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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

万博も開幕し、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

葛の葉そうめん

2010年05月25日 | グルメガイド
また1つ、奈良の名物が誕生した。その名は「葛の葉そうめん」。朝日新聞(5/21付)によると《くずの葉使い、そうめん開発 三輪そうめん山本など》《「三輪そうめん山本」(桜井市箸中)と県工業技術センターは、県産のくずの葉を練り込んだ「葛(くず)の葉そうめん」を共同開発した。くずを使ったそうめんはあるが、葉を使うのは初めて。葉を練り込んだそうめんはゆであげると鮮やかな緑色になり、くずの葉独特の風味も楽しめるという》。

《県の特産品を使って新しいそうめんを開発しようと、2008年秋から試作を進めてきた。県は県産食材が健康に与える効果などを研究しており、くずについての研究成果も年内に発表する。山本太治社長は「自然素材を使っており、安心して口にできる。色目も味のうちなので、見た目も楽しんでほしい」と話している》。



《葛の葉そうめんは一袋250グラム入りで、472円。首都圏の一部百貨店で本葛そうめんとセットで販売するほか、同社本社と奈良市左京6丁目の「麺(めん)ゆう館」でも販売する。練り込むための製法を特許出願しており、評判や売れ行きを見て来シーズンも販売する。問い合わせは同社(0744・43・6661)へ》。

詳しい報道資料が、県のHPに出ていた。《奈良県では平成18年1月から奈良県地域結集型研究開発プログラム「古都奈良の新世紀植物機能活用技術の開発」において、クズの「蔓」や「葉」の機能性や栽培技術などの研究を行っており、それをもとに食品を開発し、地域産業の活性化を目指しています。この度、県内の畑で栽培された安心・安全なクズの葉を練り込んだ手延べそうめんが開発され、お中元シーズンを前に新発売されます》。
※県の報道資料(PDF形式)
http://www.nashien.or.jp/koto-nara/pdf/kuzuhasoumen.pdf



葛の葉そうめんとは《県内で栽培されたクズの葉を微粉砕し、そうめんに練り込んだもの。細い麺に爽やかな緑色で、ゆでると明るい草色になります。また、一般的なそうめんでは、麺を延ばす工程で綿実油を使いますが、この商品は、綿実油を使わない「ノンオイル製法」で仕上げました》。

葛はマメ科のつる性の多年草で、山野に自生している。初秋に紫紅色の蝶型の花を咲かせ、秋の七草の一つとして古くから親しまれてきた。わが国に古くから分布する植物の一つで、日本書紀にも出てくる。主な産地は奈良、徳島、長野、群馬、鹿児島などの各県だが、中でも吉野地方(奈良県)に産する吉野葛は良質なものとされている。

なお《地域結集型プログラム「古都奈良の新世紀植物機能活用技術の開発」とは (独)科学技術振興機構の支援のもと都道府県等において、国が定めた重点研究領域の中から、地域が目指す特定の研究開発目標に向け、大学、公設試験研究機関、民間企業等が結集して共同研究を行うことにより、新技術・新産業の創出に資することを目的としています》。

『健康食品辞典』によると、葛の《葉には良質の葉緑素が豊富に含まれており、葉緑素の補助食品として優れている》《葉緑素は体内でヘモグロビンの生成を助け、造血作用を促す。また、健胃作用、殺菌作用も認められている》。
http://tanalog.com/taiseidrug/2007/06/09/1181350351453.html

いくら安全・安心な地元(宇陀産)の葉っぱを使い、ノンオイルで仕上げていても、味が悪ければ元も子もない。早速、三輪そうめん山本の本社を訪ね、1袋(ひと束50g×5束=250g 税込み450円)買い求めてきた。



よくヨモギや抹茶を練り込んだ麺があるが、あのような色だ。口に入れると、草餅のような新茶のような、さわやかな香りが広がる。麺は普通のそうめんよりシッカリしている。これだと、ゆで延びしにくいだろう。最後の1本まで、歯ごたえとのどごしの良さが味わえる。油を使っていないので、麺のうま味がストレートに舌に伝わってくる。夏場のお中元商品ということだが、温かいにゅうめん(トップ写真)に仕立てても美味しかった。

近年、「年明けうどん」(紅白うどんのミックス)が人気を集めているが、葛の葉そうめんも、白いそうめんとミックスすれば、せせらぎに漂う水草のごとく、また石激(いわばし)る垂水の上のさ蕨(わらび)のごとく、いかにもすがすがしい。今は首都圏の一部百貨店と、三輪そうめん山本の本社と麺ゆう館だけの限定販売だそうだが、早く全国販売に踏み切っていただきたいものだ。
コメント (2)
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