無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

わき芽の芽かきで、根っこを育て、樹と実のバランスを調える

2015-06-29 06:00:15 | 自然菜園の技術 応用
本日、の予報。

ここ3日間位出張が続き、3日家を空けると、菜園や田んぼの表情が一気に進んでいて朝の散歩(自然観察)がとても有意義で満足でしたし、
多少出張菜園教室の身体の疲れが残っている感じなので、菜園で芽かき誘引を午後からしたい感じで帰宅すると、

「果菜の整枝について質問させてください。

 芽かきの作用で混乱しています。

・芽かきする→養分などが分散されず、樹勢が強くなる
・芽かきする→生長点がなく、根がのびず、樹勢が弱くなる

・芽かきしない(放任)→養分などが分散して、樹勢が弱くなる
・芽かきしない→生長点が残り、根が育ち、樹勢が強くなる

 →芽かきをすると樹勢は強くなる?弱くなる?のか混乱しています。どう解釈して使っていけばいいのでしょうか?

とナイスなご質問がブログのコメント欄にあり、いいチャンスなので今朝はわき芽の芽かきについて、ご紹介させていただきながら、ご質問にお応えできればと思います。

このブログのコメント欄は、無料の菜園の質問ボックスでもあります。
仕事上、通常のご質問は菜園教室内か、個人もしくは企業での菜園コンサルで有料で行っております。



それでもブログでご質問を募集しているのは、
・師匠たちがどんな質問でも気さくに、無料で答えてくれたお蔭で現在の私があるから。
・ご質問そのものが、私の勉強になるから。
・仕事上、菜園教室の生徒さんも含め、同じご質問が後を絶たないので、それならブログで同じ質問をみんなで共有できたらいいな~と思ったから。
・質問を文章ですることで、自分が何を知りたいのか明確に質問でき、自分自身でも考えるようになるので。
・また、仕事のメールやプライベートなFBなどでは、答えにくいので
といった意味合いで、このブログのコメント欄を無料質問の場にさせていただいております。

基本的にご質問されるのがとても楽しい一緒に考えるのが好きというタチなので、お気軽に今後もご質問いただいたり、
今までのブログのコメント欄を読んでいただけると勉強になるかと思います。




さて、トマトのわき芽はこの写真のどこにあるでしょうか?

答え:実のすぐ下の産毛で覆われた、枝と葉の間から出ている新芽のことです。



わき芽を取り除いていないナス。
植えたままという感じです。


花が咲いてから、花のすぐ下の強いわき芽より下のわき芽を除いて、すっきりしたナス。


実は、わき芽=新芽=新根です。
つまり、わき芽が出るということは、新しい根が生まれたので、その根とセットでわき芽も生まれ、お互いに根が伸び、わき芽も伸びてどんどん生長を共にしていきます。

そのため、わき芽が元気よく出ていた方が、新しい根もどんどん出ている状態なので、下のナスの方が元気良さそうかと思います。
しかし、その後出てきたわき芽が枝になり、それぞれに花を咲かせると、わき芽=新枝のナスが鈴なりになり、一気に樹の負担は大きくなることが予想されます。

つまり、このままでは、早く実をつけてしまうので、樹が育つ(一人前に育つ)前に実をつけて負担が大きく、後半バテる傾向が強くなりがちです



上のナスは、わき芽を取ってしまったので、新しい根も取られてしまったので、ショックを受けておりますが、
そのショックは一時的なもので、今後残った枝=根に栄養を集中させより太く、根性のある根と枝を育てていくことでしょう。

また、枝の本数が少ないので、花の数も少ないため、それぞれの実が充実し、
初期は実をつけることよりも残った枝の先に新たなわき芽=根を吹かせ、樹が優先的に育つ傾向が出やすくなります。

つまり、大器晩成型の後半秋ナスまで実をつけてくれるナスに育つ一歩を踏み出したといえます。


ご質問に戻ると
「・芽かきする→養分などが分散されず、樹勢が強くなる
 ・芽かきする→生長点がなく、根がのびず、樹勢が弱くなる

 ・芽かきしない(放任)→養分などが分散して、樹勢が弱くなる
 ・芽かきしない→生長点が残り、根が育ち、樹勢が強くなる」

実は矛盾しているように見えますが、この四行はどれも正しく、本当のことです。

もう少しわかりやすくまとまると
・芽かきをしないと→=根を取り除かないので、根の数が多く、元気になるが、→そのままにすると芽が増えすぎ、それぞれの芽=枝に花が、実がつくので、負担が大きくなり、養分もそれぞれに分散するので、樹そのものは弱くなってしまいがちです。

