tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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西大寺旧境内の井戸から、大量の魚の骨を発見!

2021年08月14日 | 奈良にこだわる
日曜日(2021.8.8)の毎日新聞奈良版に「奈良時代の僧、魚に舌鼓? 海産物残骸 大量発見 奈文研 西大寺旧境内井戸」という記事が出ていた。菜食中心と考えられていた奈良時代のお坊さんがコイ、アジ、タイ、サバ、ボラなど複数の魚を食べていたということが分かり、これは興味深い発見である。では、記事全文を紹介する。
※トップ画像は、本記事とは無関係です 

「奈良時代の僧も魚に舌鼓を打った?」――。称徳天皇(718~770年)が創建した西大寺の旧境内(奈良市西大寺本町)の発掘調査で、当時の僧侶が食事を取った食堂(じきどう)院跡の井戸から、アジやタイなど現代の食卓にも並ぶ海産物の残骸が大量に見つかった。奈良文化財研究所が4日に公表した紀要に調査成果を掲載した。奈文研は「菜食が基本と考えられていた奈良時代の僧侶が、多種多様な魚を食べていた可能性を示す発見」としている。【加藤佑輔】

2006年の調査で井戸の遺構から見つかった魚や動物などの残骸計369点を分析。うち、魚類について京都大総合博物館(京都市左京区)や奈文研環境考古学研究室の所蔵標本と比較・分類したところ、コイ▽アジ▽タイ▽サバ▽ボラ――など複数種にわたることが判明した。過去に平城宮・京跡で出土した木簡から、当時の役人や貴族が阿波国(徳島県)や紀伊国(和歌山県)などから運ばれたさまざまな海産物を食べていたことが知られているが、僧侶については野菜や山菜が中心の食事をしていたと考えられていた。

これまでの調査で、井戸には箸や皿など食堂院で不要になったごみが投棄されたことがわかっている。魚の残骸はいずれも骨格の一部しか見つかっていないことから、僧侶らが魚を食べた後、ごみとして捨てた可能性が高いという。中には、スッポン2匹分の甲羅や骨などもあったが、調査を担当した山崎健・環境考古学研究室長によると、骨の欠損が少なく、元々井戸の中に生息していたと考えられる。他に、食堂院周辺で駆除されたとみられるネズミ8匹分の骨や、野犬が持ち込んだ可能性がある犬のかみ跡が残る人骨片などが確認された。


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