笑顔あふれる生活へ!~股関節と共に~

田山陽平が、股関節とリハビリについて、皆様のためになる事を、選りすぐって書いています。
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変形性股関節症の前期~初期の特徴。

2013-06-24 11:26:31 | 日記
変形性股関節症と病院で診断された場合、

「前期」「初期」「進行期」「末期」

と、どの程度の変形具合なのかをお医者さんに言われることがあります。




時期に特徴はありますが、大きく分けると「前期と初期」「進行期と末期」に分けられます。


今回は「前期と初期」の特徴を挙げてみます。



この時期は、股関節の被覆率と言うものが、問題となってきます。


被覆率とは、

簡単に言うと大腿骨頭(太ももの骨の先端で股関節を成す丸い部分)を寛骨臼(骨盤の股関節を成す窪みの部分)がどの位、

覆っているか、を示すものです。

先天性臼蓋形成不全がある方は、お医者さんに「屋根のかぶりが浅いですね」と言われます。

これは被覆率が小さいと言い換える事が出来ます。

「前期と初期」は、この被覆率をいかにして大きくしようかと、身体は無意識の中で頑張ります。

それは、屋根が深く被った方が股関節が安定するからです。




話は変わって、股関節には頸体角(けいたいかく)という構造があります。

大腿骨(太ももの骨)は大きく分けて「頭」と「頸(くび)」と「体」の3つに分けられます。

この頸と身体の成す角度の事を「頸体角」と言います。

大腿骨の中央に引いてある実線と点線の成す角を「頸体角」と言う。


先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は「頸体角」が大きい方が多いです。

一般的な「頸体角」。


変形性股関節症の方の「頸体角」。


角度の違いが分かりますか?


骨盤側の寛骨臼にも、大腿骨側の大腿骨頭にも、それぞれ「寛骨臼中心」「大腿骨頭中心」という位置があります。



字のごとく、それぞれの関節を構成する面の中心を示す位置です。

体重を片足にかける時、人間の身体は、このお互いの中心の位置をあわせようとします。

健常な股関節であれば、この位置は股関節で向かい合っている(適合している)のですが、

先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は、

「頸体角」の影響で、中心が向かい合わず、ずれた位置にあります(不適合)。



このズレを、体重をかけた際に合わせようとします。

どのように合わせるかと言うと、上半身を横に傾けたり、骨盤を上下に動かしたりして合わせます。

体重後かけた時に矢印の方向へ骨盤(上半身)を傾けます。


この結果、歩行の際に、肩や骨盤が揺れるような歩き方になってしまいます。



ここで再び話を変えます。

股関節には頸体角とは別に「前捻角」という構造もあります。

これは想像される通り、股関節が前に捻じれている角度です。

実線と点線が成す角度が「前捻角」。


「前捻角」頸体角と同様に「寛骨臼中心」「大腿骨頭中心」に影響します。



頸体角と同様に、先天性の股関節疾患があったり、変形性股関節症前期~初期の方は、

「前捻角」も影響し、中心が向かい合わず、ずれた位置にあります。



このズレも、体重をかけた際に合わせようとします。

この場合は、どのように中心をあわせていくのか?

それは、股関節を内旋(内側に捩じる動き)してあわせます。



この結果、膝のお皿と、つま先は内側を向くような立った姿勢や、歩行になってしまします。

X脚の姿勢が、まさにコレです。




「前期~初期」のかたは、このような被覆率をいかに増やそうかという理由で、肩や骨盤が揺れたり、股関節が捻じれてきてしまいます。

この状態を修正する為に、歩行の指導もさせて頂いています。

しかし、その方にとって良い歩き方を獲得するためには硬くなった筋肉、あるいは痛みを出している筋肉が邪魔をします。

まずは深圧で筋肉の状態をコンディショニングして、その後の歩行の改善へと進めていきます




今日のワンコは、私が担当させて頂いているA.Y様の愛犬、トイプードルの「ミミちゃん」メス、6歳です。



どの写真も、目がくりくりで、かわいい


このブログでワンコ、ニャンコを掲載希望される方が、いらっしゃいましたら、いつでも写真を銀座まで持ってきてくださいね







股関節の不安を一緒に取り除きましょう