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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

万博も開幕し、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

同時進行!平城遷都1300年(22)春季フェアを振り返る

2010年05月22日 | 平城遷都1300年祭
■フェア閉幕後も、来場者多数
平城宮跡会場、春のヤマ場であった「春季フェア(=花と緑のフェア 4/29~5/9)」が終わったが、フェア閉幕後も、訪れる人波は衰えていない。5/21付の奈良新聞によると《うれしい誤算 平均2万1600人 平城宮跡会場》《10~19日の来場者数は1万2千人(10日)~3万3千人(16日)、1日当たりの平均で2万1600人が来場。修学旅行などで団体客が多く来場していることが主な要因らしい》《同協会はフェア終了後は平日で4~5千人、土・日曜で1万5千人程度と見込んでいたことから、田中敏彦副局長は「想定以上に来ていただき、うれしい誤算」と話した》。


出展参加ホール「森のさんかん日」(5/10~5/30)

最近は私も、勤務先が「出展参加ホール」で森林に関する展示をしているので、毎日のように宮跡会場を訪れているが、確かにたくさんの方が来場されている。シャトルバスは比較的空いているので、やはり観光バスで来場する団体客が主体のようだ。県内や隣県から遠足に来る児童も多い。混雑するゴールデンウィークを避け、今の時期に日程を調整したのだろう。団体さんは晴雨に関係なく来場されるから、雨の日は屋根と椅子がある「出展参加ホール」がごった返す。こちらも「うれしい誤算」である。


「森のさんかん日」にはせんとくんが登場する。10:00、12:30、14:30の3回

■春季フェアに、予想の1.6倍
春季フェアについては、連休明けに新聞各紙が総括しているが、おおむね好意的な論調だった。一番詳しかったのは、読売新聞(奈良版 5/10付)だ。見出しは《1300年祭 来場54万人 春フェア閉幕 1万人編んだ「縷」園児引く》。

《平城宮跡(奈良市)を主会場に繰り広げられた春季フェア「花と緑のフェア」が9日、閉幕した。4月24日の開幕以降、大型連休も晴天に恵まれ、16日間で計54万4000人が来場。当初予想(35万人)の約1・6倍となる盛況ぶりだった。最終日のこの日も約3万9000人が来場し、宗教者による平和の祈りなどさまざまなイベントで、フィナーレを飾った》。

《平城遷都1300年記念事業協会によると、1日平均の来場者数は3万4000人で、最多は5月3日の6万9000人。期間中、暑さなどで16人が救急搬送されたが、いずれもしばらくして回復しており、林洋・事務局長は「今後も暑さや日差し、雨よけ対策を考えたい」と締めくくった。夏季フェア「光と灯りのフェア」は8月20~27日。それまでイベントが減るため、パーク&バスライドは休止する。エントランス広場の駐車場(約650台分)は有料で一般開放。問い合わせは、コールセンター(0742・25・2010)》。



朝日新聞(奈良版 5/10付)は、《「ムジカ」合唱で締めくくり 春季フェア最終日》《平城遷都1300年祭の平城宮跡会場(奈良市)で9日、春季「花と緑のフェア」が最終日を迎え、天平行列や平和を祈る祭典など多彩な行事があった。フェアは16日間で来場者数は54万4千人に達し、当初予想の35万人を大幅に上回った》。

《平城遷都1300年記念事業協会は同日、記者会見を開き、林洋事務局長が「特段のトラブルもなく自信につながった。ただ実際やって分かったこともあり、梅雨や夏場など今後改善策を講じたい」と話した。フェア終了後は平日で4500人、土日で1万3千人程度の来場者を見込む》。

《フェアは夏季(8月20日~27日)と秋季(10月9日~11月7日)にも開かれる。同会場を光で彩るイベントや夕涼みコンサート、古代行事の再現などが予定されている。春季フェア終了で、歴史館の夜間観覧は終了する。「パーク&バスライド」で郊外に開設した駐車場もいったん終了。障害者向けの同会場駐車場(650台)は一般にも開放される(乗用車千円、50cc超のバイク500円)》。


平城宮跡に咲く奈良の八重桜。第二次朝堂院と朝集殿
院の境界線の西端、みやと通り寄りにある(5/1撮影)

■黄金の人出
一方では「暑さで救急車」「平城宮跡に客をとられた」報道もあった(朝日新聞奈良版 5/7付)。《晴天に“黄金”の人出 「客とられた」嘆く観光地も》《連日晴天に恵まれた大型連休中(4月29日~5月5日)、平城宮跡会場の入場者数は予想の21万人をはるかに上回る31万9千人にのぼった。鉄道や宿泊施設が大きく客数を伸ばす一方で、「平城宮跡に客をとられた」と嘆く県内の観光地もある》。

