水徒然2

主に、水に関する記事・感想を紹介します。
水が流れるままに自然科学的な眼で解析・コメントして交流できたらと思います。

大気汚染有害粒子の発生および拡散、被災要因・・・黄色い砂、PM2.5 強い風・・・とは 

2013-03-15 | 放射能など有害微粒子・エアロゾル関連

'13-03-10投稿、03-15修正・追加・更新

PS03-15: 下記の記載について修正・追加しました。

 偏西風などによって大陸からの黄砂、PM2.5の飛来は昨今、増加しています。2.5ミクロン以下の黄砂も有害物質を付着していると想われますので黄砂2.5として大気汚染粒子にいれたら、人への災害を未然に防げる手法として解り易いのではと想っています。

 人体に及ぼす影響として、エアコン、エアークリーナー、電気掃除機などのフィルターに集積された有害物質を吸着した黄砂、PM2.5など粉塵をフィルター交換時、洗浄時に吸引することによる二次災害について最近無視できないと思われます。集塵された高濃度のさまざまな有害物質が凝縮されている粉塵を吸引しないために、適正なマスクの選択、および手袋、衣服など保護具を着用することが望まれます。

 個人的には、被災が顕在化するか否かは、個人差が出る要因として重視しなければならない問題点と思われます。

また、

 最近国内では強風がよく発生しています。強風による二次拡散にも注意必要です。3月になってからの寒暖状況は気温は上昇傾向ですが、相変わらず、三寒四温的な様相です。詳しくは>>
 これらは大気中に浮遊する微粒子の質もしくは量の違いによる日傘効果の一現象と想っていますが、これらはすべて「風の質/量、圧力
」によるものと考えられます。

 個人的には、天気予報の中に、衆知し易い局地向けの風向・風力予報があればとも思っています。

 風については、偏西風、貿易風などグローバルなものと、季節がからむも台風、サイクロンなど、および地域的な竜巻(トルネード)、突風、つむじ風などありますが、

 なぜ風が起こるのか?に係る記載を個人的なメモとして調べました。

教えてgoo http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3235367.html
風はなぜ発生するのですか?

自由研究で風についてやっています。
しかしいまだに風がなぜ発生するのか説明を読んでもわかりません。
教えてください。(風が発生する実験も教えてほしいです)

No.3ベストアンサー10pt

陸地と海の比熱の違い(水は暖まりにくく冷めにくい)による温まり方・冷え方の温度差で上昇気流がおきます。
なぜ上昇気流が起きるかというと熱気球が飛ぶ原理と同じですね。
空気は暖められると膨張し周りの空気より軽くなり飛ぶことができるのです。
上昇気流が起きたところは気圧が低くなりこれが低気圧といわれるものです。
空気も水と同じで気圧が高いところから低い所に流れますので風が発生するという原理です。

No.1ベストアンサー20pt

風が発生する要因は
(1)地球には大気があります。(地球の重力に空気が集まっている)
大気それ自体が自発的に動きはしませんが、地球が自転していますので、大気の中心で地球が回転することになります。
そうすると地球と大気は違う動きをしていますので、いわゆる風が発生している状態になります。

(2)地球上では太陽が当たるところ(昼)と当たらない所(夜)があります。当然昼間は大気は温まり、夜は冷めます。
大気は暖かいと体積が膨張します逆に冷めると収縮します。
なので膨張している空気は、収縮している空気の方へ拡がります。
これも風の原因です。
上昇気流、下降気流も同じような原理です。
(実際の風の要因はもっと複雑ですよ)

もうひとつ

風(偏西風)が西から来る理由がわかりませんhttp://oshiete.goo.ne.jp/qa/926406.html?from=recommend

「「偏西風が西から吹くのは地球の自転のせい」だそうですが,この理由がわかりません。

北極を上に,南極を下にして,その前に立ったと仮定します。
そうすると目の前の地球(表面)は,左から右へ移動しているはずです。
(東方向へ回転)
そのとき,この地球表面を覆っていた大気が,地球の自転について行けない・・
ずれが生じる・・とすると,表面にいる人間は「風が東から吹いて来た」と感じる
のではないでしょうか?

