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田中利典師の「チベット旅行記」(5)

2024年09月08日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、〈「チベット旅行記」(5)〉(師のブログ 2016.9.4付)である。師はパルコン・チューデ(白居寺)にお参りし、チベット最大の仏塔・クンブム(八角塔)に感動する。では、全文を以下に紹介する。
※トップ写真は、クンブム。西遊旅行のサイトから拝借した


この写真は、チベットのお寺で勤行される利典師ご一行

「チベット旅行記」(5)田中利典著述集を振り返る280904
10年前に綴ったチベット旅行記のその5です。

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「白居寺の感動」ーその1
今回のチベット巡礼で一番感動したのはギャンツェの街で訪れたパルコン・チューデ(白居寺)だった。白居寺は15世紀初頭の創建で、当初はサキャ派の寺院だったが、その後、シャル派、ゲルク派が相次いで入り、各派共存の寺として存続している。

この寺で有名なのがクンブム。俗に八角塔と呼ばれる白い仏塔は十三層からなり、その高さは34メートル、基壇の一辺は52メートルに及ぶチベット最大の仏塔だ。クンブムとは百万の意味で、十三層の建物の壁には百万の仏像が描かれているという。同行の正木先生から「チベット仏教最高峰の仏画群です」と説明を受けたが、本当に素晴らしい壁画群であった。

その白居寺でまずはじめに感動したのは境内一杯にあふれる巡礼者たちだった。本堂前で五体倒地をする人、五体倒地をしながら境内を巡礼している人。ラサのジュカンでもたくさんの五体倒地者を見たが、ここではその数が数倍だ。

そしてチベット第一の都市ラサを上回る巡礼者の熱気なのだ。いや、ギャンツェという田舎街だからこそ、中国ナイズされる以前の純朴なチベットが、ラサより遙かにここには息づいているという印象だったのである。

本堂に参観し、巡礼者が額づく御本尊御宝前で錫杖を振りながら声明と般若心経の勤行を行う。チベット滞在中は訪問した各寺院で団員一同が一緒にお勤めをさせていただいたが、この時の勤行ほど、唱えながら感激したことはなかった。遠く日本からなにか深い導きを得て、ここギャンツェで、この勤行の瞬間を迎えているっていう、天啓のような感動を覚えたのだった。
※仏教タイムス2006年9月掲載「チベット旅行記」より
※写真は行く先々のチベット寺院で勤行する一行。
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1 コメント

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マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道リスペクト)
2024-09-13 03:59:02
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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