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耐震性を向上させる 出枘(でほぞ)礎石(秋篠寺)/毎日新聞「やまと百寺参り」第21回

2019年09月13日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の発刊を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(9/5)掲載されたのは「東塔跡礎石に地震対策/秋篠寺(奈良市)」、執筆されたのは同会理事で奈良市在住の久門たつおさんだった。なお秋篠寺とは『デジタル大辞泉』によると、
※トップ写真は、出枘(でほぞ)礎石が並ぶ東塔跡

奈良市秋篠町にある寺。開山は善珠、開基は光仁天皇。はじめ法相宗、次いで真言宗、近世には浄土宗西山派の寺。現在は単立宗教法人。今は国宝の本堂を残すのみ。伎芸天(ぎげいてん)立像が有名。

礎石の中央に出べそのような突起がついたものは見たことがあるが、これが地震対策だったとは驚きだ。では、記事全文を紹介する。

近鉄大和西大寺駅の北西約1㌔の秋篠の地にたたずむ古刹・秋篠寺。南門をくぐると参道の両側に木々や竹林が織りなす緑陰が広がり、参道東側に東塔跡があります。奈良時代後期創建の同寺は、保延元年(1135)の兵火で現本堂の講堂を残して金堂、東西両塔、南大門などが灰燼(かいじん)に帰したと伝わります。

塔跡では東塔跡のみ礎石が残ります。礎石は最大幅約1.5㍍の心礎1基と小ぶりの礎石7基。8基とも直径60~90㌢の円形の中央に直径約20㌢、高さ5~8㌢の枘(ほぞ)の出っ張りが見られる出枘(でほぞ)礎石です。奈良時代後期以降の塔の礎石様式の1つとされます。枘が礎石に乗る柱の底部に掘られた窪みと連結されることで、耐震性向上を図るものです。

国宝の本堂は、奈良時代創建の講堂を鎌倉時代に古い様式の緩い傾斜の瓦屋根を継承して再建されたものです。重文の伎芸天立像は頭部が奈良時代の乾漆造、体部が鎌倉時代の寄木(よせぎ)造です。東塔跡礎石も含め、奈良時代の痕跡を随所に残しているのも同寺の魅力です。
(奈良まほろばソムリエの会理事 久門たつお)

(宗派)単立
(住所)奈良市秋篠町757
(電話)0742―45-4600
(交通)近鉄大和西大寺駅からバス「秋篠寺」下車すぐ
(拝観)9:30~17:00 500円
(駐車場)有(無料)


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