この考え方のどこに誤りがあるのか,ご指摘いただきたく・・・。

No.9ベストアンサー20pt

参考URLの「相対的に温度の低い」は誤りではありません。フェレル循環を説明する図をよく見てください。北半球では、相対的に温度が低いはずの北で上昇し、温度が低いはずの南で下降しています。

 何度も言いますが、これは平均操作をしたために出てきた見せかけの循環です。実際には、温帯低気圧の東側の高温域で上昇し、西側の低温域で下降する循環になっています。フェレル循環は、ハドレー循環のように、どこの経度でも南で上昇し北で下降するという実態のある循環ではないのです。

 一冊、参考文献を上げておきます。
 高価なので、図書館などで探してみてください。
 「グローバル気象学」廣田勇著 東京大学出版会
 ISBN4-13-064701-6

参考情報: (google画像検索から引用)

○                                     ○

gooニュース

黄砂、九州から甲信に…PM2・5も飛来の恐れ

読売新聞2013年3月9日(土)20:43
「中国大陸からの偏西風に乗って飛来した黄砂が9日、九州から甲信地方にかけての広い範囲で観測された。

 気象庁では、水平に見渡せる距離が5キロ未満になった場合は、車の運転などに気をつけるよう呼びかけている。環境省は、微小粒子状物質(PM2・5)も黄砂とともに飛来する恐れがあるとしている。

 快晴の日に水平に見渡せる距離は通常、約20~30キロだが、松江市では5キロ、静岡市や京都市では8キロとなり、甲府市や大阪市でも10キロ以上あったものの、黄砂が観測された。

 名古屋市では前夜から駐車中の車の屋根などで黄色い砂が確認された。タクシー運転手中村勝信さん(52)は「出勤した時にボンネットやフロントガラスに砂が積もっていた。天気は良いが、空が曇っているように感じた」と話していた。」

⇒今回は事前に気象庁にて飛来予報が出されていて、黄色い砂が確認されていたので間違いはないと思われますが、黄砂は大陸の砂漠、沙地地帯から巻き上がった砂塵の代名詞であり、その粒度分布は幅広く、一般的には黄色ないし赤色系の色調であります。

 春一番が吹けば砂塵は舞い上がるし、どこかの国の火山灰などが飛んで来たのかもしれません。
黄色~赤い砂塵といえば、既報地震予兆としての異常着色発光で調べた
 天然土由来の鉱物として、
赤色弁柄天然酸化鉄赤)、辰砂(硫化水銀)、鉛丹
アンバーシェンナといった褐色
カドミウムニッケルチタンストロンチウム黄鉛亜鉛黄

黒色の煤はカーボンブラック

 

 顔料の世界市場規模は2006年時点で740万トンだった。2006年の生産額は176億USドル(130億ユーロ)で、ヨーロッパが首位であり、それに北米アジアが続いている。
生産および需要の中心はアジア中国インドに移りつつあるという。
<引用:ウィキペディア顔料 (詳しく見る)>

 大部分は中国からの越境飛来粒子と想われますが、厳密にいえば、さまざまな地域の地殻から発生した複雑な汚染粒子であり、どの国どの地域で発生したものであるのか正体は不明と想われます。

 今後は出所証明が必要な時代となりました。

 すなわち、中国インド、中東、パキスタンのみならず、オーストラリア(オーストラリア西部の赤い砂嵐、米国(トルネード)、アフリカなど突風、嵐など強風によって、大気中に巻き上げられて浮遊していると思われます。
詳しくは>>


引用:http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/archivej.htmlによれば、
(開発責任者 竹村俊彦(九州大学応用力学研究所))
(高さ1kmまでのエアロゾル予測のシミュレーション

 <黄砂>                    <大気汚染粒子>

 図の大気1kmまでのエアロゾル予測では、<黄砂>と<大気汚染粒子>はあたかも反撥しているように観えますが、黄砂とは共存していないようです。

 細かい黄砂の粒子径はサブミクロンレベルと下図の引用から推察されます。また、浮遊している高さは約3000mくらいまでという。

 黄砂の粒度分布例は再三、引用していますが、
「イラク(中東)からの黄砂」によれば、
http://www.shimadzu.co.jp/powder/lecture/
beginner/b03.html

2003年3月25日~27日にかけて、西日本において黄砂が観測されました。
  」

 粒子径は図から、中東からも飛来しているとのことで、PM2.5に相当する2.5ミクロン以下も多いということです。
要するに、中国のみならず、さまざまな発生源があります。


 話が少しそれますが、黄砂のみならず、日常、既報(空気中の塵埃の種類と粒子径)の記載によれば、
・意外と生活環境の空気中の塵埃の種類、特に個数についてはよく知られていません。環境中に混在している塵埃に係る記載から、・・・屋外の雑踏では優に数百万個/ft3(空気28リットル)以上であり、ウィルスなど加えれば、とてつもない数の有害物質の混在が推察されます。びっくりするような環境で日常生活していることです。
 具体的には、ハウスダスト 概ね0.5μm以上(一般的な塵埃、含むカビ、ダニ、フケ)の他に花粉、酵母、環境放射性塵 自動車オイル、 燃焼煤など。」 詳しくは>>といった塵もあります。

話を戻して、

 ここで個人的に問題とするのは、
 ・黄砂で微細なものはPM2.5(大気汚染粒子で2.5ミクロン以下の粒子径)の範疇に入っているのか? 

