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沙羅の花咲く 聖徳太子ゆかりの安楽寺(御所市)/毎日新聞「やまと百寺参り」第55回

2020年06月12日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(2020.6.4)掲載されたのは、「梅雨空に咲く沙羅(さら)の花/安楽寺(御所市)」、執筆されたのは広島県ご出身で生駒市在住の田原敏明さんだった。安楽寺の前身は、聖徳太子草創の葛城(かつじょう)寺だといわれる。
※写真はいずれもおふさ観音(橿原市小房町)の花で、私が撮った。トップ写真が沙羅


おふさ観音のガクアジサイ

近畿各地が梅雨入りした昨日(6/11)、私がおふさ観音(橿原市小房町6-22)にお参りすると、バラに混じってアジサイ、ガクアジサイや沙羅の花がきれいに咲いていた。なお本来の沙羅(沙羅双樹)の木は、フタバガキ科の常緑高木でインド北部原産のもの。日本にはないので、お寺などではナツツバキを植えて、これを「沙羅」としている。では、本文を紹介する。


おふさ観音のバラ。そろそろ見頃も終盤に
 
新緑の候が過ぎれば梅雨の時期に入ります。ツアーガイドにとって、6月はどこにお連れしようかと思案する季節、そんな時にまず思い浮かぶのが聖徳太子ゆかりの安楽寺です。御所市稲宿(いないど)の静かな集落の菩提所として、千年以上法灯を守っています。江戸時代の火災で本堂は現在地に移築され、1983(昭和58)年に再建されました。本尊の十一面観音菩薩像や聖徳太子二歳像は、しばし仏の世界へ誘ってくれます。
    
境内横の斜面に大小百本余りの沙羅(さら)(ナツツバキ)が植えられています。例年6月中~下旬が見頃です。雨に濡れ緑の葉に包まれて、白い花が咲きます。わずか一日で散り地上に落ちる花弁を見ながら、平家物語の一節「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」を口ずさむのも一興です。



アストロメリア(和名=ユリズイセン)というのだそうだ。おふさ観音近くの草むらで発見!

約150㍍離れた安楽寺旧地の畑地に、ぽつんと安楽寺塔婆(重要文化財)が建っています。もとは三重塔でしたが長年の腐朽による損壊で、江戸時代に初層だけを残し宝形造りの屋根で覆いました。創建時の長押(なげし)や三手先(みてさき)組み物に往時の三重塔や大伽藍がしのばれ、諸行無常の感慨を覚えます。(奈良まほろばソムリエの会会員 田原敏明)

(宗 派)高野山真言宗
(住 所)御所市稲宿1084
(電 話)0745-67-0154
(交 通)近鉄葛(くず)駅から徒歩約15分
(拝 観)本堂拝観は要連絡、境内・塔婆は自由
(駐車場)本堂周辺に小型車駐車可



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