今回は、大作です。
と言うのも、来週はお盆休みを13・14日と頂いているため、
来週月曜日のブログ更新も休ませて頂きます。
そのため、2週間分の量にあたる文章を一気に載せました。
大変長いですので、2週間かけて、ゆっくりと吟味して読んで頂ければ幸いです。
少し内容も難しいかもしれませんので・・・。
関節の動きの事を「関節可動域」と呼びます。
医療の世界では「ROM」と言われます。
松本深圧院に通って頂いている、ほとんどの方に、この関節可動域の制限があります。
例えば、股関節が曲がらないくて、靴下が履きにくい。
股関節が広がらない。
などが、関節可動域制限です。
この関節可動域制限の原因の1つに加齢があげられます。
これは、誰にでも起こる事で、防ぎようのない面もあります。
問題は、それ以外の原因にあります。
その中でも大きい原因が「痛み」です。
痛みは活動性の低下をもたらします。
つまり、関節可動域制限を引き起こす直接的な要因は「活動性の低下」と言う事ができ、
その期間が長くなるほど関節可動域制限が著しくなります。
次のような実験が行われました。
ネズミの足首をギプス固定すると、1週間で関節可動域制限が発生し、
しかもギプス固定の期間を延長すると、それに準拠して関節可動域制限も進行することが明らかになりました。
他の関節可動域制限の原因として挙げられるものに「筋の収縮」と「拘縮」があります。
「拘縮」とは皮膚・筋肉・関節包(関節を囲む袋)・靭帯などの関節の周囲にある軟部組織が変化し、
その柔軟性・伸張性が低下したことで生じた関節可動域制限です。
拘縮の場合、関節可動域を改善させるのに難しいのは、上記の軟部組織の中で、どれが原因なのかを探らないといけないところです。
再び、ある実験の話をします。
ネズミの足首を1週間ギプス固定した後、
ふくらはぎの皮膚と筋肉を切除し各固定期間の関節可動域制限に対する皮膚と筋肉の関与率を求めました。
その結果、皮膚は全ての固定期間とも約10%の関与でした。
筋は、1週後で80.5%関与していました。
従って固定による拘縮は、筋肉の変化が占める割合が高い事が分かります。
施術中、拘縮の原因となっている筋肉を触ってみると「硬い」「伸びない」と感じ取ることが出来ます。
これは筋の長さの「短縮」と「伸張性低下」が起きているためです。
上記、実験においても、固定1週間後のネズミのふくらはぎの筋に「短縮」が認められました。
また、同様にネズミの足首を固定し、1~12週間固定し、ふくらはぎの筋の「伸張性低下」の推移を調査した結果、
固定期間が長期化するほど「伸張性低下」が顕著となる事が分かりました。
このように「拘縮」が発生した筋には、筋の長さの「短縮」と「伸張性低下」が影響を及ぼしている事が示されています。
筋の伸張力は、その大部分が「筋の線維」と「筋を包む膜」によって発揮されます。
しかし、最近の研究の結果から活動性低下に伴う筋の伸張性低下に対する「筋の線維」の関与は少ないと言われています。
これに対し「筋を包む膜」を構成しているタンパク質であるコラーゲンが活動性低下によって
「量」も「質」も変化する事が明らかになってきました。
このような変化が筋の伸張性低下、すなわち筋の「拘縮」の発生・進行の原因に大きく関与していることが伺えます。
再び足首を固定したネズミの、ふくらはぎの筋を使った実験の登場です。
コラーゲンの含まれる量は、その伸張性を決める要因の1つで、病気でコラーゲンの量が増加すると伸張性低下が起こります。
実際に1,2週間、足首を固定したふくらはぎの筋にはコラーゲンの量が増加していました。
この変化は「拘縮」の原因の1つと考えられます。
「筋を包む膜」のコラーゲンは網目状の形をしており、その伸張性は1つ1つのコラーゲンが十分に動くことで成り立ちます。
つまり「筋を包む膜」のコラーゲンは筋の「弛緩」「収縮」によって並び方に変化が生じると言う事です。
1,2週間足首を固定したネズミの、ふくらはぎの筋にも「筋を包む膜」のコラーゲンの並び方に変化が認められました。
従って、筋は活動性低下により「筋を包む膜」のコラーゲンの動きが減少し「伸張性低下」が起きると考えられ、