黄砂自体は有害ではないかもしれませんが、
 環境放射能(原発、地下マグマ、ウラン・レアアース鉱山、および、過去陸海空で実施された核実験)、インフルエンザウィルス、および、化石燃料によって発生する煤、硫酸塩など大気汚染微粒子、加えてCO2、SO2などSOx、NOx(窒素酸化物)、および窒素有機化合物(VOC)などガス状物質などの気汚染物質を吸着して大陸からのPM2.5に象徴されるハイブリッドな汚染を増加させていないか?と推察されます。

また、光の波長より小さな粒子径の黄砂は光を吸収せず透過するため、黄色を目視で識別できませんが、サブミクロン以下の微粒子が1kmを超える上空にはかなりあるのではと?妄想しています。
 すなわち、既報ではsprintarsエアロゾル光学的厚さ (合計) (550nm)について調べましたが、それ以下の観測されない超微粒子、たとえば、環境放射能、および、高度3000mまで存在するという黄砂などは測定波長が回折されている可能性もあるのでは???と個人的には想われます。
 反射した光は目視で識別可

  (google画像検索から引用)

 環境放射能による内部被曝による後遺症は一般的には3年・5年・8年後に発症すると言われていますが、大気汚染粒子による被災は即効性があるようです。個人的には詳細不詳。
参考関連投稿:
エアロゾルに係る記載(その34:インドでもPM2.5大気汚染深刻化 年間約67万人が死亡という)

  PM2.5は今のところ例年並みとも言われていますが、黄砂、PM2.5を含めて高さ3000m位までの存在状態を光学的な解析をベース徹底的に顕微鏡観察による粒子径、形状、複合性および高感度高分解能の分析によって組成解析して、その結果を公開したらと思っています。黄砂の表面には、微細粒子が電荷的に吸着していると個人的には推察されます。
参考関連投稿:
エアロゾルに係る記載(その35:大規模な黄砂の嵐が発生 PM2.5同様に徹底監視が必要か!) 

 ・一般的に有害なエアロゾル粒子と知られている花粉などは数十ミクロン以上であり、ガーゼマスクで十分であるが、インフルエンザウィルスなどに対しては、他人への伝染の恐れを少なくする効果であり、もっと細かいサブミクロン、ナノレベルの有害微粒子に対しては化学吸着可能な防毒マスク仕様にしなければ外出も出来なくなるのか?引き続きさまざまな考え方を調べる予定です。

 ・ガス状分子は:1nm前後

 ・黄砂粒子径の分布は約0.1~50μm
  組成は主に、SiO2から成り、AlO3、Fe2O、CaO、TiO2などを含む複合の酸化物
 
 ・核燃焼灰は0.01μm~0.1μm
 
 インフルエンザウィルス(AH1N1 2009) 詳しく見る>>
 球状で約50~100nm(0.05~0.1μm)

  


トリチウム、トリチウム水の発生に係る情報  ふげん排気筒でトリチウム値上昇

2013-03-15 | 環境放射能関連

'13-03-12投稿、03-15追加・更新

 既報で記載したように、汚染水を海に放出するためには、汚染水から多核種からなる汚染水をうまく除去出来ても、三重水素(トリチウム)を減らすことはほとんどできず、当初の計画の見直し?を迫られているという。現状、敷地内には1000トンのタンクは千基(約100万トン)近くあるという。
関連投稿:
環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る記載(その36:汚染水処理軌道に乗らず 新たな問題発生 )

 処理されない不可解なトリチウム(三重水素)に係る記載を調べたところ、現状、24万5000トンの汚染水に含まれるトリチウムは1リットルあたり500万ベクレル。福島第一原発の内規である保安規定で示されているトリチウムの年間放出量は22兆ベクレルとなっている。つまり現行の基準を順守した場合、前述した汚染水を放出できる量は最大でも年間4400トン(440万リットル)程度にしかならない。
 このトリチウムは一般的には水自身が放射化された場合に生成する可能性があり、水の水素や酸素の放射化は、原子炉の動作時にはありえるという。

