水徒然2

主に、水に関する記事・感想を紹介します。
水が流れるままに自然科学的な眼で解析・コメントして交流できたらと思います。

再生可能なエネルギーに係る記載(その14:宇宙では太陽電池より原子力電池が不可欠という。)

2013-03-06 | 再生可能エネルギー・省エネ関連

'13-03-06投稿

 既報(その6)にて宇宙太陽光発電送電法に係る記載を調べましたが、宇宙空間での電力供給は太陽光電池のみかと思っていました。 
 本法の問題点は宇宙で発電した電気をマイクロ波波数1GHz~30GH、:波長300mm~10mm)の電磁波に変換して地上に送電する方法であるが故に、最近、問題となっている携帯電話、IH調理器などからの電波障害を考慮すると宇宙からの送電は安全性① 癌・脳腫瘍・遺伝への影響② 妊娠中の使用で流産や奇形児・障害児③ 電磁波過敏症に問題があると個人的には想われます。

 調べてみると、個人的には不見識ですが、原子力発電と時を同じくして、原理は異なるものの放射性物質を使用した原子力電池が昔から宇宙開発には不可欠な発電法であるという。

今回は宇宙では必要不可欠という原子力電池に係る記載を個人的なメモとして調べました。

原子力電池(アイソトープ電池) (08-04-02-08)http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=08-04-02-08
(一部割愛しました。)

<概要>
 ラジオアイソトープの崩壊エネルギーをエネルギー変換器で電気エネルギーに変える一次電池のことを原子力電池(atomic battery,nuclear battery,isotope battery:アイソトープ電池)またはラジオアイソトープ熱源あるいはラジオアイソトープ発電器(RPG,radioisotopic powered generator)とも言う。用いられたラジオアイソトープは、開発当初144Ce、242Cm、90Srなどであったが、最近ではそのほとんどが238Puである。1960年代始めに宇宙での利用が開始され、1970年代後半には本格的な数百W級の発電器(MHW-RTG:Multi Hundred Watt-Radioisotope Thermoelectric Generator)が開発され、1980年代には汎用型熱源(GPHS-RTG:General Purpose Heat Source-RTG)としてさらに大きな電力のものが開発され、太陽電池が利用できない深宇宙におけるエネルギー供給源として、アイソトープ電池は今では不可欠の電源となっている。