《4月29日に17・8度(奈良市)だった最高気温は、日に日に上がり、5日はついに30・3度(同)と真夏日になった。暑さのためか、会場内の救護所には計190人が体調不良を訴えて訪れ、9人が救急車で運ばれた。主催の平城遷都1300年記念事業協会は、夏に向けて準備中だった霧状の水を吹き出すミストシャワーを休憩所など8カ所に急きょ設置。大極殿や平城京歴史館などの待ち列用には、可動式のミストシャワーや日よけのテント設置も検討している。同協会の田中敏彦副局長は「スタッフも慣れてきて、想定以上の入場者数にもスムーズに対応できた。熱中症対策については、来場者に水分補給を呼びかけていきたい」と話す》。

《会場の最寄り駅、近鉄大和西大寺駅は4月29日~5月5日の7日間、定期券利用者を除く降車人数が前年同期比2・5倍の23万人にのぼった。近鉄本社の広報担当者は「1日平均約2万人増の計算。好天で他の行楽地も好調だったが、2倍を超すのは予想以上」と驚いている。会場への無料シャトルバスが発着するJR奈良駅でも、4月28日~5月5日の1日平均利用者数が前年同期比3割増の1万700人だった。4月から土、日、祝日に運行している臨時特急「まほろば号」が好評で、乗車率は連休前の平均4割から、ピークで8割に跳ね上がった》。


同上。奈良の八重桜の樹は、手前にもう1本ある

《奈良市内の宿泊施設は例年、連休中ほぼ満室。さらに増えた観光客らは市内で宿泊できず、県南部まで流れたようだ。吉野町吉野山の吉野荘「湯川屋」では、宿泊客が前年同期比3割増。館主の山本義史さん(50)は「泊まるだけで、朝一番で平城宮跡や東大寺に出かけたお客さんも何組かいた。もっと吉野の良さを知ってほしかった」と残念がる》。

《「平城宮跡に客をとられた」と嘆くのは、奈良町の観光案内所「奈良町情報館」(奈良市中院町)を運営する藤丸正明さん(26)。同館の1~5日の来館者数は3449人と前年同期比32%減。「奈良町も観光客が増えると思い、従業員を増やして準備したのに」と肩を落とす》。

《柳生藩家老の屋敷跡や武具などを公開している「旧柳生藩家老屋敷」(同市柳生町)でも、前年同期に比べ来場者数は15%減。「柳生に来るはずだったお客さんまで、平城宮跡に行ってしまったようだ」と、柳生観光協会の事務局長岡田洋さん(62)。江戸時代の街並みが残る橿原市今井町でも、観光客は例年に比べて少なかったようだ。同町で商店を営む女性(76)は「売り上げは昨年の半分以下。お客をとられているのでは」と話していた》。



■「客とられた」ではなく「客殺到」
朝日の記事(5/7)に従えば、吉野山では、平城宮跡会場に行きたいが奈良市内に泊まれなかった人が泊まってくれたので、宿泊客が増えた。一方奈良市内や橿原市内など、宮跡会場に近い観光地では「観光客の奪い合い」になって、お客が減った、ということになる。

しかし、これは私の実感とも統計数字とも、全く違う。ゴールデンウィーク中、県下各地の観光地は、たくさんのお客を集めていた。毎日新聞(奈良版 5/11付)では《県内主な行楽地5カ所、人出43万8500人 1300年祭で増加》《県警地域課は10日、大型連休中(1~5日)の県内の主な行楽地5カ所の人出をまとめた。総数は約43万8500人で、昨年(5月2~6日)より約13万6900人増えた》。

《特に、奈良公園周辺は約31万8500人で、昨年比で約11万2200人増となった。同課は「平城遷都1300年祭開催が行楽客の増加につながり、天候にも恵まれたためでは」としている。その他は多い順に、長谷寺5万6500人(昨年比2万2000人増)▽法隆寺2万9800人(同1600人減)▽室生寺2万人(同3000人増)▽谷瀬のつり橋1万3600人(同1300人増)》。

なんと、5か所合計で45%、奈良公園で54%、長谷寺では64%も増えていたのだ!「客とられた」どころか、「客殺到」ではないか。奈良国立博物館(奈良公園内)で開催されている「大遣唐使展」では、5/21に入館者が10万人を突破したが、《同展には1日平均約2000人が訪れており、大型連休中の今月3日には最多の5023人が来館した》とある。
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100521-OYO1T00813.htm?from=main4