芽かきをむやみにすると→=新しい根をどんどん失ってしまうので、根の数が減り、樹が弱くなりますが、
良いタイミングで芽かきすると→=かえってそのショックで新しい根=芽を吹かそうと、残った枝=根に栄養が集中し、根や茎が太くなり、樹そのものが強くなります。



大切なのは、樹と実のバランスが取れているかです


これは、麦踏みと同じ原理です。

初期の弱い発芽仕立てのムギをやたらに踏むと、ショックで弱くなってしまいますが、
ある程度大きくなってきてから、麦踏みをすると、そのショックで、かえって強い根を出そうといういい刺激になり、より強い根が出ますが。
ある程度以上大きくなってから、踏まれると根や茎が痛み、立ち直れなくなります。


つまり、赤ちゃんの時は、のびのび成長を抑制しないように、見守ってあげ、
子供の頃は、多少の挫折や、逆境が、かえって強くなるための試練になり、
大人になってから、いじめられ続けたり、負担が多きすると、精神的に病んでしまうように、

芽かきや麦踏みはタイミングや程度によっては、良い刺激になり、やり方やタイミングを間違えると生命を傷つけてしまうことになります。

そのため芽かきのタイミングや芽かきの仕方がとても重要になり、
自然界の草や原種に近い野菜たちは、自分たちで何とかすることができ、実と樹のバランスをとることができますが、

実大きく育てる品種改良が進んだ果菜類(トマト、キュウリ、ナス)は、適度に芽かきをして、実と樹のバランスを調整してあげることが、根も育ち、樹も育ち、その結果実も無理なく育つことができるようになります。
そのため、支柱に誘引したり、草マルチ、補いが必要になってくるので、芽かきとセットでお世話してあげる必要があるわけです。



この大玉トマトは、わき芽をが伸びすぎているので、実に行くはずの養分が、実に行かず
実のすぐ下のわき芽に流されてしまっている状態で、分散しております。


そこで、ちょっとタイミングとして遅いですが、

大きくなりすぎたわき芽を根ものから取り除くと、太くなっていまった根を取り除き、ショックが大きすぎるので、
葉を一枚残して止めてあげました。


その隣の大玉トマトは、もう少し早めに実の下のわき芽が葉っぱ1枚残して止められているので、実に養分が集中でき、次の実や上の枝に栄養がいくようになっております。



これが、トマトの実のすぐ下のわき芽を葉っぱ一枚残して止めた「一葉残し」のアップの写真です。

トマトの実と実の間はわき芽が3つ出るので、実のすぐ下のわき芽のみ「一葉残し」で、その下2つは根元からわき芽をかきとります。

そうすることで、実のすぐ下の太いわき芽=太い根を残しつつ、葉を1枚残し光合成させ、けれど花は咲かないので、実がつかず樹の負担は最小限に留めています。


これが、一葉残しした大玉トマトのその後です。

残した葉(根)が1枚多くなったので、とても元気そうです。


トマトのわき芽かきのベストタイミングは、

写真のように、花が咲いているうちの実のすぐ下のわき芽がこのくらいとときに、1葉残しをし、それ以下の小さなわき芽は一緒のタイミングで取り除きます。




結論をご紹介すると、

①定植から一番最初の花が咲くまではわき芽をのそのままにしておくことで、新しい根をしっかり見守ってあげます。
※写真はわかりやすいように、支柱をあえて立てていませんが、本来は支柱を立ててから定植します。

