旧暦「ミナツキ朔(六月一日)」は、夏至の周りの新月に当たります。
※今年は閏サツキの挿入される、十三回月の巡りがある年なので、
例年より遅い時期になっています。
志摩町和具の八雲神社の天下の奇祭『潮かけ祭り』の前夜祭に行われる、
富士講の『おしょうじ・煙かぶり』はホツマ的に大変興味深いご神事です。
夜、七時半より行われるこのご神事に行ってきました。
和具漁港東広場に鳥居と祭壇が設置されています。
八雲神社の神主さんの御祭りの後、
ハッピ姿の若衆が真っ暗な浜辺に移動し、海に潜り、那智黒の石を拾います。
この時の掛け声が、
「ア~ト~ト~ア~ト~ト~」です。
真っ暗な浜辺の夜空には、うっすらと天の川が海にかかっています。
八雲神社の真南に位置する大島。
※大島には海の女神・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の祠があり、
年に一度の里帰りを祝い、海女や漁師がアワビ等のその日の獲物をお供えし、
海の安全と大漁を祈願する神事の後、船どうし人どうし海水をかけ合ったり、
海に投げ入れたりする天下ご免の祭、780年余の伝統を誇る奇祭「潮かけ祭り」です!
ヲシテ文献に記される季節の守り「ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ」の
ヤカミ(八カミ・八皇子)は、方位方角の守りでもあります。
夏は「ト」の守りの季節ですが、その季節の真夜中の天の川のかかる方位方角、
夏は南天に降り注ぐことから、「ト」は南の守りでもあります。
夏の新月、電気のない時代、
南の大島に天の川がかかるがはっきりと見えていたと思われます。
天を表すヲシテ文字はアメ・アマの「ア」です。
「アートートー・アートート」の掛け声は、
まさに「南天の天の川」を祭っているのかもしれません。
地元の方々は、この石をいただいて持ち帰り、一年間お守りとします。
漁港広場では、藁を燃やして火をおこし、海に潜った若衆が、
集まった人々の頭をひとりひとりお数珠でなでながら、無病息災を祈ります。
私も石をいただき、頭をなでてもらいました♡ありがたや
また、ヤマトコトハでは南の別称を「サ」といいます。
浅間講(富士講)のアサマとは天の南からの生じ為さしめとも読み取れます。
初代アマカミ・クニトコタチのヤミコ(八皇子・トホカミヱヒタメ)のうち、
「ト」のミコトは、富士山南麓(富士宮浅間大社付近)に繁栄したと
ヲシテ文献は伝えています。
富士山は南の象徴、そして一番天に近いところです。
海に潜り那智黒石を拾う若衆は、
事前に富士山頂へお参りするという風習も大変興味深いです。
八雲神社のご祭神についてはまたいずれ、、
参考文献・参考資料
◎志摩市ホームページ。