阿修羅像が安置されている興福寺国宝館(奈良公園内)にも、長蛇の列ができていた。5/17に法華堂が見納めとなる東大寺も、すごい人出だった。ならまちにお客が回遊しなかったのは(奈良町情報館で1日当たり△325人)、宮跡会場に客を取られたのではなく、すぐ近くの奈良公園に客が滞留していたからだろう。

旧柳生藩家老屋敷は、前年同期に比べ来場者数は15%減った、と朝日の記事に出ていたが、ここを訪れる観光客は、5月の1か月間で2419人(平成18年の奈良市統計による)だ。15%減はわずか1か月△363人、1日当たり△12人ではないか。ゴールデンウィークはこの2~3倍としても、1日あたり、せいぜい△20人~30人である。これが「客減った」の実態数字である。
http://narashikanko.jp/j/data/irekomi/h18/irekomi_18.pdf

橿原市今井町の商店で「売り上げは昨年の半分以下」とは、お気の毒なことである。しかし、この町では、ゴールデンウィーク明けに大きなイベントがあった。5月15日(土)~16日(日)に開催された「第15回今井町並み散歩」には、例年(1万~2万人)よりずっと多い約3万人がこの町を訪れた。

今年は今井町出身の茶人・今井宗久の生誕490年にあたるため、例年以上に内容を充実させ、県内外で広報に努められた(イベントは、平城遷都1300年記念事業協会の「県民活動支援事業」に採択され、せんとくんも町を練り歩いた)。宮跡会場に1日3万人前後が訪れたという15~16日に、これだけの来場者を集めたということは、町民が集客に粉骨砕身されたということなのだ。
http://www.1300.jp/event/detail/roam/reve100422-4.html

今井町町並み保存会の若林稔会長は、「『果報は寝て待て』でもなく、『果報は練って待て』でもない。『果報は練って働くところに来る』『果報とは突き詰めると人とのつながり』だと思う」とお話しされていたが、まさに至言である。誘客を成功させるには、綿密に練った計画の実現のため、額に汗して動くことと、理解者・支援者の輪を広げ、その人たちとの太いパイプを作ることが大切なのだ。
http://mainichi.jp/area/nara/news/20100517ddlk29040269000c.html



■知事会見でも話題に
春季フェアについては、5/11の知事定例記者会見でも話題になった。人出について、荒井知事は《予想より多かったと思います。春のフェア中は、平城宮跡会場だけでなく、県内各地も人出が多かったですね》《奈良県全体に人が向かってきたというような傾向があるのではないかと思いますが、これは宿泊客数とか、近鉄やJRの乗降客数で判断できると思います》《県南部の観光客数も随分伸びているようです。1300年祭に便乗していただいたところは伸びていると。何もしなかったところはあんまり伸びなかったのではないかなという感じがしています》。
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-19862.htm

《平城宮跡会場にお越しの観光客の皆さんには、平城宮跡は大変広いので、ゆっくりとした空間で、現に1300年前にあった空間を楽しんでいただきたい。パビリオンのように閉じ込めないという大きな方針を決めましたので、ゆっくりとしたところを見てもらいたいと思います》《大きな混乱がなかったという意味で、順調に春のフェアが滞りなくいったのかなと、一安心しています》。

記者から、奈良市内の他の観光地にお客が回っていなかったのではないか、という質問があった。知事の回答は《お客様が来なかったのが、交通手段のせいか、イベントなどの努力をしなかったせいかというのを、もう少し分析して情報を出したいと思います。奈良市内では、東大寺は随分観光客が増えたと聞いています》《努力しなかったのか、大仏商法のままなのか。全体的に1300年祭に便乗してもらったところは観光客数が伸びているように思います。これはこちらの見方ですけどね。それがどうなのか、もう少し分析しないといけないと思います。望みは、奈良県各地のたくさんの観光地に便乗してもらいたいと思っています》。

確かに「平城宮跡でフェアをしているから、ウチにも自然とお客が流れて来るだろう」と手をこまねいているのは、いわゆる「大仏商法」、新聞が批判する「待ちの商売」である。それで客が増えないのは、当然の報いだ。天は自ら助くる者を助く。1300年祭にうまく乗ってイベントを行ったり、PRを積極化したところは観光客が増えた。それは上記の「今井町並み散歩」が、良いお手本である。