②一番最初の花が咲いた時点で、わき芽の伸び方を見て、根が晴れているのかどうか診断し、花のすぐ下のわき芽を活かし、
それよりも下のわき芽を一斉に取り除き、

③軽いショックを与えるわけなので、株元の草をしっかり刈り、草マルチをしっかりして、残した枝や根の充実を図ります。

そうすることで、適度に刺激をあげながら根の生長を促し、残った枝や根を太く根性のある状態に誘導してあげます。

④最初についた実は親指よりも大きくせず、小さめで取り除き、樹の負担を軽くしてあげ、草マルチを重ねながらさらに樹が根が育つように誘導します。

⑤梅雨が明けるころまでの生長期は、実を小さめでこまめに収穫し、樹の負担を最小限にとどめ、根を樹を充実させ、大器晩成にしっかり基礎を育てます。

⑥その後も実を大きくさせすぎないように、こまめに収穫し、

⑦お盆前後は、実はもちろんのこと、花もできる限り取り除き、混み合った枝も整理し、草マルチを重ね、雨がなければストチュウ水をあげ、10日間位は実をつけずに、樹や根の回復を最優先にします。

⑧その後秋雨と共に、霜が降りるまで、美味しく恵みをいただけます。

といった感じにしていきます。

ちょっと長くなりましたが、参考にしてみてください。

人生も栽培も矛盾だらけですが、それが醍醐味なのでそれを楽しめるようになると楽しくて仕方ない栽培(人生)かなと
蛇足でした、、、
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ロックスパイラルガーデンでつくってみました。

2015-06-21 20:39:32 | 自然菜園スクール
本日、ときどき




梅雨まっただ中のプレオープン中の自給自足ライフスクールを2日間にわたって行いました。


実は、現在ハーブガーデンを枕木を使い1つ完成しました。

ハーブを中心としたコンパニオンプランツガーデンは、新たな試みです。

ハーブはとても育てやすいのですが、大玉トマトよりもバジル(ハーブ)が生育が旺盛過ぎてトマトが負けてしまったり、
ミントがどんどん大きくなりすぎて困ってしまったり、と意外と難しい点もあります。

そこで、枕木で仕切ることで、ハーブの生育を抑えながら、枕木に腰掛けながら収穫したり、お茶をしたりできるようにして野菜を育てています。


これはオレガノですが、多年草のハーブは、はびこり過ぎたり、冬場に越冬のために移動しやすいように、素焼きの鉢植えのまま植えておくのもいいアイディアです。





今回のライフスクールでは、の合間の間を利用して、みんなで枕木ハーブガーデンの隣に、ロックスパイラルガーデンでつくってみました。





ロック(岩)スパイラル(螺旋)ガーデン(庭)は、岩を使ったパーマカルチャーのアイディアガーデンです。

パーマカルチャーとは、パーマネント(永久な)とアグリカルチャ-(農業)あるいはカルチャー(文化)を組み合わせた造語で、
オーストラリアのビル・モリソンとデビット・ホルムグレンが構築した人間にとっての持続可能な環境を暮らしのデザインのことです。


パーマカルチャーの基本になる3つの要素は、

自然のシステムをよく観察すること
伝統的な生活(農業)の知恵を学ぶこと
現代の技術的知識(適正技術)を融合させること



出典『パーマカルチャー』モリ・ビルソン著(農文協)
で紹介されている、デザインの代表的なものに、ロックスパイラルガーデンがあります。

本著では、勝手口のハーブガーデンと訳され、
「ハーブの螺旋階段は、直径1.6mの基礎の上に、1~1.3mの築山に、主な料理用ハーブがすべて盛り込んだものである」と紹介されています。

日当たりの良い乾燥する側には、タイム、セージ、ローズマリーなどのオイリーなもの。

湿った日陰側にはミント、パセリ、チャイブ、コリアンダーのような水気が好きなものを、

最後に池にはクレソンなどの湿地の物を配置した、

パーマカルチャーで代表的な機能的で「多様性」「小規模集約システム」が詰まったガーデンデザインです。





今回は、モルタルやブロックなどは一切使わず、庭から出た石や壁土の再生土などで参加者全員で石を積み、土を入れていきました。


最後に、池になる部分には、生石灰と水を撒き、石で搗き固め、池を作りました。



今回は、野菜と相性が難しく、毎年生えてきてくれる多年生のハーブを中心に、

ローズマリー、スイートマジュラム、サラダバーネット、パインミント、レモングラス、ローマンカモミール、アップルミント、ミツバといった順に植えました。

この並びが良かったかは、今年の生育と来年への越冬で判断したいと思います。


これで完成です。

自然石と曲線が美しいガーデンが生まれました。

近くにカマドなど作りたいので、摘んだハーブでお茶やピザなどが食べたり飲んだりできたら最高かと思います。

今後のハーブの生育がとても興味あります。
ハーブに教わりながら、ハーブのある暮らしを楽しみたいと思います。
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Azumino自給農スクール田んぼの除草で稲を応援!!(自然稲作コース)

