
これは、今回自然農にみんなで作った粘土団子です。
※この記事は、2012年8月24日のブログから粘土団子に関してのものを抜粋し、加筆したものです。
粘土団子は、10数年前に、自然農法の祖、故福岡正信さんに教わったもので、
団子の中には、数種類の野菜などの種を入れて蒔くことで、耕さない畑に無為自然に種まきできます。
世界的には、砂漠の緑化に成功した事例として福岡翁の粘土団子は有名で、著書「ワラ一本の革命」などに記述されています。
8月16日は福岡翁の命日なので、毎年ご冥福を込めて粘土団子作りを行っております。

今回は、余った種などを持ち寄って、それらをタライの中に混ぜ入れて粘土団子を作りました。
入れた種は多種多様。
ダイコン、カブ、ニンジン、野沢菜、ゴボウ、カボチャなど数種類の色々な品種が入り、
その他には、緑肥作物のシロクローバー、レンゲ、ハブソウなどマメ科の種、コムギなどイネ科など入れました。
粘土団子には、特定の野菜の種を蒔くのではなく、様々な種を混ぜるのが特徴で、1個の団子に2~3個の種子が入ると理想です。
無為自然に、自然に生えてきた野菜が自然なので、種の種類は特定しません。
※マメ科の種子を入れる際は、1日水につけて膨らませたものを使うと割れにくくなります。

田んぼの粘土を乾かしてパウダーにしたものを種子と良く混ぜます。
※種の量の6~7倍の粘土パウダー(木節粘土)の量が目安です。

種と粘土パウダーがよく混ざったら、少しずつ水を加え練っていきます。

練った粘土は、ボソボソしていると粘土団子にした後割れやすいので、
タライに叩きつけながら、空気を抜きしっとりと締ってくるまで良くまとめます。
叩きつけた時の音が「革命の音」と生前の福岡正信さんは、笑いながらおっしゃっていました。

その後、直径1cm位の粘土団子を手のひらですりすりしながら調えていきます。
※手のひらや粘土団子に水を少しつけるとひび割れなくきれいに丸めることができます。

参加者全員で、粘土団子を作りました。
はじめて作る団子ですが、みんなで童心にかえって楽しく作ります。
※生前の福岡さんは「粘土団子は子供が作って蒔くのが一番いい(無為自然)」だとおっしゃっておられました。

こんなにもたくさんの粘土団子が完成しました。

後は草むらに投げるだけです。
※本当は、1週間ほどよく乾燥させてから蒔くのが本式ですが、今回は半乾きの団子を蒔きました。

蒔いた後は、草を刈ってあげるとより野菜が生えやすいです。
腰丈よりも高い草を刈っていくと、中からトウモロコシ、カボチャ、キュウリ、ひまわりなど5月に蒔いて育った粘土団子から育った野菜がニョキニョキ発見され、みんなを驚かしました。
私が自然農、自然農法を始めるきっかけになった福岡翁著『ワラ一本の革命』。
ニ十年前に、粘土団子を市民農園で蒔いたことを思い出します。
「初心忘れるべからず」私にとっても大切な一時でした。


今回の粘土団子は、自然菜園スクール2019の大月校で、生徒さんと子供たちと一緒に作ったものです。
お庭や畑に無為自然にまいてみてください。
地球に種を播く、それは地球に今できる一投になると思います。皆さんの身近な地球が自然豊かになりますように~。

