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神武天皇の皇后祭る、奈良市内最古の神社 率川(いさがわ)神社/毎日新聞「やまとの神さま」第6回

2022年05月27日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。昨日(2022.5.26)掲載されたのは〈安産育児 市内最古の神社/率川神社(奈良市)〉、執筆されたのは奈良市出身、木津川市在住の松田雅善(まさよし)さんだった。
※トップ写真は、三枝祭(さいくさのまつり)神楽=奈良市本子守町で、大神神社提供

同神社の例祭「ゆりまつり」(毎年6/16~17)では、可憐なササユリの花が奉納される。大神神社境内の「ささゆり園」ではそのササユリが咲き始めたと今朝(5/27)の奈良新聞が報じていたが、残念ながら今年のゆり祭りは〈6月16日のささゆり奉献神事は、行列は中止で神事のみ実施、また、17日の三枝祭も神事のみで七媛女百合姫稚児巡行は中止。いずれも、一般の参列はできない〉(5/27付奈良新聞)となった。では、記事全文を紹介する。

安産育児 市内最古の神社
率川(いさがわ)神社は593(推古天皇元)年、大三輪君白堤(おおみわのきみしらつつみ)が勅命により創祀(そうし)した奈良市内で最古の神社(大神神社摂社)で、正式名称は率川坐大神御子(いさがわにますおおみわのみこ)神社です。

本殿正面に祭られる祭神の媛蹈韛五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)は、初代神武天皇の皇后です。本殿左側には父神の狭井大神(さいのおおかみ)、右側には母神の玉櫛姫命(たまくしひめのみこと)を祭り、御子神を両側から見守るように鎮座していることから「子守明神」と称えられ、安産、育児、息災延命の神さまとして信仰を集めています。皇后を主祭神とした神社は全国でも珍しく、周辺の町名やバス停名も「本子守(ほんこもり)町」で、その由来がうかがえます。

毎年6月17日、前日の「ささゆり奉献奉告祭」「宵宮祭」に続き、例祭「三枝祭(さいくさのまつり)」が斎行されます。701年、大宝令に国家の祭祀(さいし)として定められた神事で「ゆりまつり」の名で知られており、ササユリの花で黒酒(くろき)・白酒(しろき)の酒樽を飾って神前にお供えしたあと、4人の巫女(みこ)がヒカゲノカズラを頭につけ、ササユリを手に「うま酒みわの舞」を舞います。

本殿の祭りのあと7人の七媛女(ななおとめ)、ゆり姫、ゆり車を引く稚児らの行列が市内を巡ります。本殿は一間社春日造檜皮葺(ひわだぶき)の建物が3棟並び、創建は江戸時代前期と考えられ、県指定有形文化財となっています。(奈良まほろばソムリエの会会員 松田雅善)

(住 所)奈良市本子守町18
(祭 神)媛蹈韛五十鈴姫命、狭井大神、玉櫛姫命
(交 通)近鉄奈良駅から徒歩約5分
(拝 観)境内自由。6月17日の祭典中は境内立ち入り不可。今年の行列はコロナ対策のため中止
(駐車場)無


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