2015-06-15 06:11:03 | 自然菜園スクール
本日、

今日も一段と暑くなりそうです。梅雨の晴れ間は貴重で、野菜たちと草たちが大いに生長する時期なので、草マルチ月間ともいえます。




昨日は、Azumino自給農スクール(自然稲作コース)の田んぼの除草でした。

このコースでは、自給するための無農薬の自然稲作に特化しており、本科生は育てたお米を分け合います。

田んぼを直接借りるのはとてもハードルが高く、また田んぼ1枚1枚が異なり、地域風土に加えてその年の天気に左右されやすい稲作はシンプルなんですが、とても無農薬で自給分育てるのは手間暇と全般的な稲の知識が不可欠です。

そこで、このコースでは無農薬稲作の、体験参加から、自給自足まで体験を通じて学んでいただき、もっと田んぼのある暮らしが身近なものになってもらえればと思っております。




軽自動車のチェーンを棒につけただけのシンプルですが、革新的な除草機「チェーン除草」で田植えから今まで、稲を鍛え、草を抑えてきました。

無農薬で稲は育てやすいのですが、同時に出てくる草に負けやすいのも事実。
如何に草を抑え、稲を育て、草が生えにくいようにしていくかが最大のテーマになります。


田植えまでが大切で、それからは早期除草しながら、同時に稲を育てていく。それができるチェーン除草はとても強力な道具です。

チェーン除草のメリット
★稲の株間・条間の初期の除草が1反(300坪)=10a=1000㎡、一人30~60分で手軽にできる
★稲を倒しながらの除草で、麦踏みのように稲に活をいれ、鍛えることができる
★身近な材料で、1,000~8,000円位で自作できる
★自分の田んぼに合わせて、チェーンの重さや幅を変えるカスタマイズができる
★米ぬか除草と併用すると、相乗効果
★ヒエ、コナギなど1年草の草の初期に、根を浮かせ、土に埋没させ、除草効果が高い
★田んぼ全面を濁らせ、草の発芽抑制になる


チェーン除草のデメリット
▲根を張る前の初期の除草にしか効果が発揮できない
▲多年草の草には効果がほとんどない
▲稲が抜けないことが条件
▲幅が広いと、除草は楽になるが、車での移動が大変
▲サヤミドロなど藻の発生する田んぼでは、稲に藻がからみつき、困る
▲チェーンの重さと歩くスピードなどによって効果が大小違う







今回みんなで使うのは、通称「手押し田車」という条間専用の除草機です。

前後についた刃を、押して引いて田んぼに生えてきた草を前後に刃を回転させて除草してくれる最強の田の草取りの道具です。

今回は、多めの水に浮かして取る除草です。

田んぼの状態などによっては、水位を低くして、田んぼの土の中に埋め込むように除草することもできます。

手押し田車のメリット
★ある程度大きくなった草を除草できる
★条間の除草を徹底的にできる
★土の中のメタンガスなどを放出させ、ガス抜きができる
★土の中に新鮮な空気を取りこめ、有機物の分解を早め、根の生育を助ける
★2条手押し式を使えば、効果や効率は倍に
★鉄製など、古い納屋などで発見されやすく、市販もされているので手に入りやすい
★やった後水が濁り、草の発芽を遅らせる


手押し田車のデメリット
▲株間除草ができない
▲前後にしっかり刃を食いこませてやらないと草が取れない
▲大きくなりすぎた草や多年草の草は除草効果が低くなる
▲アルミ製の2条のものは2万円以上と高価
▲稲が大きくなってから行うと、稲の根も傷つけてしまう
▲田植えがまっすぐ、条間が取れていないと除草機が入らないため除草できない