そんな中、友人が15年くらい放置されている田んぼを貸してくれることになりました。いつか田んぼをしたいと思っていたので、この機会に田んぼに取り組みたいと思っていますが、いかんせん耕運機など機械もなく、知識も田植えと稲刈りを少し手伝ったことがあるのと、竹内さんの「自給自足の自然菜園12か月」の田んぼのコーナーを読んだくらいの素人です。
そこで、誠に突然で失礼かと思いましたが、竹内さんのアドバイスをいただけたらと思ってメールいたしました。
よろしかったらアドバイスをよろしくお願いいたします。
(質問1)元田んぼは1反程度で、セイタカアワダチソウが背丈ほど伸びています。用水路は横を流れ、1区画向こうでは細々と田んぼが作られています。冬の間にセイタカアワダチソウを刈り、春になったられんげの種を蒔こうかと思っていますが、いかんせん機械がありません。やはり耕うん、代掻きは機械でやらないと無理でしょうか。
(質問2)この田んぼは自宅から1時間近く離れており、十分にお世話ができない可能性が高いです。もし、田んぼが無理なら、野菜を植えたいと思うのですが、何か
おすすめの野菜があるでしょうか。最初は、マコモダケという田んぼでできるイネ科の野菜を植えようかと思ったのですが、やはり耕うん、代掻きが必要なようなので、今は、エダマメ、里芋、麦、さつまいも、ソバなどを植えようかと思っています。いかがでしょうか。
突然のメール相談でごめんなさい。本当は、竹内さんの稲作コースを受講できたらと思うのですが、鹿児島からでは遠く、かといって他に自然農法の田んぼづくりを相談できる方もいらっしゃらないものですから、ぶしつけでアバウトとは存じますが、思い切って相談した次第です。
竹内さんやガッテン農法の三浦さんの本には、とても助けられています。野菜の育つ理屈がわかって、しかも楽で楽しく週末菜園をさせてもらっています。
これからもますますお元気で、自然農の普及にがんばってください。応援しています。
PS.できれば稲作コースのオンライン配信の検討をよろしくお願いします。
遠方からご質問ありがとうございます。
田んぼ借りられて、よかったですね。
1)畑の方も、「サツマイモやナス、ダイコン、タマネギ」たちが自然に育っていていいですね。
トウモロコシ、ホウレンソウは、自然菜園では難易度が高くなりがちな野菜たちですので、品種改良が進んだトウモロコシには、米ぬかと水を補ってあげ、日本で育てにくいホウレンソウの前作に、ネギをしっかり育ててから、その跡地で育ててみてください。
2)田んぼの件ですが、昔の人は、鍬や牛などを使っていたので、耕運機がなくても大丈夫でした。不耕起でも栽培可能ですが、
①「セイタカアワダチソウを刈り、春になったられんげの種を蒔こうかと思っていますが」というところ、セイタカアワダチソウはアレロパシーが強く刈っただけではまた生えてきて、春にレンゲを播いても来年まで発芽してこない緑肥なので、もし田畑として復活する場合は、農協や近所の農家さんに、乗用型トラクターで、一度平らになるように、有機物が分解されるように、春先にしっかり耕してもらった方がいいと思います。
②そして、食べる分の田んぼでしたら、一人40~50㎏のお米を自給するのに、必要な面積は、100㎡位なので、田んぼと畑の農繁期は重なるので、食べる分のみ田んぼにし、畦を作って仕切り小さな田んぼにするといいと思います。
③残った場所は、田んぼに近い順に、マコモダケ、大豆(エダマメ)、里芋、乾燥する水はけがよい場所に麦、さつまいも、ソバがいいと思います。
④個人的には、100㎡を超えたり、田んぼを始めるのであれば、10万円以内で、ホンダのミニトラクター、こまめDXロータリーを購入し、耕して、代をかけるアタッチメントをオプションでつけて、やるのをお勧めしております。
参考に
https://blog.goo.ne.jp/taotao39/e/5128d02b6083c7b3b70d207e64fc5e47
来年東京で、稲作コースのオンラインのモニター生徒を募集しようか審議中でした。もし、決まったら、応募してみてください。そして、率直なご意見ご感想を今後に活かしてみたいと思います。よろしくお願いいたします。
pH6.3 EC0.06 硝酸隊窒素0.8 アンモニア態窒素0
有効態リン酸55.9
カリ47.1 石灰357.1 苦土57.8 CEC25.1 腐植3.2
固相52.6 液相18.7 気相28.7 という結果です。
カリ・苦土が基準値より少なく、ECもやや少ないです。他は基準値となりました。元田んぼなので物理性も偏っています。
塩基バランスが乱れているので改善していこうと思っています。カリやマグネシウムが多い草木灰を多めにすきこんでも大丈夫でしょうか。
そうなんですね!ホウレン草がいつも貧弱でどうしてかなと思ってましたが、ネギの跡地がいいんですね。春に試してみたいと思います。
田んぼのほうもわかりやすい説明ありがとうございます❗️セイタカアワダチソウはしっかり耕うんした方がいいんですね。農協に相談してみます。
それと畔を切るという発想がありませんでした。そうですね、そうすれば必要最小限で米と向き合えますね。
まだまだわからないことが多いですが、その方向で探ってみようと思います❗️
オンライン講座、ぜひ応募させてください❗️
田舎には、休耕田がたくさんあるみたいです。これらを自然農的に復活できたら、とても豊かですよね。
