変形性股関節症と病院で診断された場合、
「前期」「初期」「進行期」「末期」
と、どの程度の変形具合なのかをお医者さんに言われることがあります。
時期に特徴はありますが、大きく分けると「前期と初期」「進行期と末期」に分けられます。
今回は「前期と初期」の特徴を挙げてみます。
この時期は、股関節の被覆率と言うものが、問題となってきます。
被覆率とは、
簡単に言うと大腿骨頭(太ももの骨の先端で股関節を成す丸い部分)を寛骨臼(骨盤の股関節を成す窪みの部分)がどの位、
覆っているか、を示すものです。
先天性臼蓋形成不全がある方は、お医者さんに「屋根のかぶりが浅いですね」と言われます。
これは被覆率が小さいと言い換える事が出来ます。
「前期と初期」は、この被覆率をいかにして大きくしようかと、身体は無意識の中で頑張ります。
それは、屋根が深く被った方が股関節が安定するからです。
話は変わって、股関節には頸体角(けいたいかく)という構造があります。
大腿骨(太ももの骨)は大きく分けて「頭」と「頸(くび)」と「体」の3つに分けられます。
この頸と身体の成す角度の事を「頸体角」と言います。
大腿骨の中央に引いてある実線と点線の成す角を「頸体角」と言う。
先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は「頸体角」が大きい方が多いです。
一般的な「頸体角」。
変形性股関節症の方の「頸体角」。
角度の違いが分かりますか?
骨盤側の寛骨臼にも、大腿骨側の大腿骨頭にも、それぞれ「寛骨臼中心」と「大腿骨頭中心」という位置があります。
字のごとく、それぞれの関節を構成する面の中心を示す位置です。
体重を片足にかける時、人間の身体は、このお互いの中心の位置をあわせようとします。
健常な股関節であれば、この位置は股関節で向かい合っている(適合している)のですが、
先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は、
「頸体角」の影響で、中心が向かい合わず、ずれた位置にあります(不適合)。
このズレを、体重をかけた際に合わせようとします。
どのように合わせるかと言うと、上半身を横に傾けたり、骨盤を上下に動かしたりして合わせます。
体重後かけた時に矢印の方向へ骨盤(上半身)を傾けます。
この結果、歩行の際に、肩や骨盤が揺れるような歩き方になってしまいます。
ここで再び話を変えます。
股関節には頸体角とは別に「前捻角」という構造もあります。
これは想像される通り、股関節が前に捻じれている角度です。
実線と点線が成す角度が「前捻角」。
「前捻角」も頸体角と同様に「寛骨臼中心」と「大腿骨頭中心」に影響します。
頸体角と同様に、先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は、
「前捻角」も影響し、中心が向かい合わず、ずれた位置にあります。
このズレも、体重をかけた際に合わせようとします。
この場合は、どのように中心をあわせていくのか?