今回は、研修させていただいた(公財)自然農法国際研究開発センターのご協力で、多種多様な除草機を貸していただき、みんなで体験除草できました。


これもお借りした通称「八反どり」。


デッキブラシの要領で、ゴシゴシ株間も多年生の草も強力に除草。

八反どりのメリット
★株間も条間も入ることができる
★多年草など大きくなった草や、根張りが強力な草もゴシゴシとれる
★釘やビスなどで自作することもできる


八反どりのデメリット
▲手取り除草に比べればよいが、大きな面積はしんどい
▲余り市販されているのを見たことがない
▲目で見ながら除草するので、大人数で田んぼに入ると濁って草を狙い撃ちできない
▲ちゃんと取ったつもりでも、根こそぎ取れていない場合もありチェックが必要
▲稲が大きくなってから根元をゴシゴシすると稲の根も痛む



今回は近くの津村農園さんから、合鴨ちゃんたちも出張してくれました。

いわゆる合鴨除草です。

合鴨除草のメリット
★お米と肉が自給できる
★合鴨は雑食なため、イネミズゾウムシなど水生昆虫(害虫)を捕食してくれる
★コナギなど多くの草を食べて除草効果が高い
★常に動いているので、水が濁っており抑草効果も高い
★手除草が余り必要がなくなる
★ドジョウやフナなど濁ってしまえば、共存できる


合鴨除草のデメリット
▲電柵やネットなど大掛かりな獣対策が必要
▲合鴨の購入や初期の保護など手がかかる
▲小屋を立てたりするスペースは、田植えができない
▲エサにくず米など、エサを確保する必要がある
▲人に馴らしておく必要がある、慣れると捕まえやすいが、慣れていないとつかまらない
▲穂が出たら、穂を食べてしまうので、早期に田んぼから撤退させ、その後肥育が必要なので、池や小屋が必要
▲ほぼ毎年雛を確保し、古い鳥を解体や飼い続ける必要がある
▲ヒエなどイネ科の草は食べてくれないので、残ってしまう
▲田んぼが水平でない場合は、カモの群れによるムラができ、最悪稲が倒され消えたり、除草効果にムラがあり、くず米が増える



と、除草剤のような一発で除草できるアイテムは無農薬にはありませんが、持続可能な農業はできます。

微生物など見えないものから、タニシ、ドジョウ、カエルが死に、朱鷺を失った日本。
除草剤は、生き物を失い、河川や地下水を汚染させ、海を汚し、自分の住む地球を痛めることを考えると、

いろいろな除草を組み合わせ、楽しく、効果的に除草することで、美味しいお米をまさに自分たちの手で育て続けることができるようになります。
その結果、田んぼの生き物の多くは絶滅危惧種指定されている生き物と共生し、子供が遊べる田んぼ、
生き物がたくさんいることで、緩速濾過機能が備わり、入った水よりも出ていく水の方が綺麗な田んぼが今後の未来を約束してくれると思います。






みんなで除草の疲れを日陰で、お茶をしながら寒暖しながら身体を癒し一休み。






今回は除草後、米ぬか除草を行いました。

今回ももみ殻に田んぼの水を加え、米ぬかを付着させ、そこに発酵が進んだ米ぬかボカシを加えた「半生ボカシ」をみんなでまんべんなく播いて歩きました。

米ぬか除草のメリット
★お米が美味しくなる
★地力が出るまでの初期の養分にもなる
★これから生えてくる草を抑制してくれる
★他の除草方法との相乗効果を高めてくれる
★発酵している間(3~5日)草の発芽を抑制してくれる
★カモや鯉のエサになり、誘導することができる
★手に入りやすく、自給もできやすい
★ダイズくずなどと併用すると効果的


米ぬか除草のデメリット
▲生えてしまった草をより大きくしてしまうことも
▲濡れた稲の葉にふれると、稲の生育を抑えてしまう
▲米ぬかのみを田んぼに撒くと、不均一になり稲の生育ムラが出やすい
▲稲の葉の色などを観ながら行わないと、病虫害、倒伏の原因になりやすい
▲生の米ぬかの場合、発酵までに時間がかかり、初期の効果が出にくい
▲米ぬかを撒いてから除草すると稲の根にもダメージが出やすい