・(軽)水素 → 重水素 → 三重水素 (トリチウム) 

一般的な「放射化」に対する定義そのものが不明確なようですが、「放射化」には中性子線による被曝もしくは高い崩壊放射線エネルギーが必要なようです。
 項目2の記載において、比較的高エネルギーのガンマ線による励起によって瞬時(半減期が7.13秒と短い)ながら放射化が生ずる事例があることが判りました。
詳しくは教えてgoo 2009/10/12>>

参考関連投稿:
福島第一原発 汚染水の海洋放出に半世紀以上!?という。
環境水の性状異変に影響しているのか?

 個人的に不詳につき、水の放射化による重水素 、三重水素 (トリチウム)生成に係る記載を調べました。

 関係あるかどうかは不問ですが、環境中の放射能による反応は複雑過ぎます。
これらは、環境中にも少なからず影響を与える可能性があることが下記からも伺えます。

PS03-15
47ニュース
ふげん排気筒でトリチウム値上昇 

「福井の新型転換炉原型炉ふげんの排気筒で放射性トリチウムの値が一時、通常値の2倍程度まで上昇。 2013/03/15 12:49  【共同通信】」

ウィキペディア「ふげん」

「、福井県敦賀市明神町にある原子力発電所廃炉である。・・・

日本国産の炉形式で新型転換炉と呼ばれ、原型炉段階にある。世界初のプルトニウムを本格的に利用する炉であり、MOX燃料の燃料数も772本と世界最大である。

特徴
国産の理由
  • 原子炉技術の向上。
  • 原子炉を安定的に動作させる為。
  • 輸入した燃料の有効活用。
問題点

⇒トリチウムの制御・管理は下記の核融合と同様に監視しなければならない。
何が原因?現状不詳ですが、原発は人知を超える御しがたいことが伺えます。

○                                          ○

安全情報公開
核融合科学研究所(NIFS) 研究所岐阜県土岐市
安全にかかわる具体的な項目とデータ、及び関連の資料 
http://safety-info.nifs.ac.jp/safe/safe_03.html
(一部割愛しました。)

1.重水素実験の目的

 重水素は通常の水素に比べ2倍の重さの質量を持っており、これまでの世界で行われてきた実験では重水素プラズマの方が閉じ込めなどについて性能の良い結果が得られています。
  ヘリカル型装置のLHDでも高性能の結果が得られるかどうかを調べることは、非常に重要な意義があります。
  また、重水素を用いた実験では微量ではありますが中性子が発生します。この中性子や、その他の高エネルギー粒子がプラズマの中でどのように振る舞うかは、核融合炉の設計において重要であるばかりでなく、基礎的・学術的な研究として極めて大切で、核融合科学の学問的基礎を作るという観点から核融合科学研究所の大切な研究として位置付けています。

2.発生する中性子およびトリチウム量

2.1 発生メカニズムと発生量
  現在検討されている重水素を用いる実験計画では、最初の6年間は毎年最大100回、7年目に最大862回重水素を用いた実験を行うことを検討しています。
 その時の磁場の強さは3~4テスラで、温度はプラズマ中心で5500万℃、密度は1立方cmあたり7×1013個を予想しています。加熱に用いる重水素ビームのエネルギーは25万電子ボルトを予定しています。

 ここで生成された重水素プラズマ中において、重水素同士が有限の確率で核融合反応を起こし、実験1回あたり、最大2.4×1017個のトリチウム原子、陽子、ヘリウム3原子(非放射性)、中性子が発生します(下図参照)。最大年間862回(1回は10秒)実験を行う場合には、最大年間2.1×1020個のトリチウム量となり、これは重さで1mg、放射能で約10キュリー(Ci)となります。・・・

トリチウム発生原理

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また、ここで発生した中性子が冷却水に含まれている微量の重水素と衝突した時にも、トリチウムが発生します。
  最大年間862回(1回は10秒)の実験では、照射を受ける冷却水(プラズマに近接するもの) 0.4 ton中に発生トリチウム量は5.2×109個で、約2.6×10-10 Ci(約10ベクレル(Bq)となります。
  関係冷却水量は85tonなので濃度は約1×10-4(Bq/l)となります。これは自然水中のトリチウム濃度のほぼ1万分の1にあたります。