これは「拘縮」の進行の原因に関与していると思われます。
急性痛でも、慢性痛であっても痛みが発生している時には神経は興奮状態にあります。
この影響で運動神経が刺激され、安静にしている状態でも、筋は硬さを強めていきます。
そしてこの状態が持続してしまうと関節の周囲にある軟部組織(皮膚・筋肉・関節包・靭帯)は不活動状態にさらされることになり、
このことが直接的に影響し関節可動域制限が発生してきます。
また、筋の硬さは一時的な筋の収縮ではなく、持続的な収縮であるため、この筋の硬さは軟部組織の「貧血」を招き、
これが続くと新たな痛みを作ることに繋がり、いわゆる痛みの悪循環が形成されることになります。
次に、最近の人や動物を対象とした実験研究では、
ギプスなどで関節の一部を固定した状態にするだけで痛みが発生する事実が報告されています。
痛みが発生し始めるのは固定を開始して2週目からで、
それ以降は固定の期間に準拠して痛みが顕著になることも明らかになっています。
以上のように、痛みの発生による筋の硬さの悪化が関節の活動性低下を招き、
活動性低下そのものが痛みの増加あるいは新たな痛みを発生させ、
関節可動域制限も発生・進行するといった悪循環を形成していると考えられます。
では我々は、どう対処して言ったら良いのか。
まず、関節可動域制限の悪循環を断ち切る必要があります。
そして、いかにして活動性が低下している状態から脱却させるかが、関節可動域制限に対して重要なポイントになってきます。
活動性が低下する原因は「痛みの発生」です。
痛みを生み出す原因である筋の硬さを取り除くことが、
「痛みの緩和」
「関節可動域の改善」
「活動性の向上」
に繋がっていきます。
『深圧』で皆様の活動性を向上を目標に施術させて頂きます
実家にも、スッカリ慣れて、くつろいでいる夢です。
それでは、来週月曜日のブログはお休みさせて頂いて、次回は27日の月曜日に更新予定です。
宜しくお願いします。
股関節の不安を一緒に取り除きましょう
と言うのも、来週はお盆休みを13・14日と頂いているため、
来週月曜日のブログ更新も休ませて頂きます。
そのため、2週間分の量にあたる文章を一気に載せました。
大変長いですので、2週間かけて、ゆっくりと吟味して読んで頂ければ幸いです。
少し内容も難しいかもしれませんので・・・。
関節の動きの事を「関節可動域」と呼びます。
医療の世界では「ROM」と言われます。
松本深圧院に通って頂いている、ほとんどの方に、この関節可動域の制限があります。
例えば、股関節が曲がらないくて、靴下が履きにくい。
股関節が広がらない。
などが、関節可動域制限です。
この関節可動域制限の原因の1つに加齢があげられます。
これは、誰にでも起こる事で、防ぎようのない面もあります。
問題は、それ以外の原因にあります。
その中でも大きい原因が「痛み」です。
痛みは活動性の低下をもたらします。
つまり、関節可動域制限を引き起こす直接的な要因は「活動性の低下」と言う事ができ、
その期間が長くなるほど関節可動域制限が著しくなります。
次のような実験が行われました。
ネズミの足首をギプス固定すると、1週間で関節可動域制限が発生し、
しかもギプス固定の期間を延長すると、それに準拠して関節可動域制限も進行することが明らかになりました。
他の関節可動域制限の原因として挙げられるものに「筋の収縮」と「拘縮」があります。
「拘縮」とは皮膚・筋肉・関節包(関節を囲む袋)・靭帯などの関節の周囲にある軟部組織が変化し、
その柔軟性・伸張性が低下したことで生じた関節可動域制限です。
拘縮の場合、関節可動域を改善させるのに難しいのは、上記の軟部組織の中で、どれが原因なのかを探らないといけないところです。
再び、ある実験の話をします。
ネズミの足首を1週間ギプス固定した後、
ふくらはぎの皮膚と筋肉を切除し各固定期間の関節可動域制限に対する皮膚と筋肉の関与率を求めました。
その結果、皮膚は全ての固定期間とも約10%の関与でした。
筋は、1週後で80.5%関与していました。