米ぬかは、上手に使うと、草を抑えてくれた上に、稲を元気に美味しく育ててくれるのは、お米由来だからかもしれません。







最後に、鳥よけの糸と、今後入れる田鯉のための防御ネットをみんなで協力しながら張りました。

中山間では、イノシシ、スズメの被害は大きくなっているので、被害が出る前に、除草が終える6月末までに行なっておくと、後々楽になります。

米=八十八、八十八の手がかかるとても美味しく、手間のかかるお米を昔の人は「もったいない」という言葉で大切に食べてきました。
今では国際語にもなった「モッタイナイ」が、日本で失われつつあります。

1~2株の稲がご飯茶碗1杯になり、1a=100㎡の田んぼで人が一人自給できます。

自分たちのお米を仲間と一緒に汗を流しながら、5ヶ月間見守り育てていく、そんな暮らしが大好きです。
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日本初ビオ認証のお宿「八寿恵荘」に、クボタeプロジェクト『地球小屋2015』の打ち合わせに来ました。

2015-06-13 21:27:59 | 日々の自然菜園
本日、

長野も梅雨入りをし、本日蒸し暑い28℃の炎天下の中、野良仕事をしまくりバテバテです。


先日、クボタeプロジェクト『地球小屋2015』 powered by BeGood Cafeの打ち合わせに、

カミツレの里 八寿恵荘(長野県・池田町) に行ってきました。


カミツレの里 八寿恵荘は、日本初の「BIO HOTELS 認証」を取得したお宿です。

ヨーロッパでは、オーガニックをBIO(ビオ)と呼んでおり、
「BIO HOTEL(R) 認証」を受けるには、食事や飲み物はすべてビオロジックで、シャンプー、石けん、スキンケア用品などのコスメ類にすべてビオを使用し、
タオル、ベットリネン類、施設の建材や内装材も、可能な限り自然素材の使用をめざし、環境マネージメントを含め、滞在するゲストの健康や自然環境に配慮することが条件だそうです。






宿の周辺は、至る所名称の由来のカモミール畑で、ちょうど満開の時期だったので、一面カモミールが咲いており甘い香りでいっぱいで、日頃無理をしていた身体はカモミールの安眠効果に誘われてアクビばかりでした。




元々、カモミールの入浴剤などを無農薬栽培で行っていた施設だっただけに、今回のリニューアルオープンは、さらにパワーアップしてビオホテルとして生まれ変わった感じでした。


カモミール工場見学の様子、



詳しくは、














収穫して乾燥させたものや、


熟成させている様子、


2度にわたる再仕込みした後の原液などを見学させていただきました。




ビオ認証に伴い、地下にある日本に2台目のチップボイラーなども見せていただきました。




今回の目的は、クボタeプロジェクト『地球小屋2015』 powered by BeGood Cafeの打ち合わせ。

2007年より毎年開催している小学生向けサマーキャンプ型環境授業、クボタeプロジェクト『地球小屋(TERRA-KOYA)』。
今年の講師に任命されたからです。

本年は長野県を会場に、小学校5~6年生を対象とした農業学習型キャンプを開催します。

実際に土に触れながら過ごす3泊4日の体験型プログラムを通して、農業を楽しく学ぶとともに、こども達が未来に向かうチカラを育む機会となることを目指すワークショップです。

「のらのら」(農文協)の編集長の推薦により、なぜか私が講師をやらせていただく機会に恵まれ、こちらこそ勉強させていただこうと思います。

写真は、今回ご協力いただける有機農家さんの矢口さんの田んぼ。

今年は一回も除草に入らないですみそうだといっている田んぼです。理論を実践し、それができ素晴らしい田んぼ

矢口さんは御年72歳の、現役の3町3反の稲作農家さんで、いまだに現役で熱心に有機稲作を勉強、研究されている長野が誇る第一人者です。
お会いするのは初めてですが、共通の友人知人、師匠つながらりで、今回の打ち合わせで、実際の田んぼを見学できてとても勉強になりました。

今回のサマーキャンプでもこの田んぼに子供たちが20名入らせていただけるとのこと。

微生物によって耕され、培われた土の稲に触れられる子供は幸せだと思います。

2015年7月27日(月)~7月30日(木)/3泊4日で、山・田んぼ・畑を子供たちと共に学ぶのが楽しみです。

詳しくは、以下をクリックしてみてください。
クボタeプロジェクト『地球小屋2015』 powered by BeGood Cafe
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