2.2 トリチウムの除去方法

 トリチウムの除去装置は、真空排気系と実験室の空気系の2系統に設置し、安全対策に万全を期すように設計・検討しています。

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真空排気系

生するトリチウムのほとんどは、LHD内から真空排気装置を介して排出されます。この真空排気装置後方にトリチウム除去装置を取り付けて、トリチウムを除去いたします。
  除去方法は、トリチウムをガスのまま金属に吸収させて除去する方法や、トリチウム水として水の形に変えた後に除去する方法等がありますが、どの方法が最も良いか、現在検討中です。
  いずれの方法を採った場合でも、トリチウム(水)が除去されたあとの排気(水)は、残存トリチウム量を検査し安全が確認された後に放出されます(下水への放出を希望しています)。

 空気系

 プラズマ真空容器内作業時には、真空容器壁から空気中にトリチウムが出てきますので、吸気装置により真空容器内の空気を吸い込み、トリチウム除去装置に送ってトリチウムを除去します。
  また、実験室内の気圧は外気からほんの少し下げた状態に維持する計画ですので、実験室内の空気が直接外へ漏れ出すことはありません。実験室内から排出される空気は検査の後、トリチウムが含まれる場合はトリチウム除去装置に送ってトリチウムを除去します。
  空気系におけるトリチウムの除去方法も、前述の真空排気系の場合とほぼ同じですが、扱う空気の量が格段に多いため、大規模な除去装置となります。

3.排出トリチウムによる公衆の被曝評価

重水素実験を行った場合の、排出トリチウムによる被曝評価は下記の通りです。
(1)下水への排出

 1日1.2トンの排水を基準(60Bq/cc)の5%のトリチウム濃度(3Bq/cc)で5ヶ月間排出した場合を以下に示します。
  排水は下水処理場から土岐川に流れ渇水期(流量288,000トン/日(注))には自然のトリチウム濃度を1.2%上げます。下流においてこの水で作物を作り食するとして、その割合が全食料の3分の1と見込まれる場合は、この人の被曝量は1.8x10-8ミリシーベルト(mSv)/年となります。
  この被曝量は公衆の被曝限度(自然放射線による被曝量とほぼ同じ)1mSv/年の1億分の2程度であります。また、水として排出されるトリチウムの総量は最大0.015Ciと見積もられています。

(注) H7年2月~H9年2月の間の3ヶ月毎に測定。この間の最小流量12,000トン/時(H8.8.6)による。
(2)空気中への排出

 極端な場合として、空気中へ年0.1Ci全量のトリチウムが排出された場合について示します。放出される量の50%が水蒸気型とします。また、呼気中の水分の7割が体内に吸収されると仮定します。気象データは可能な限り研究所土岐地区で観測したデータ(1987)を用いました。
  結果は、研究所周囲数100メートルから1キロメートル付近の位置で被曝量は最大となり、その値は成人男子で8.7x10-9mSv/年となります。この値は公衆の被曝限度の1億分の1程度の値であります。また空気中トリチウム濃度は自然のトリチウム濃度の1000分の3(0.3%)程度となります。
(3)安全性

 これら被曝量は公衆への基準や自然レベルによる被曝量に比べ、充分少ない(1億分の1~2程度の)超低線量放射線なので安全性に問題はないと考えています。        

  ・・・(後略)           」

 


環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る記載(その39:放射性セシウム、電気で7割除去可能という。)

2013-03-15 | 環境放射能関連

'13-03-14投稿、追加・更新

中国新聞

セシウム、電気で7割除去
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201303130049.html

「電気を利用し、土壌の放射性セシウムを最大約7割除去する技術を、近畿大工学部(東広島市)の井原辰彦教授(無機材料化学)が開発した。東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業への活用が期待でき、化学物質を使う方法より環境に優しいという。

 底に金属板を敷いた容器に汚染土と水を入れ、泥水にプラスの電極を差し入れ、金属板にはマイナスの電極をつなぐのが基本的な仕組み。プラスの電気を帯びたセシウムイオン(原子)をマイナスに帯電した金属板に引き寄せ、吸着する。

 

 福島県川俣町にある学校の校庭の汚染土10グラムと水道水35ミリリットルを使って近畿大工学部で実験。回収効率を高めるため、イオンを引き寄せやすい液体に吸着剤となる顔料の紺青(こんじょう)を混ぜ、容器の底の金属板に塗った。泥水を通さず、イオンだけを通す膜を張った。100ボルトの電圧を30分間かけ最大73・4%セシウムを除去できた。