従って固定による拘縮は、筋肉の変化が占める割合が高い事が分かります。
施術中、拘縮の原因となっている筋肉を触ってみると「硬い」「伸びない」と感じ取ることが出来ます。
これは筋の長さの「短縮」と「伸張性低下」が起きているためです。
上記、実験においても、固定1週間後のネズミのふくらはぎの筋に「短縮」が認められました。
また、同様にネズミの足首を固定し、1~12週間固定し、ふくらはぎの筋の「伸張性低下」の推移を調査した結果、
固定期間が長期化するほど「伸張性低下」が顕著となる事が分かりました。
このように「拘縮」が発生した筋には、筋の長さの「短縮」と「伸張性低下」が影響を及ぼしている事が示されています。
筋の伸張力は、その大部分が「筋の線維」と「筋を包む膜」によって発揮されます。
しかし、最近の研究の結果から活動性低下に伴う筋の伸張性低下に対する「筋の線維」の関与は少ないと言われています。
これに対し「筋を包む膜」を構成しているタンパク質であるコラーゲンが活動性低下によって
「量」も「質」も変化する事が明らかになってきました。
このような変化が筋の伸張性低下、すなわち筋の「拘縮」の発生・進行の原因に大きく関与していることが伺えます。
再び足首を固定したネズミの、ふくらはぎの筋を使った実験の登場です。
コラーゲンの含まれる量は、その伸張性を決める要因の1つで、病気でコラーゲンの量が増加すると伸張性低下が起こります。
実際に1,2週間、足首を固定したふくらはぎの筋にはコラーゲンの量が増加していました。
この変化は「拘縮」の原因の1つと考えられます。
「筋を包む膜」のコラーゲンは網目状の形をしており、その伸張性は1つ1つのコラーゲンが十分に動くことで成り立ちます。
つまり「筋を包む膜」のコラーゲンは筋の「弛緩」「収縮」によって並び方に変化が生じると言う事です。
1,2週間足首を固定したネズミの、ふくらはぎの筋にも「筋を包む膜」のコラーゲンの並び方に変化が認められました。
従って、筋は活動性低下により「筋を包む膜」のコラーゲンの動きが減少し「伸張性低下」が起きると考えられ、
これは「拘縮」の進行の原因に関与していると思われます。
急性痛でも、慢性痛であっても痛みが発生している時には神経は興奮状態にあります。
この影響で運動神経が刺激され、安静にしている状態でも、筋は硬さを強めていきます。
そしてこの状態が持続してしまうと関節の周囲にある軟部組織(皮膚・筋肉・関節包・靭帯)は不活動状態にさらされることになり、
このことが直接的に影響し関節可動域制限が発生してきます。
また、筋の硬さは一時的な筋の収縮ではなく、持続的な収縮であるため、この筋の硬さは軟部組織の「貧血」を招き、
これが続くと新たな痛みを作ることに繋がり、いわゆる痛みの悪循環が形成されることになります。
次に、最近の人や動物を対象とした実験研究では、
ギプスなどで関節の一部を固定した状態にするだけで痛みが発生する事実が報告されています。
痛みが発生し始めるのは固定を開始して2週目からで、
それ以降は固定の期間に準拠して痛みが顕著になることも明らかになっています。
以上のように、痛みの発生による筋の硬さの悪化が関節の活動性低下を招き、
活動性低下そのものが痛みの増加あるいは新たな痛みを発生させ、
関節可動域制限も発生・進行するといった悪循環を形成していると考えられます。
では我々は、どう対処して言ったら良いのか。
まず、関節可動域制限の悪循環を断ち切る必要があります。
そして、いかにして活動性が低下している状態から脱却させるかが、関節可動域制限に対して重要なポイントになってきます。
活動性が低下する原因は「痛みの発生」です。
痛みを生み出す原因である筋の硬さを取り除くことが、
「痛みの緩和」
「関節可動域の改善」
「活動性の向上」
に繋がっていきます。
『深圧』で皆様の活動性を向上を目標に施術させて頂きます
実家にも、スッカリ慣れて、くつろいでいる夢です。
それでは、来週月曜日のブログはお休みさせて頂いて、次回は27日の月曜日に更新予定です。
宜しくお願いします。
股関節の不安を一緒に取り除きましょう