TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

追い出しワンデリング

2015年02月08日 | SUWV

1980年2月 追い出しワンデリング(作礼山)

 ワンゲル時代の話です。
 2月は追い出し「ワンデリング」といって、その年度の卒業生(必ずしも4年生ではない)との送別登山を行っていました。新歓は1年生が荷物を担ぐのに対して、追い出しでは卒業生がキスを背負うというのが慣わしでした。一升瓶は割れないようにシュラフでていねいに巻いて担ぎ上げたものでした。
 そんな追い出しの様子を副島が「木霊」に綴っていたので紹介します。


 「追い出しワンデリング 1980年2月」  副島
 登る山は作礼山である。卒業生のよき思い出にしてほしいと心からそう思っていた。-途中略-
 山の上で火を囲み、酒を飲み、歌い狂おうと言うことで、キスの上に薪をのせて出発した。卒業生はあきれ顔で見ていた。トレーニング不足の卒業生のせいで少し遅れて作礼山についた。まだ雪が10㎝くらい残り、池にも氷がはっていた。
 各バンガローでは晩飯の用意をしながら、卒業生を囲み、実にいい雰囲気をかもし出していた。が、そこに4、5人の酔っ払いが歌いながらバンガローに入ってきた。
 「♪雪の進軍 氷を蹴って~♪」
 “ドンドン  ドンドン”(戸をたたく音)
 戸を開けると「ウォオ~」となだれ込んできた。その酔っぱらい達は、後発部隊の大塚軍曹と前田・豊福等(彼らはいずれも土木工学科の連中で実習か何かの関係で遅れて出発)であった。彼らは私たちがもう酒を飲んでいるのだろうと思い、その雰囲気を壊してはいけないと考え、作礼山の駐車場まで来て、そこで一升瓶を1本あけてきたということであった。私たちも負けてはいられない、さっそく酒を飲み始め場はさらに盛り上がった。
 晩メシを食べおえ、歌いながら広場に行き、ファイヤーに火をつけた。雪の上で燃える火は美しかった。そんな私たちの歌声に次々とバンガローから仲間が出てきて、ファイヤーの周りを取り囲んだ。声を張り上げて歌い狂い、のどを酒でうるおし、肩を組み、追い出される者も、追い出す者も一体となっていた。
卒業生は一人ひとり得意の演し物を出した。松本さんの軍歌、坂本さんは松山千春、…etc。ファイヤーのまわりは溶けた雪でベチャベチャになり、ガソリンを手の上で燃やすアホな奴もいた。
 部長の私は、いくら酒を飲んでも、このファイヤーが終わるまでは気をしっかり持っておこうと誓っていた。このファイヤーが終われば後は誰かがやってくれる。そんな風に思っていた。私はウィスキーをラッパ飲みし、声をからし、歌い、走り回った。そしてファイヤーは終わった。私の記憶もそこまでであった。
-途中略-
 翌日、予定ではレクリエーションをすることになっていたが、みんな目が覚めるのが遅く、何もできずに山を下りなければならなかった。(以下省略)


 この年の写真は、何故か冒頭の1枚しかありませんでした。副島の文から分かるように、この年は写真どころではなかったのだろうと思われます。部長としてファイヤーを盛り上げることに全力を尽くした副島は二日酔いでダウン気味でした。阿比留さんが飛び跳ねているのはその姿が写らないようにとの思いやりだったのでしょうか…。


 以下の写真は次の年(1981年)の作礼山での追い出しの写真です

 池の氷の上で集合写真

 氷の上に半円状に部員が寝そべっています








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