tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

宇陀市の日張山青蓮寺で「中将姫会式」法要、毎年4月第2日曜日挙行!/毎日新聞「やまと百寺参り」第93回

2021年03月28日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。今年(2021年)3月18日(木)に掲載されたのは「中将姫追慕 今も/青蓮寺(宇陀市)」、執筆されたのは大阪府高槻市にお住いの寺田麻美さんだった。中将姫は、様々な物語や謡曲に登場する伝説上の人物である。『世界大百科事典』「中将姫」によると、
※トップ写真は、開山堂に安置されている中将姫坐像=宇陀市の青蓮寺で

当麻寺の曼荼羅(まんだら)を織ったとされる伝説上の女性。中将姫の物語を要約すると,継子虐待と当麻曼荼羅の由来にしぼることができる。継母の讒言(ざんげん)を信じた父横佩(よこはぎ)の右大臣豊成の命によって雲雀山で殺されることになった中将姫は,臣下夫婦にかくまわれて命をつなぐ。

後年,雲雀山での狩りの途次,偶然姫を見いだした豊成は,姫との再会を喜び館へ連れ帰る。姫は帝に望まれるほどの美しさであったが,仏道への志深く,ひそかに館を抜け出して大和の当麻寺に入って尼となる。やがて阿弥陀如来と観音菩薩の助力のもとに糸で曼荼羅を仕上げ,女人ながら浄土に招かれて成仏するというのが筋である。


毎年4月の第2日曜日に「中将姫会式」(法要)が営まれ、今年(4/11)は1247回忌になるという。青蓮寺のHPには《4月11日(日)は会式があります。基本的には昨年と同じ様にお寺のみの会式になります が1時から行いますので来られる方はお越しください。御一緒にお勤めしましょう。マスクをつけてお参り下さい》とある。では、記事全文を紹介する。

宇陀市南東部にある日張山(ひばりやま)の山中にたたずむ青蓮寺(せいれんじ)は、奈良時代に右大臣・藤原豊成の娘中将姫(ちゅうじょうひめ)が、自らの命を救ってもらった松井嘉藤太(かとうた)の菩提(ぼだい)を弔うため、765(天平神護元)年に建立したとされる尼寺です。

寺伝などによると、中将姫は14歳の時、継母の指示で嘉藤太に命を奪われかけますが、改心した嘉藤太夫婦と日張山で2年半暮らします。父と再会した後、17歳で出家し、当麻寺で読経と写経に没頭し、蓮の糸で曼荼羅(まんだら)を織ったとされます。

開山堂に祀(まつ)られている木造の中将姫坐像(ざぞう 高さ45㌢)は、19歳の中将姫が自分の姿を鏡に映して刻んだと伝わります。少し笑みを浮かべ、優しく見守るような穏やかな表情をしています。

お寺の重要な行事が「中将姫会式(えしき)」です。毎年4月の第2日曜日に営まれ、今年は4月11日に1247回忌を迎えます。当日は住職が中将姫の29年とされる生涯について法話をします。回忌法要は中将姫を偲(しの)ぶ日であると共に、参拝者が中将姫との深いご縁を感じる日でもあるのです。(奈良まほろばソムリエの会会員 寺田麻美)

(宗 派)浄土宗
(住 所)宇陀市菟田野宇賀志1439
(電 話)0745・84・2455
(交 通)近鉄榛原駅からバス「松井橋」下車、徒歩約60分
(拝 観)10~15時、要事前予約
(駐車場)有


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 万葉集を読み解く3冊/奈良... | トップ | 『奈良万葉の旅百首』が読者... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

やまと百寺参り(毎日新聞)」カテゴリの最新記事