県南部への誘客については、県の担当者が《南部でしたら金峰山寺、中部でしたら長谷寺や室生寺などがすごく増えてます。長谷寺の場合でしたら、大画軸(本尊十一面観世音菩薩御影大画軸)の特別公開をしていますので、それによって旅行商品もどんどん出来ています。お寺から具体的に聞いています》と回答していた。



■観光ガイドブック、ゴールデンウィークの売上トップは「奈良」!
オリコンのサイト「oricon style」に、こんなニュースが出ていた。《観光ガイドブック、GW売上1位は「奈良」》《ゴールデンウィーク、最も観光されたのは奈良県だったのかもしれない。連休前半、4月26日(月)~5月2日(日)を集計した最新5/10付オリコン “本”ランキングBOOK(書籍総合)部門では、観光ガイドブックが人気を集めた》。
http://www.oricon.co.jp/news/ranking/75960/full/

《“平城遷都1300年祭”の開催で盛り上がる「奈良大和路」にスポットを当てた『るるぶ 奈良・大和路 ’10~’11』(JTBパブリッシング)、『まっぷるマガジン 歩く奈良 大和路 ’10~’11』(昭文社)の2作は、共に圏外から初のTOP100入りを果たした》。
※niftyニュースでも報じられた
http://news.nifty.com/cs/entame/showbizddetail/oricon-20100506-20100505-000/1.htm

《『平城遷都1300年祭』は、1月1日から12月31日までの 1年間にわたり奈良県各地でさまざまなイベントを実施する記念事業。2010年は年始から名スポットとして注目を集めていた奈良だが、大型連休直前の4月 24日にメイン会場となる平城宮跡会場がオープンしたことから、人気に火がついたと共にガイドブックも好セールスを記録した》。

《今回初TOP100入りした『るるぶ~』、『まっぷるマガジン~』の2作は、前週5/3付で207位、252位と共に200位台だったのに対し、今週は 71位、97位へ大きくランクアップ。そのほか、101位以下にも『奈良おさんぽマップ』(実業之日本社)、『遷都1300年 奈良の旅』(JTBパブリッシング)などがランクインしていることから、ゴールデンウィーク中の観光ガイドブックの売上としては、奈良が1番だったといえる。なお、奈良に続く人気は、NHK大河ドラマ『龍馬伝』で脚光を浴びる「四国」のガイドブックだった》。



■平城宮跡探訪ツアー、極私的総括
春季フェアの期間中、私は「平城宮跡探訪ツアー」のツアーガイドボランティアとして、約20人のグループを連れて90分のツアーを何度か行った。このツアーは4/24~11/7まで(7、8月を除く)の毎日、開催されるウォーキングツアーである。
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/keve100326.html

こんなに本格的にグループを引率して説明するのは初めてだったが、良い勉強になったし、奈良へ来られる観光客の「顔」がよく見えた。

昨年の応募時には、ほとんど修学旅行生だろうと聞かされていたが、結構大人が多かった。実は、修学旅行生を引率するのはあまり気乗りしなかった。わが身を振り返り、「どうせガイドの話など、ロクに聞かないだろう」と思っていたからだ。だから、奈良好きの大人を案内するのは、とても楽しかった。観光バスなどで団体で来られる人より、個人参加者の方にヤル気が感じられる。こちらも力が入るし、良い質問もたくさんいただける。たとえわずか300円でも、身銭を切って参加する人は意気込みが違うのだ。

修学旅行生では、四国の香川県から来た小学6年生のグループに出くわした。シッカリと話を聞こうとする姿勢は感じられたが、何だか元気がない。先生に聞いてみると、四国を朝6時に出発し、午前中に東大寺を拝観、そのあと(昼一番)にツアーに参加したのだそうだ。

この日は宮跡会場を見学した後、観光バスで京都入り。明日は午前中に金閣寺と清水寺を拝観し、午後から神戸で震災の被災地(「神戸港震災メモリアルパーク」か)を見学し、夜には四国に帰着という強行軍だった。誰からも文句が出ないよう、いろんな要素をつぎはぎしたのだろうが、これでは子供たちがかわいそうだ。



最悪は、県下の中学生グループだった。朝から8チーム(20人×8=160人)借り切っての参加だったので、1学年全部が駆り出されたのだろう。集合時点で、すでにダレている。教員側の理解不足で、広い宮跡を90分も歩き回るのに、重い通学カバンを持たされている。とても暑い日だったのに、帽子をかぶっていない生徒が多い。当然、奈良の歴史も予習していない。