<本文>
1.原子力電池の原理
 ラジオアイソトープ(放射性同位元素)から崩壊に伴って放出されるα線アルファ線)やβ線(ベータ線)のもつエネルギーは、物質に吸収される際、熱エネルギーに変換する。保温材を用いてこの熱エネルギーを閉じ込めると高い温度が得られる。熱電変換素子を用い、この高温と外気温との温度差を利用して熱起電力により電池の働きをさせる。この方式を「熱電変換」方式と呼ぶ。
 他に熱イオン変換方式と呼ばれるものもあるが、実際に利用されているのは熱電変換方式(熱電式)だけである。 図1 に熱電式アイソトープ発電器の原理を、 図2 に電池の構造を示した。
2.ラジオアイソトープの種類
 α線は簡単に遮蔽することができるため、現在は238Puが利用されている。238Puはα線を放射し、X線(エックス線)やγ線ガンマ線)がきわめて少ないこと、また、半減期が87.74年と長いことから、小型で寿命の長い原子力電池を作ることができる。
  表1 に示すように、244Cm(半減期:18.10年)等のα放射体90Sr(半減期:28.79年)等のβ放射体も利用することが可能であるが、β線が吸収される時に制動放射(阻止X線)が放出され、このX線を遮蔽するための遮蔽体の重量が大となる。また、60Coはβ線と同時にγ線を放出し、232U(半減期:68.9年)はα線と同時にγ線を放出するので、やはりγ線を遮蔽するための遮蔽体の重量が大となる。α線やβ線のような粒子線は簡単に遮蔽することができるが、X線やγ線のような電磁波は透過力が大きいので、厚い鉄や鉛のような金属で遮蔽する必要がある。
3.利用例
3.1 宇宙探査機用RI発電器
 実用あるいは試作された原子力電池の例を 表2 に示す。1961年に打ち上げられた航行衛星に搭載されたSNAP-3Bは、238Puを燃料とし、2.1kgの重量で2.7Wの電力を1年以上供給し続けたのが、これが宇宙における利用の最初である。現在では、238Pu(半減期:87.7年)は1W/30Ci(1,110GBq)の熱出力が得られるが、数W-数百Wの電気出力をもつ原子力電池として宇宙探査用の人工衛星に搭載されている。1978年に地球を周回する人工衛星が大気圏に突入して燃え尽きる際に238Puが広い地域を汚染する事故があったが、その後改良が加えられて、現在では厳格な安全基準のもとに衛星に搭載する電源として重要な役割を担っている。
 RI発電器の主構造は、 図3 に示すように、丈夫な被覆をつけたラジオアイソトープ(238Pu)を含む熱源、Si-Ge熱電変換素子および熱電変換素子に温度差を与えるための放熱器から成る。構造は、中心部に強い衝撃に耐える外皮に護られた18個のモジュールが並び、10.7kgの酸化プルトニウム(238Pu)ペレットから4500Wもの電力が供給できる。太陽電池が作動しないような月の夜の部分でも、あるいは宇宙の果てにおいても原子力電池は正常に作動するので、現在では必要不可欠の電源として活躍している。
 アポロ12号に搭載された原子力電池は、月の表面に設置されて地震観測用の電源として用いられた。その他、火星ロボット探査船、木星、土星およびさらにより遠方の惑星に至る深宇宙探査機用の電源として用いられている。1996年秋に打ち上げられ、翌年の7月に火星に着陸した「パスファインダー」には、238Puの2.6gが、電源の供給ではなく、1Wの熱源として搭載された。さらに、1997年の秋に打ち上げられた土星周回衛星を探査するカッシーニ計画では、探査機「ホイヘンス」に図3に示した構造の原子力電池が3台搭載されている。
3.2 心臓ペースメーカー等の電源
 238Puをエネルギー源とする小出力の原子力電池は、かつて心臓ペースメーカーの電源として実用化されたことがある。体内に埋め込む心臓ペースメーカーの電池を定期的に交換することは、その都度手術を必要とし、また、費用も莫大になるが、原子力電池の利用により患者の負担が軽減されるので、欧米ではかなりの数の患者に用いられたことがある。その後寿命の長いリチウム電池が開発されたために、原子力電池は用いられなくなった。
 浮遊標識灯台や無人気象観測装置の電源としても原子力電池の利用が試験されたが、いずれも実用化されなかった。地上用の原子力電池に用いるアイソトープとしては90Srなどが使われた。
 わが国では、過去に熱源として90Srを輸入して試作はしたものの、本格的な開発には至っていない。
4.用語
 [原子力電池(原子電池、アイソトープ電池、アイソトープ発電器、RI発電器、放射線電池)]
 半減期の長いアイソトープの崩壊エネルギーを直接電気に変換するか、あるいは発熱から電気に変換する電池。とくに熱から電気に変換する装置をRPG(Radioisotopic Powered Generator:アイソトープ発電器)とよび、そのなかで熱電素子を用いるものをRTG(Radioisotope Thermoelectric Generator)と呼んでいる。

<図/表>
表1 熱源として使用できるアイソトープの特性
表2 実用あるいは試作された原子電池の例
図1 熱電式原子電池の原理
図2 熱電式原子電池の構造(90Srを用いた地上式のもの)
図3 汎用型熱源であるラジオアイソトープ発電器の構造図および探査機への適用例 」

⇒放射能は少量でも発熱が大きいことを利用しているようですが、よくよく考えてみれば、原子力発電などで核分裂した放射性物質で発生する放射線による熱エネルギーによって、地球温暖化の一因として影響している可能性があると推察されます。

 また、単に、海水温の上昇という悪影響のみならず、放射性物質による「放射化」作用による弊害も提案されていますが、崩壊放射線中性子線アルファ線ベータ線ガンマ線)が より長波長の電磁波であるX線、紫外線(UVC、UVB、UVA)、光(可視光)を経て最終的に赤外線(熱線)へ順次遷移する可能性による副作用
個人的には懸念しています。