 

 セシウムの除去には化学物質の使用が検討されている。電気を使えば環境に負荷をかけずに土を再利用できる可能性が広がる。

 福島県では除染作業で集めた汚染土をどこに運ぶか頭を痛めている。農家の農地再生への願いも切実だ。「実用化に向け、企業とも協力したい」と井原教授。既に特許を出願済みで、28日に大阪府の近畿大である日本原子力学会で発表する。」という。

 ⇒ 既報(その3):除染・回収方法2011-08-21によれば、
1)環境放射能を吸着させて、除染する物質はゼオライトなど数々の顔料、2)土壌や河川の放射能汚染を除去する技術として、マイナス電気を帯びた粘着物質を出す光合成細菌をセラミックに吸着させ、プラスイオンを持つウランなどの放射性物質を回収する方法、3)トリウムを対象とした場合では、イオン交換樹脂によって除去するようにし、またルテニウムについては物理的吸着機構等を利用した活性炭吸着法、4)RO膜(逆浸透膜)と天然鉱石主原料の無機系凝集剤が持つ電荷を利用した吸着を組み合わせた方法、5)青色顔料の一種「紺青」の主成分「フェロシアン化鉄」に、セシウムを吸着する働きがある点に着目。汚染水にこの顔料を混ぜ、遠心力で分離した後、セシウムとともにフィルターでこし取る方法、6)藻類を使って汚染水から放射性物質を取り除く実証実験を行い、短時間で効率的に除去する方法で10分間程度で高濃度の汚染水からストロンチウムは8割、セシウム137は4割取り除くことに成功。など提案されていました。

 最近では、既報(その37):農地の除染に適した顔料が見つかったという。によれば、農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)は放射性セシウムを吸着できる薬剤9種類を調べた結果、プルシアンブルーという顔料を使った薬剤に、福島第1原発事故の除染に使われている鉱物ゼオライトを上回る吸着効果があることが分かったという。


 本法は100ボルトの電圧を30分間かけ最大73・4%セシウムを除去できたという。詳細内容が不詳につき、この方法を量産化時の問題点など定かではありませんが、セシウム以外の放射性元素にも適用できるのか興味あります。

 原理的には金属メッキを適用した方法でしょうか?それとも、セシウムイオンを吸着させた紺青(こんじょう)を電着塗装の一種なのだろうか?個人的には現状不詳ですが、化学物質の使用しない方法ですが、pH制御などすれば、回収率がどのように変化するのだろうか?

 金属板に吸着したセシウムおよびそれ以外の物質にはどのようなものがあったのだろうか?

 イオンだけを通す膜の材質、ポアー径はどのようなものであるのか?など、
別途調べてみたいと思っています。

 いずれにしても、提案された数々の除染方法において、除染後の放射能が付着した材料、電極、および排水、廃棄物などを最終的にどのように処分するのか?原発使用済み燃料棒と同様、各システムのトータルコストを判断する重要な要素と思われます。

追加・更新
阿修羅コメント欄の本法に対する一部の意見を抽出してみました。

引用:http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/709.html

・01:集まったセシウムはどうするの?

・03:微生物やバクテリアは、バランスが変化するか、下手をすれば全滅じゃないか。

 

田畑には、使えそうにないな。

・09:福島の原発災害への対処に利潤性を持ち込むことは如何なものかと思う。

増してや大学の研究者であれば、例え私学であっても無償提供する事が好ましい。

東芝の様に事故に関わった企業が、土壌除染などでヤケブトッテイル様子は大変見苦しい。

・10:除染は金と労力のムダであるのみならず極めて危険な作業。
どんな機械を使っても膨大な汚染土の採取から廃棄まで
自動化するのはとても無理、沢山の作業員が必要だ。
チェルノブイリの除染作業員がどういう末路をたどったか知っているだろう?
こういう発明は福島の人間に無用な期待を持たせて
ますます被曝させる悪の技術である。

・11:一様なセシウム水溶液乃至セシウムコロイドなら可能かも知れない。
一様ならね。
ディスポーザーにでもかけるのかな。
…てなわけで机上の論理かと想像。
恐らく考える限りだが一応の理はある。

13:ウラン、プルトニウム、ストロンチウム、そしてその他多数の核種はどうするのだろう。
放射能漏出の規模は、あまりにも途轍もなく莫大なのだ。どうすることもできないのが現実であろう。