眠れぬ一夜

 　昨夜九時過ぎに、孫姫殿から電話を貰った。　避難指示が出ているので、こちらに御出でとの事だ。　娘に話を聞いてみると、父親がJRの運休で、出社できないと困るので、今夜は会社に泊まり込むとの連絡があったらしい。　家の中が寂しくなるので、我々を呼びつけようとの魂胆らしい。　と言うのも、母親も会社に出かけたら、寂しくなるので思い付いた一案だ。　それに加えて、我々夫婦が行くとなると、「お土産」をとなる。　先だって、誕生祝は何が良いか聞いたら、即答で「現金」と返って来た。　我々が行くとなると、臨時のお小遣いの収入に成る事を、見越してのお誘いの電話だ。　それにしても、昨夜来の雨は、並大抵の雨量ではない。　土砂災害が、我が家をいつ襲ってもおかしくない降り方である。　一晩中、聞き耳を立てて、雨音を聞いていたが、先日の台風どころでは無い雨脚である。　我が奥様は、真夏の避難と違って、急な気温の低下で、避難グッツを入れ替えておいでだ。　すでに、一時間30ｍｍ以上の雨が続いている。　県北部では、150ｍｍを超えたそうだ。　安芸太田市は、氾濫

午前八時三十分、鈴張川が氾濫危険水位を超えたそうだ。　ここ十年近く前から、この川の改修工事が進んでいないのが気になっていた。　この町内は、嘗て昔々、農協の偉いさんが仕切っておられて、農協が有れば市会議員や、県会議員など要らないと嘯いておられた有名な話がある。　不動産売買に力を入れて、団地を開発。　隆盛を極めたが、しかしながらこれが仇となって、農協が破産。　未だにその付けが、色々なところで行き詰りを起こしている。　緊急メールが、北広島町に、避難指示が出されたことを知らせてきた。　今、広島県全域に、特別警報が出された。　既に、災害が発生している様だ。　さて我々はいかが致すべきか、思案のしどころである。　今将に、鈴張川が、氾濫した知らせが入って来た。　橋が流失、車が一台流されたとの情報有り。