また、表1(http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/08/08040208/01.gif)に記載された放射性元素(アイソトープ)の化学形状は放射能の実体のひとつと思われます。

 

 

 




環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る記載(その38:福島汚染水除去設備トリチウムを減らせず)

2013-03-06 | 環境放射能関連

'13-03-06投稿

 既報(その32-2)にて、染水を海へ放出に漁業関係者が大反発の報道は記憶に新しいが、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策の要となる多くの放射性物質を取り除く最新の装置が完成したものの、運転開始が大幅に遅れているため、多核種を含む放射能汚染水の試運転計画は順調に遂行されていないようです。

以前の記載によれば、本計画に対して汚染水を海へ放出に漁業関係者が大反発していましたが、問題は放出される水に含まれている放射能の種類および正味重量であり、原発漏洩事故前において、法定内で今までの原発が排出していた質・量と比較して、どのくらいなのか?と個人的には想われます。

  既報(その35(その36))にて、福島原発汚染水処理の計画に係る情報を記載しましたが、今度こそうまくいかなければ、昨今、頻発している地震、津波および台風などによって、地下水が溢れ出して、魚類などへの放射能汚染が拡大して大変な事態となると思っています。

 既報(その32) 2013-01-27 引例Sankei Biz

東芝 多核種除去設備「アルプス」 水が含む62種の放射性物質処理 によれば、
本文詳しく見る

この多核種を含む放射能汚染水処理装置アルプスは、米放射性廃棄物処理事業大手のエナジーソリューションが開発した設計技術を基に東芝が系統や機器類を仕上げた。価格は非公表。東芝は2月に東電から機器類を受注。3月から製造を開始し、6月から同原発内で取り付け作業を進めているという。

 

 

増え続ける汚染水=決め手なく、タンク保管-海洋放出難しく【震災2年】http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2013030400460

「東京電力福島第1原発の作業現場では今も、増え続ける放射能汚染水に悩まされている。対策は決め手を欠き、当面は保管用のタンクを増やし続けるしかないのが実情。東電は放射性物質濃度を非常に低くして海に放出することも視野に入れるが、漁業関係者の理解を得られるめどは立っていない。
 東電によると、1~4号機の地下や近くの施設には、高濃度汚染水が10万トン近くある。1~4号機の原子炉建屋とタービン建屋の地下には1日約400トンの地下水が流入。入り込んだ水は放射性物質で汚染される。東電は地下にたまった汚染水の一部をくみ上げ、吸着装置で放射性セシウムなどの濃度を下げてタンクに保管。2月末で26万トン余りが貯蔵されており、一部は原子炉などの冷却に使われる。
 現在の吸着装置では、放射性ストロンチウムなどを十分に減らすことができず、汚染水の保管は続けざるを得ない。東電は2015年半ばまでに、70万トンまで貯蔵できるようタンクを増やす方針だが、タンクを永遠に造り続けることはできない。
 東電が計画する打開策は主に二つだ
 一つは、建屋に流入する地下水を減らすこと地下水は山側から原子炉建屋が並ぶ海側へと流れる。東電は建屋の手前に井戸を12カ所掘って地下水をくみ上げ、1日の流入量を100トン程度減らすことを目指すが、効果は未知数だ。くみ上げ過ぎると水圧が低くなり、汚染水が建屋の外に流出する恐れもある。
 もう一つは、汚染水に含まれる62種類の放射性物質を大幅に減らす多核種除去装置(アルプス)の稼働。だが、除去した放射性物質を保管する容器は、落下すると衝撃で壊れることが判明。昨年9月の予定だった試運転は大幅に遅れている。
 東電は事故後の2011年4月、高濃度汚染水の保管場所を確保するため、「低レベル」の汚染水を海に放出。漁業関係者や周辺諸国の反発を招いた。今後、放出のため汚染水から各種の放射性物質を除去しても、三重水素(トリチウム)を減らすことはほとんどできず、漁協関係者らの了解を得るのは極めて難しい。(2013/03/04-15:00)」

三重水素(トリチウム)を減らすことはほとんどできず。一体どのような反応生成物なのだろうか???