竹内さんの研究に感謝です❗️
答えにくい内容ですね。でも、いい質問なので、他の方のためにも、できる範囲内で(教室やコンサルならお答えできますが)誤解が少ない範囲で精一杯お答えさせていただきます。
1)そうですね。土壌分析はいいですね。目で見えないある状態(化学性のバランス)をはっきり見せてくれます。
土壌分析結果は、あくまで化学性がメインなので、あとは土壌の物理性、生物性も同時に見ていく必要があるので、化学性だけでは、バランスをメイン観ていきます。
①無農薬栽培の場合、バランスを観た後、化学性だけでは、土壌改良の仕方は決めることができません。
そのため、この結果だけで、
「単純にカリやマグネシウムが多い草木灰を多めにすきこんでも大丈夫でしょうか。」という問いに、何とも言えませんが、アドバイスとして元田んぼがよくなってきている畑としてどのように使うかによってですが、以下のことは言える内容です。
②また、草木灰は、その種類によってカリ(K)が多い特徴は共通していても、マグ(Mg)が入っているとは限らず、水溶性で1年で消えやすく、原発由来のセシウムを多く含んでいる可能性があるので、単純にはお奨めできないこともあります。
1)★化学性が、土の健康診断だとしたら、
★物理性は、土の性格と歴史(土の種類、田畑としての履歴、水はけ、水持ち、養分保持力、風土(水脈)など
★生物性は、土の生活習慣&腸内細菌のバランス(生えている草、栽培方法、動植物の調和、病虫害、微生物層)など
を加味して、化学性×物理性×生物性を総合判断して、3年後のゴール(どんな野菜をどのように自然に育てたいのか)をどうしたいのかにむかって、順番に行って行くのがセオリーです。
それが私が菜園コンサルタントとして、土壌改良、菜園プランを土壌分析を基に、各自の田畑を半日現地調査をして、3年後にどのようにしたいのか、1~2時間ヒアリングして、その風土とその方の意向を加味してご指導している内容です。元生徒さん限定で、冬~春の間のみ有料でお受けしております。
★元田んぼということですが、土の色や粘土がどの程度含まれていて、今までの履歴(どのように元田んぼを改良してきて、以前に比べてどうなったか)をもっと知りたいですね。
塩基バランスは、石灰:苦土:加里=5:2:1を目標に改良するとよいですが、石灰/苦土の
バランスは5〜8、苦土/加里は2〜6になるように改良することが望ましいでしょう。
塩基バランスを観る際に、塩基飽和度とpHも同時に見ていく必要があります。例えば、草木灰を入れると入れる量によっては、pHが一気に上がり、7以上になるとミネラルが合っても吸いにくい状態になります。
そして、農薬。化学肥料栽培での目標数値と無農薬・無化学肥料栽培での目標数値は異なるので、あくまで参考程度に見る必要もあります。
土壌分析の結果から、現状を知り、入れてはいけない資材を知り、不足している養分を補いながら、その上で、物理性、生物性の向上を図っていき、育てたい野菜が自然に育つ基礎体力(地力と環境)の向上が図れるといいですね~。
役立ってよかったです。
オンライン講座は、一般公募しない可能性もあるので、
以下の2019自然稲作発酵コース申し込みフォームからご連絡先とオンライン希望と年内にご連絡先を送っておいていただけますか?
http://www.shizensaien.net/nagano_inasaku-hakkou/index.html
種子入り粘土団子に興味があります
田舎に住んでますので
家の回りの雑草対策に使えればと思ってます
シロクローバーをメインに考えてます
クローバーは春先に花が咲きますが
夏に弱いと聞きました
グランドカバーで値段を安く抑えるには
何と組み合わせをすれば
1年をとうして雑草対策ができるのか
分かればと思いメールしました
中村文俊
〒299-4423
千葉県長生郡睦沢町大上1839
TEL:0475-43-0318
E-mail;naka29944@gmail.com
そうですね~。まずは個人情報をここにアップするのは大丈夫でしょうか?
もし必要であれば、こちらで削除もできますよ。
シロクローバーで、家の周りであれば、
雑草対策であれば、芝生のタネとmixがよいかと思います。
芝生は、イネ科ですので相性がよく、背丈が低く、暑さにも強いのでお互いに持ちつもたれず行くと思いますよ。
例えば、一般的な芝生のミックスのタネを買ってきて、その半分の量、シロクローバーを入れて育てるのがお奨めです。
広さと、予算にもよりますが、
私なら、芝生mix:トールフェスク(スパイダー):シロクローバー=1:1:1で混ぜたものを使います。
粘土質の畑の土なら代用できたりするものなのでしょうか?
どのような土を選べばよいか?を教えていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
そうですね、福岡老曰く「肥料(養分)を含まない粘土」「山の粘土土や陶芸用の木節粘土」がよい。
山の粘土や畑の粘土の場合、落ち葉や草など有機物が含まないように採取したのち、広げて乾燥させ、粉砕して、フルイでふるっておくといつでも粘土団子を作ることができますよ。
自然菜園Lifestyleさんと一緒に撮影した
YouTube「粘土団子のつくり方」
https://www.youtube.com/watch?v=eq1kU2LZN-I&t=13s
もご参照ください。