それは、股関節を内旋(内側に捩じる動き)してあわせます。
この結果、膝のお皿と、つま先は内側を向くような立った姿勢や、歩行になってしまします。
X脚の姿勢が、まさにコレです。
「前期~初期」のかたは、このような被覆率をいかに増やそうかという理由で、肩や骨盤が揺れたり、股関節が捻じれてきてしまいます。
この状態を修正する為に、歩行の指導もさせて頂いています。
しかし、その方にとって良い歩き方を獲得するためには硬くなった筋肉、あるいは痛みを出している筋肉が邪魔をします。
まずは深圧で筋肉の状態をコンディショニングして、その後の歩行の改善へと進めていきます
今日のワンコは、私が担当させて頂いているA.Y様の愛犬、トイプードルの「ミミちゃん」メス、6歳です。
どの写真も、目がくりくりで、かわいい
このブログでワンコ、ニャンコを掲載希望される方が、いらっしゃいましたら、いつでも写真を銀座まで持ってきてくださいね
股関節の不安を一緒に取り除きましょう
「前期」「初期」「進行期」「末期」
と、どの程度の変形具合なのかをお医者さんに言われることがあります。
時期に特徴はありますが、大きく分けると「前期と初期」「進行期と末期」に分けられます。
今回は「前期と初期」の特徴を挙げてみます。
この時期は、股関節の被覆率と言うものが、問題となってきます。
被覆率とは、
簡単に言うと大腿骨頭(太ももの骨の先端で股関節を成す丸い部分)を寛骨臼(骨盤の股関節を成す窪みの部分)がどの位、
覆っているか、を示すものです。
先天性臼蓋形成不全がある方は、お医者さんに「屋根のかぶりが浅いですね」と言われます。
これは被覆率が小さいと言い換える事が出来ます。
「前期と初期」は、この被覆率をいかにして大きくしようかと、身体は無意識の中で頑張ります。
それは、屋根が深く被った方が股関節が安定するからです。
話は変わって、股関節には頸体角(けいたいかく)という構造があります。
大腿骨(太ももの骨)は大きく分けて「頭」と「頸(くび)」と「体」の3つに分けられます。
この頸と身体の成す角度の事を「頸体角」と言います。
大腿骨の中央に引いてある実線と点線の成す角を「頸体角」と言う。
先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は「頸体角」が大きい方が多いです。
一般的な「頸体角」。
変形性股関節症の方の「頸体角」。
角度の違いが分かりますか?
骨盤側の寛骨臼にも、大腿骨側の大腿骨頭にも、それぞれ「寛骨臼中心」と「大腿骨頭中心」という位置があります。
字のごとく、それぞれの関節を構成する面の中心を示す位置です。
体重を片足にかける時、人間の身体は、このお互いの中心の位置をあわせようとします。
健常な股関節であれば、この位置は股関節で向かい合っている(適合している)のですが、
先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は、
「頸体角」の影響で、中心が向かい合わず、ずれた位置にあります(不適合)。
このズレを、体重をかけた際に合わせようとします。
どのように合わせるかと言うと、上半身を横に傾けたり、骨盤を上下に動かしたりして合わせます。
体重後かけた時に矢印の方向へ骨盤(上半身)を傾けます。
この結果、歩行の際に、肩や骨盤が揺れるような歩き方になってしまいます。
ここで再び話を変えます。
股関節には頸体角とは別に「前捻角」という構造もあります。
これは想像される通り、股関節が前に捻じれている角度です。
実線と点線が成す角度が「前捻角」。
「前捻角」も頸体角と同様に「寛骨臼中心」と「大腿骨頭中心」に影響します。
頸体角と同様に、先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は、
「前捻角」も影響し、中心が向かい合わず、ずれた位置にあります。
このズレも、体重をかけた際に合わせようとします。
この場合は、どのように中心をあわせていくのか?
それは、股関節を内旋(内側に捩じる動き)してあわせます。
この結果、膝のお皿と、つま先は内側を向くような立った姿勢や、歩行になってしまします。
X脚の姿勢が、まさにコレです。
「前期~初期」のかたは、このような被覆率をいかに増やそうかという理由で、肩や骨盤が揺れたり、股関節が捻じれてきてしまいます。
この状態を修正する為に、歩行の指導もさせて頂いています。
しかし、その方にとって良い歩き方を獲得するためには硬くなった筋肉、あるいは痛みを出している筋肉が邪魔をします。
