tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

近畿文化会「古代葛城の仏像」

2008年07月05日 | 奈良検定
6/29(日)、会社のN先輩と、近畿日本鉄道が運営する近畿文化会の臨地講座(現地見学会)「古代葛城の仏像」に参加してきた。5/11に続き、臨地講座への参加は、私にとっては2度目である。今回の参加費は、バス代と昼食代込みで6900円だった。
※近畿文化会「東大寺と手向山八幡宮」(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/5a94b2036018dcf2b100acc50b478e21

今回の講師は松浦正昭氏だった(富山大学教授・日本美術=写真中央)。朝9時10分に大和高田駅に集合、乗り込んだ貸切バスは補助席まで満席だった。まず向かったのが、写真の新山(しんやま)古墳である(北葛城郡広陵町大塚)。奈良検定テキストには「大塚陵墓参考地」として紹介されている。

《全長137メートルの前方後円墳で、埋葬施設の構造は、上面に竪穴式石室があり、その下方に組合式石棺を置くという特異な構造であったと推定されている》(同テキスト)。松浦氏はこの被葬者については、卑弥呼と台与(とよ=卑弥呼の後継者で、魏志倭人伝の「壱与」)であるという。

また、この古墳からは写真の「三角縁仏獣鏡」(仏像が浮き彫りされている)が出土している。よく日本最古の仏像は飛鳥大仏(606年)だといわれるが、仏獣鏡の方がずっと古いのだ。

新山古墳出土・三角縁仏獣鏡(東京国立博物館で07.7.28撮影)。
「卑弥呼の時代」(古墳時代・4世紀)の説明がついている。
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B07&processId=01&event_id=5524&event_idx=1&dispdate=2008/06/03

新山古墳の次は、飛鳥資料館。瓦の文様などについて説明いただいた。飛鳥寺では写真の夏椿(沙羅)がきれいに咲いていた。



午後1時過ぎに、待望の昼食。(財)飛鳥保存財団が運営する祝戸荘(いわいどそう)というロッジ風の宿泊施設でいただいた。ここは1泊2食8400円で泊まれる格安の施設で、写真の「里山料理」(地場産野菜などを使ったお弁当 予約要)は、2000円だそうだ。赤米のご飯も味噌汁もお代わり自由なので、とても割安感がある。
http://www.asuka-iwaidoso.com/index.html



午後の部は当麻寺から石光寺へ。当麻寺では、本堂の曼荼羅や金堂の仏さま、参道の中将姫のお墓などについて、松浦氏から詳しく解説していただいた。







石光寺では、弥勒堂(金堂跡)で弥勒石仏を拝観。《制作は白鳳時代、7世紀後半と推定され、現存する最古の丸彫り石仏として、日本古代彫刻史上注目すべきもの》(葛城市観光協会HP)。《現状では頭・体部が分かれているもの、大きさは半丈六に及ぶと推測される》(同)。写真はその頭部である。石光寺の後は再び大和高田駅に向かい、解散した。



今回も、とても参考になる話が聞けた。飛鳥寺も当麻寺も石光寺も、花の季節に何度も訪れているのだが、説明を聞くのと素通りするのとでは、理解度が全く違う。しかも偉い先生からユーモアを交えてお話しいただく、という贅沢さだ。

松浦先生、そしてこの講座の企画・プロデュースから引率までしていただいた近鉄・秘書広報部長の武部宏明さん、有り難うございました。
コメント (4)
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