジビエ(鹿、鳩、鴨などの肉)とフジローネ(ショートパスタ)をラグー(肉の煮込み)ソースとからめてある。臭味はなく、ジビエのうま味だけを引き出している。仕上げのスモークの演出が、ニクい。


《第六の皿 ハタと白子、こだわりしいたけのファタ包み焼き、100年後の香り
「100年経ってもトリュフはトリュフ。作り手の思いがこもった食材を最高の香りに包み込んで」》ファタ(FATA)とは透明なクッキングラップ。耐熱温度は250℃で、オーブン、フライパン、湯煎など、直火以外のすべての加熱料理ができるというスグレモノだ。シェフ自ら、ファタの包みを解き、白トリュフ(1kg=150万円とか)を削ってかけてくれた。うま味を吸い込んだ椎茸が、とても美味しい。


《第七の皿 チーズバーガー 1000年前のローカルチーズで「ファーストフードだったすしが高級料理に。ハンバーガーもそうなるかも。人間が作った最高傑作のワインを二年間毎日1本づつ飲ませた尾崎牛ノリコと肉汁を閉じ込めさせた松阪牛とイベリコ豚の手切りステーキバーガーで」》。尾崎牛とは、宮崎の有限会社尾崎畜産が育てた牛。ナチュラルワインを毎日飲ませたとは、結構な牛である。チーズバーガーというより、高級ハンバーグをパイとポテトチップスで味わう料理だった。

《第八の皿 桃のスフレ「やわらかい食感はますます求められていくに違いない。ふわっふわのスフレを召し上がれ」》。これは美味しいデザートだった。焼きたて「ふわっふわ」の洋梨のスフレに、まん中から生クリームを落として混ぜ、下からろうそくで温めながらいただく。ホットケーキのようなクレープのような、不思議な食感だ。


ここにエスプレッソ、小菓子、オレンジやグレープフルーツから作ったばかりのシャーベットがついた。ああ美味しかった、もう満腹である。ランチに2時間半もかけたのは、初めて経験だ。


クーカルのシェフズダイニングに通ったおかげで分かったことは、食事が美味しいのは当たり前で、優れたシェフの料理は、優れたエンターテインメントになっているということだ。山田さんなどは、料理をショーと位置づけているようにすら思える。観客は、ワクワクしながら美味しい料理を平らげ、次のショータイムを待つ。花見の宴会では、桜と料理の間に関連性はないが、クーカルの場合は、ショーで見たものが、即座に皿に載って運ばれてくる。調理の過程を見ているので、「ほぅ、あれがこんな味になるのだ」と確かめることができる。

奈良にも美味しいレストランが続々と開店しているが、ここまでの域に達したお店は、なかなか見当たらない。良い客が良いレストランを作る、というが、せめて私たちは良い客として、お気に入りのお店を応援していきたいものである。
私は行かれなかったので、残念。
そうです。良いお店はよいお客によって作られるのです。
良いお客になりたいですね。
> 良いお店はよいお客によって作られる
> のです。良いお客になりたいですね。
はい、この言葉は、おぜんさんの受け売りです.私も、その通りだと思いました。
奈良の良いお客さんは、大阪ばかりに行かず、地元の良いお店を育てていただきたいと思います.
クーカルも残り1/3となりました。シェフズダイニングはムリでも、ぜひまたお訪ねしたいですね。
お疲れ様です。
クーカル最終日夕方5時からの「さよならんナイト」是非ご一緒しましょう。
食べてみたかったです、100年後のメニュー。。。
私、クーカル初心者ですが、なんとなくわかってきました。
音楽の世界も同じですが、いいものが入ってくると、お互い刺激しあって、よりいいものが育っていきます。
地元のお客さんも育っていきます。
奈良のこれからが楽しみです。
> 最終日夕方5時からの「さよならんナイト」是非ご一緒しましょう。
最終日の前日は、今のところ何とかなりそうです。おぜんさんご夫妻と、ぜひご一緒したいですね。
> いいものが入ってくると、お互い刺激しあって、よりいい
> ものが育っていきます。地元のお客さんも育っていきます。
はい。奈良県下には相当のグルメがたくさんいらっしゃいます。しかし今までは、大阪や京都に行っておられました。クーカルをキッカケに、奈良に回帰していただきたいです。