笑顔あふれる生活へ!~股関節と共に~

田山陽平が、股関節とリハビリについて、皆様のためになる事を、選りすぐって書いています。
頑張ろう!日本!!

人工関節を入れると、体重が変わる??

2011-04-21 15:47:39 | 日記
只今、松本先生が大阪出張中で、505で一人で施術しています。

今までは、常に松本先生が横にいた状況で、安心感がありましたが、またいつもとは違う雰囲気を感じています。

東京ディズニーランドが通常営業になり、パレードも始まったようで、少しずつ日本が元気になっている感じを受けます。

余震も少なくなってきた気がします。

しかし、震災地で大変な思いをしながら復興に向けて頑張っている人の事を忘れずに生活していかないといけませんね。



前回の人工関節全置換術の記事に続けて、もう少し書いてみようと思います。


人工股関節全置換術は除痛に関しては術後早期から期待できる手術です。

従って、初回の人工関節であれば長くても1ヶ月、早ければ1週間で退院する事が可能となってきています。

入院期間は病院によって変わってきます。

更に、最近はMIS(極小侵襲手術手技)と言う手術方法の導入により、患者さん自身の負担も軽減されてきました。

従来の手術では手術で12~20cm位メスで皮膚を切っていましたが、MISでは、その半分の6~8cmで済みます。

女性にとっては嬉しい進歩ですね。

MISの良い点は、従来法に比べて手術後の股関節の動きが大きくなり易いというメリットもあります。


また、従来の手術でも、MISでも、前方侵入後方侵入があります。

後方侵入では、手術中に筋肉を傷つける量が少ないため、手術後は痛みが少なく済みます。

前方侵入は、後方侵入に比べて、筋肉に対してもメスを入れる量が増えるため、手術後に痛みが出やすくなります。

この痛みの出方は、後方侵入に比べて前方侵入の方が、皮膚から骨までの距離が短く、炎症が表面に近い部分で起きると言う理由もあります。

詳しくは、前にブログで書いた「人工関節は脱臼する?しない?」を読んでみて下さい。


人工関節の素材は、最近は「チタン合金」が用いられています。

チタンは人間の身体との親和性が高いため、アレルギー反応を起こしにくいのが特徴です。

また、軽量で強度にも優れた材料です。

材料の組み合わせによりますが、重さは200g~500gです。

股関節の骨を切り取って、そこに金属を入れますから、手術後に金属を入れたからと言って、足が重くなったり、体重が増えたりすることもありません。

残念ながら体重が痩せる事もありませんが・・・


現在国内で使用されている人工関節の80%以上が欧米からの輸入です。

これらは欧米人の骨格や形態を基に作製されたものであり、必ずしも日本人の骨に適合したものではありません。

従って、日本人の骨の特徴に適し、かつ生活様式にも適応できる人工関節が必要です。

その様な中で、日本人の骨の形態を基に作製された人工関節も開発されていています。


人工関節の寿命は15~20年と言われています。

しかし、半永久的に使える人工関節も研究されています。

早く、そのような人工関節が世に出回る日が来ると良いですね



股関節の不安を一緒に取り除きましょう

人工関節は脱臼する?しない?

2011-04-21 12:44:58 | 日記
人工関節の手術には大きく分けて2つ、前方侵入後方侵入の手術方法があります。

ちなみに最近はやりのMISはどちらの手術にもあります。

MISとは、メスで皮膚を切る長さが短い手術です。


前方は手術後痛みが強いが、その後の生活で脱臼しにくい

後方手術後痛みがほとんどないが、その後の生活で脱臼のリスクを伴う

というところが簡単なメリット・デメリットでしょうか。


どちらを選択するかは、その病院・主治医の考え方にもよりますし、患者様の年齢や活動量・筋力などをみて、総合的に判断されます。

後方侵入であれば、まず脱臼は気を付けるべきです。1度外れると癖がついて脱臼しやすくなりますから。

とにかく脱臼に気を付けるのは手術から3か月間です。

この期間は脱臼の可能性が非常に高いのです。

しかし3か月を過ぎると手術した骨の周りの筋肉や軟部組織が固まるので、急に脱臼の可能性が低くなります。

3か月後にしゃがめるかどうかは、手術前にしゃがめていたのか?と言うのも、1つの問題になってきます。

まずは3か月間はしゃがまないように注意したほうが賢明です。

ただ、患者様によって、脱臼しやすい人と、しにくい人が居ます。

これは主治医や、リハビリスタッフに聞いてみないと何とも言えません。


手術後の足のむくみも同様に、手術から3か月間は手術の影響で仕方ないです。

予防策としては、やはり動くこと・歩くことで筋肉を使う事になります。

あと、弾性ストッキングを履いておくのも良いでしょう。


とにかく、後方侵入の場合、和式トイレのようにしゃがみこむのはまずいですが、それ以外は手術後すぐに、なるべく動くことが何よりのリハビリになります。

新しい関節を、早く自分の体になじませることが大事だと思います。

ひざまずくことは問題ありませんが、床掃除や畑仕事は動きを主治医やリハビリと色々相談して動き方を教えてもらうと良いですね!

脱臼も神経質になり過ぎないで下さい。そうなると、出来るはずなのに怖くて動かないというのが負のスパイラルでよくないことですから。

前方侵入は、よっぽど変な格好をしない限り脱臼しません。


何か1つでも参考になれば幸いです。



股関節の不安を一緒に取り除きましょう