まずは深圧で筋肉の状態をコンディショニングして、その後の歩行の改善へと進めていきます
今日のワンコは、私が担当させて頂いているA.Y様の愛犬、トイプードルの「ミミちゃん」メス、6歳です。
どの写真も、目がくりくりで、かわいい
このブログでワンコ、ニャンコを掲載希望される方が、いらっしゃいましたら、いつでも写真を銀座まで持ってきてくださいね
股関節の不安を一緒に取り除きましょう
ご質問に対して私の考えを書かせて頂きます。
①姿勢変化はいつ起きるのかは、先天性か否かで変わってきます。
先天性であれば成人になるにつれて変化していると考えます。
先天性ではなければ、特定は難しく、長い時間をかけて変化する方もいらっしゃれば、急に大きな変化を示す方もいらっしゃると思います。
②股関節が安定している事を自分で感じ取れるかどうかは、痛みが出ていない場合は、日常で股関節が安定しているかどうか考える事は、実際にはないと思われます。
もし一度、強い痛みを経験し、その後、症状が回復し痛みが取れた場合は、痛みがあった頃と、現在の自分自身の身体を比較し、股関節が安定したなと感じる事はあると思います。
股関節症の方は意図的に姿勢や歩容を変化させているわけではありません。
これは無意識下で行われている事だと考えます。
③股関節を安定させるために被覆率をあげて安定させているのに、何故、修正しようとしているのかは、被覆率が上がるように姿勢を変化させえいった結果が骨にとっては安定と言えても、身体でいうと安定とは言えないからです。
それは骨盤の傾きが変化し、股関節の角度が変わり、脊柱の姿勢変化が起こることによって、筋肉・靭帯・神経・血管などの軟部組織も伸ばされたり、縮まったりと、変化します。
その結果、元々、人として備わっている効率の良い動きが行いにくくなってしまいます。
それは、痛みも発症しやすい環境と言えます。
これらの理由から、骨にとってではなく、軟部組織を含めた身体全体を見た時に良い状態と言える姿勢や歩容を作って行く事が大事だと考えています。
④被覆率を上げて安定させようとしているのに、股関節症が進行するのは、③で記載したようなことが身体で起こった結果、股関節周囲の筋肉が正しい張力を保てなくなり、下肢にかかる衝撃を吸収出来なくなってしまったり、股関節の摩擦係数を高めてしまうからだと思います。
そのため、被覆率を上げている事が、股関節症の進行の一因に鳴っている方もいらっしゃると思います。
⑤臼蓋形成不全では、分かりませんが、変形性股関節症というくくりで骨盤前傾位ではない方の話をすると、そのような方は、腰部や脊柱にも合併して問題がある方が多いように感じています。
その脊柱の問題も絡んで、被覆率を上げるような変化が出ないのだと考えます。
以上、ご質問の答えになっていますでしょうか?
ただ、被覆率を高めた姿勢や歩容の方でも、痛みがない方も多くいらっしゃいます。
その状態は、その方にとって安定した状態と言えます。
その場合は、無理に姿勢や歩容を変えるような事はしません。
全ては、評価したうえでの話になります。
先日は失礼しました。
また、私の質問にご回答いただきありがとうございました。
再度、同様な質問になってしまいますが、理解を深めるため、お許しください。
ブログの内容の中で確認したいのは、臼蓋形成不全や頚体角、前捻角などの形態上の問題により、被覆率が低下していることで、関節として不安定であり、その不安定さを修正するために股関節症の方は意図的に姿勢や歩容を変えるという意味で良いですよね?
そのことについて質問です。
①その姿勢変化は年齢的にいつの時点で現れるのでしょうか?
幼少期から成人になるに連れ変化はあるのでしょうか?
②股関節自体が安定しているか否かは自分で感じれるのでしょうか?
その姿勢変化は本当に意図的なのでしょうか?
③被覆率をせっかく上げて安定した姿勢や歩容になっているのに、なぜそれを修正するのでしょうか?
④股関節症の方は被覆率を上げて安定した股関節となるよう姿勢を変化しているにも関わらず、股関節症が進行するのはなぜでしょう?
逆に被覆率を上げていることが股関節症の進行の原因になっているということが言えるのでしょうか?
⑤臼蓋形成不全があっても、骨盤前傾位ではない方も多くおられます。このような方々は、なぜ被覆率を上げ股関節を安定させようとしなかったのでしょうか?
以上、ややこしい質問ばかりで申し訳ないです。
股関節の保存療法を専門にしておられる先生の考えが知りたくて、是非ご教授いただければと思います。
宜しくお願い致します。