案の定、始まって20分もしないうちに「疲れた」「座りたい」「早く食事したい」と文句を言い出した。結局、先生と相談して90分のツアーを45分で切り上げたが、何とも後味の悪いガイドツアーだった。私の前のチームなどは、30分で切り上げていた。結局「奈良の魅力は、児童・生徒には分からない」「個人で来られる観光客を大切にすべき」という私の持論を確認することになった。

以上、長々と春季フェアの私的総括を書いてしまった。この「同時進行」シリーズは、後年、「あの1300年祭とやらは、どんなイベントだったのだろう」と読み返すとき参考になるよう、できるだけ詳しく書いている。お読みになった皆さん、「私は、こう総括する」というご意見を、ぜひコメント欄にお寄せいただきたい。
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Topic 明日、『ならまち大冒険』著者トーク&サイン会、まんとくんも登場!

2010年05月22日 | お知らせ
明日の日曜日(5月23日)午後2時から、啓林堂書店・奈良ビブレ店(奈良ビブレ地下 奈良市小西町)で、作家・寮美千子(りょう・みちこ)さんのトーク&サイン会が行われます(入場無料)。当日はまんとくんも応援に駆けつけますので、「生まんとくん」とツーショットの写真が撮れますよ!
※啓林堂書店の同イベント紹介サイト
http://www.books-keirindo.co.jp/common/news/top/2010523.html



さらに、時代かご「やじきた屋」という駕籠屋さんと、辻斬り侍が友情出演されるという情報もありますので、これは盛り上がること間違いなし!
※時代かご「やじきた屋」(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/1a672fad51bad643df8d676efb31f372



この催しは、ならまちを舞台にした童話『ならまち大冒険―まんとくんと小さな陰陽師』(毎日新聞社刊)の出版を記念して行われるものです。この本は小学3年の男の子とまんとくんたちが繰り広げるファンタジーで、ならまちの街並みや伝統工芸が詳しく描かれ、新聞連載中から大人気でした。クロガネジンザさんの挿絵も素晴らしく、私も毎日ワクワクしながら連載を楽しませていただきました。出版にあたっては、連載に大幅加筆修正が施されています。
※『ならまち大冒険』連載開始!(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/b8e0dcfc7c16457eff18e46fb40871d6

アマゾンのカスタマーレビューが、この本の魅力を余すところなく伝えています。《子供向けの本とあなどってはいけない 寮美千子自身が「ならまち」に暮らして その「ならまち」の暮らしの中で出会った「ならまち」の人々の生活感や「ならまち」の歴史や文化 さらには日本の歴史や文化に関する知識 そしてひとつの物事を見るときに 一方からではなく様々な方向からそれを見て その上で物事のありようを確認していく必要性 そうしたことを子供向けのお話という媒体を借りて しっかりと大人向けに問い掛けている》。

ならまち大冒険 まんとくんと小さな陰陽師
寮 美千子
毎日新聞社

《寮美千子という作家の作品にはスピード感と清涼感がある この物語もスリリングな疾走感とひとつひとつのストーリーの爽やかさに 心うきうき豊かな気持ちになれること必至 クロガネジンザのイラストは この物語にぴったりマッチングするスピード感と清涼感を供えたクリアな印象のもので とにかくキャラクターがみんな可愛い その表情の豊かさを楽しんでほしい》。

マルチメディアプランナーの内田一成氏も、ご自身のブログに書評を書かれています。《「……太郎は、歴史ってなんだかすごいな、と思いました。古い本のように、めくるほどに、いろんなことが出てきて、それでいて虫食いなので、ほんとうのことはよくわかりません。町はその、一冊の大きな本のようです……」 教科書に書かれた歴史ではなく、その「場所」に息づく歴史、それが街やそこに暮らす人達の人情を形作っている。奈良という街に魅かれて、その街の一部になろうと決心して移り住んだ寮さんの想いが一言一言に滲んでいる》。
http://obtweb.typepad.jp/obt/2010/04/naramachi.html

この本は、ならまち歩きの格好のガイドブックにもなります。寮さんは86年に毎日童話新人賞最優秀賞、05年に小説「楽園の鳥」で泉鏡花文学賞を受賞され。06年にならまち(奈良市)に移り住まれ、旺盛な執筆活動を展開しておられます。

ぜひ皆さん、トーク&サイン会&まんとくん撮影会に、足をお運び下さい!
※お問い合わせは、同書店(0742・20・0801)まで。
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