'13-04-01投稿
既報(その4:低コストな安全な水の供給に対する現状と問題点)に引き続いて、個人的に低コストな淡水の供給が捗らない原因について考察してみました。
工業用、農業用、水産用、飲料、生活用の分野に低コストかつ適正なる
「水」を効率的、かつ有効に安全に供給することが
大切であると思っています。
既報でも記載しましたが、誤解、妄想?杞憂かもしれませんことを
予め断っておきます。
しかし、現状の問題点は海水の淡水化を例にとると、
地球上の水のうち97.5%は海水で占められ無尽蔵にありますが、 淡水を大量に供給するために 海水から淡水を製造することが実施されています。 淡水の製造法には. 蒸留法. 逆浸透法. などがありますが、世界の淡水需要は現状約5000億m3であるが、人口増加に伴って、約7000億m3が見込まれています。
ところが、この水不足に対して、逆浸透膜がそれを解決しようとすると、逆浸透膜で、30億人分の水を作るには、9兆kWhの電気が必要であり、世界中で使われている電気18兆kWhの50%の量とのことです。
日本は電気代が世界の中でも高いことは世界的にも知られていますが、仮に、工業用単価を安く見積もって10円/kWhとした場合でも180兆円となります。(家庭用はこの2倍強)
関連投稿:「水」とはどのようなものか?」に係る投稿 の整理('11-01-05~)
2012-03-18
現状の不足分を▲2000億m3とすると、
その単価(円/m3)は
180000000000000÷200000000000
=1800÷2=900円/m3?
となります。
一般的に、水道水の単価は地域・場所によって違いがありますが、200~500円?/m3と比べてきわめて高いようです。
関連投稿:
わが国の上水のあらましとその水源および水質、処理方法
2010-11-11
世界各地で水価格が上昇によれば、
http://www.earth-policy.org/Books/Seg/PB2ch04_ss7.htm
「世界各地で水価格が上昇し、時には急騰している。自治体が定める水道料金の過去5年にわたる平均値上げ率は、米国で27%、イギリスで32%、オーストラリアで45%、南アフリカ共和国で50%、カナダで58%である。チュニジアでは過去10年間で灌漑用水の価格が4倍になった。4カ国を対象に行った最近の調査によれば、自治体における平均的な水道料金には、1立方メートルあたり、米国の66セントからデンマークとドイツの2ドル25セントとかなり開きがある。だが、消費者が水道料金の実費を全額負担することはない。それどころか、実質的に(時には文字通りに)水を無料で提供している政府も多い。人々が支払う水の価格は、主に次の3つの要因で決まる。水を供給源から消費者まで輸送するコスト、水の総需要、価格補助金である。汚染物質の除去費用が加わる場合もある・・・」 という。
それでは安くて安定な淡水製造用の電源をどこから?
既報各種エネルギー確保の現状 および原発、再生エネの位置づけに係る情報
(2013-03-22 )の引用(アメリカの原発事情(’03/11/25)
http://simlabo.main.jp/simrepo/r038.htm)によれば、
であり、そのためにはコンパクトで安定した固定電源である原発に目が向きますが、原発は衆知のように、一度、大地震、大津波で被災すれば、環境中へ大量な放射能汚染を招くことから、「いたちごっこ」になりかねないとも思われます。
かといって、再生可能なエネルギーの単価は現状風力20円、太陽光35円ともいわれ、適用した場合、約600円/m3というとてつもない高コストになるのだろうか?
これでは、工業用、農業用、水産用、飲料、生活用の分野に低コストかつ適正なる
「水」を効率的、かつ有効に安全に普遍的に供給することは建前としては理解できても、現実的には不可能だろうか?
安全な飲料水、砂漠の緑化、灌漑用に普及しない原因のひとつと思われます?
(別途調査)
せめて、異常気象など天変地異による水不足、原発事故などによる水汚染が起こらないように対策できればよいのですが、・・・。
いずれにしても、再生エネ、低コストな水の想定外の進展とその技術を確立することは一朝一夕にはできないので、時間がかかるのでしょうか?
資源はないが、四方海に囲まれたわが国の場合はまだ恵まれた環境にあるとも思われ、既報(その12:米 エイモリー・ロビンス氏のビジョン)
「大規模集中型のエネルギーシステムやそれを支える政策から決別し、原子力などへの補助金をやめて、フェアな競争を実現しなければならない。政治家は勇気を持つべきだ。もし、日本人が省エネと再生可能エネルギーに多大な投資をし、得られたものを周辺の国と共有できれば、日本は世界に大きな貢献ができるだろう」という言葉がに印象残ります。