六月大歌舞伎の昼の部を見てきた。6月21日。
1番目は「妹背山婦女庭訓」の「三笠山御殿」の場。
このお芝居ってほんとは蘇我入鹿の話なんだよね。
でも、武士とかお姫様、娘の衣装や髪形は江戸時代なんだよね。
だから、いつもよくわかんなくなっちゃうけど。
だいたい歌舞伎って、義経の物語でも衣装・髪形は江戸時代。
いまの時代考証の人たちからしたら、楽でいいなあって感じかな。
私、この御殿の場って嫌いなんだよね。
完全に「いじめ」なんだもの。
恋人を追ってきた田舎娘のお三輪を、御殿の官女たちが「会わせてやるから」と
あれこれ命令していじめるのだ。
見ててイヤな気分なんだけど、主演する女方さんはこの役が好きなのよねえ、みんなやりたがるの。
恋心に一途な健気な娘が、最後は、御殿の奥から聞こえてくる恋人とお姫様の祝言の賑わいに「鬼の心」になる。
そこまでのかわいそうないじらしさが、嫉妬と恨みでガラッと変わるのが、やりがいがあるみたいで。
お三輪は時蔵、恋人・求女は松也、お姫様は新吾。
時蔵さんのお三輪はうまいね。
前半の鱶七が松緑で、セリフの言い回しは例のごとく変なところがあるんだけど、
荒事的な動きがはまっててけっこうよかった。
この鱶七の衣装がいいのよ、着物は黒地に白の太い縦縞の柄で、上に着てる裃と長袴は大きな黒白の格子柄で、
着物の中にボタンのついたシャツみたいのを着てるという、モダンで派手でおしゃれなの。
慎吾くんが着たら似合いそう。大きな縦縞の上に大きなチェックを重ねてるなんて、普通ないでしょ。
2番目の舞踊「文屋」
六歌仙の中の文屋康秀の踊りで、宮中だからまた官女がぞろぞろ出て絡むので、
ちょっと前のお芝居とついちゃう(かぶっちゃう)構図なんですけど、
文屋は菊之助で、意外に楽しくておもしろかった。菊之助はなかなか踊れるのね。
(勘ちゃん以外は踊れないものと決めてかかっているもので)
顔とか動きがお父さんそっくりになってきてる。でも、お父さんより踊りはちゃんとしてるね。
3番目の「野晒悟助」(のざらしごすけ)
お父さんの菊五郎が主役。菊之助もちょっと出てる。
初めて見たけど、変わったお芝居だわ。
侠客(男伊達)の芝居だけど、主人公の悟助がそんなにヒーローでもない。
たまたま助けてやった娘2人に、それぞれ一目惚れされて、
彼女たちは翌日親とともにやって来て「結婚して!」と言うの。
嫁にしてくれなきゃ死ぬというのでしかたなく片方を嫁にもらうと決め、もうその場で祝言しちゃう。
もう片方の娘は、百両が必要になった悟助のために、身売りして金をこしらえてくれる。
そしてこの娘が売られていく最後に一目会って、今生では無理でも来世は一緒にと願うと、
嫁になったほうの娘が「ええーっ!」と言うの。(ここ、客席は笑いが起きました)
ヘンなお芝居だったけど、見せ場は敵役との殺陣。
大勢のカラミと悟助の立ち回りはすごくおもしろかった。
カラミの人数をたくさん出して、番傘に書かれた字が「音羽屋」、
ばーっと並んだ音羽屋の傘、クルクル回したり、形にしたり、とっても楽しかったので、
ストーリーは別にいいんだなと思った。
悟助の衣装も男伊達なので華やかな色合いで、デザインは、のざらしの名にふさわしく、
「卒塔婆にしゃれこうべ」の絵柄。
近藤勇の「背中にスカルの刺繍」みたいな感じかな。
1番目は「妹背山婦女庭訓」の「三笠山御殿」の場。
このお芝居ってほんとは蘇我入鹿の話なんだよね。
でも、武士とかお姫様、娘の衣装や髪形は江戸時代なんだよね。
だから、いつもよくわかんなくなっちゃうけど。
だいたい歌舞伎って、義経の物語でも衣装・髪形は江戸時代。
いまの時代考証の人たちからしたら、楽でいいなあって感じかな。
私、この御殿の場って嫌いなんだよね。
完全に「いじめ」なんだもの。
恋人を追ってきた田舎娘のお三輪を、御殿の官女たちが「会わせてやるから」と
あれこれ命令していじめるのだ。
見ててイヤな気分なんだけど、主演する女方さんはこの役が好きなのよねえ、みんなやりたがるの。
恋心に一途な健気な娘が、最後は、御殿の奥から聞こえてくる恋人とお姫様の祝言の賑わいに「鬼の心」になる。
そこまでのかわいそうないじらしさが、嫉妬と恨みでガラッと変わるのが、やりがいがあるみたいで。
お三輪は時蔵、恋人・求女は松也、お姫様は新吾。
時蔵さんのお三輪はうまいね。
前半の鱶七が松緑で、セリフの言い回しは例のごとく変なところがあるんだけど、
荒事的な動きがはまっててけっこうよかった。
この鱶七の衣装がいいのよ、着物は黒地に白の太い縦縞の柄で、上に着てる裃と長袴は大きな黒白の格子柄で、
着物の中にボタンのついたシャツみたいのを着てるという、モダンで派手でおしゃれなの。
慎吾くんが着たら似合いそう。大きな縦縞の上に大きなチェックを重ねてるなんて、普通ないでしょ。
2番目の舞踊「文屋」
六歌仙の中の文屋康秀の踊りで、宮中だからまた官女がぞろぞろ出て絡むので、
ちょっと前のお芝居とついちゃう(かぶっちゃう)構図なんですけど、
文屋は菊之助で、意外に楽しくておもしろかった。菊之助はなかなか踊れるのね。
(勘ちゃん以外は踊れないものと決めてかかっているもので)
顔とか動きがお父さんそっくりになってきてる。でも、お父さんより踊りはちゃんとしてるね。
3番目の「野晒悟助」(のざらしごすけ)
お父さんの菊五郎が主役。菊之助もちょっと出てる。
初めて見たけど、変わったお芝居だわ。
侠客(男伊達)の芝居だけど、主人公の悟助がそんなにヒーローでもない。
たまたま助けてやった娘2人に、それぞれ一目惚れされて、
彼女たちは翌日親とともにやって来て「結婚して!」と言うの。
嫁にしてくれなきゃ死ぬというのでしかたなく片方を嫁にもらうと決め、もうその場で祝言しちゃう。
もう片方の娘は、百両が必要になった悟助のために、身売りして金をこしらえてくれる。
そしてこの娘が売られていく最後に一目会って、今生では無理でも来世は一緒にと願うと、
嫁になったほうの娘が「ええーっ!」と言うの。(ここ、客席は笑いが起きました)
ヘンなお芝居だったけど、見せ場は敵役との殺陣。
大勢のカラミと悟助の立ち回りはすごくおもしろかった。
カラミの人数をたくさん出して、番傘に書かれた字が「音羽屋」、
ばーっと並んだ音羽屋の傘、クルクル回したり、形にしたり、とっても楽しかったので、
ストーリーは別にいいんだなと思った。
悟助の衣装も男伊達なので華やかな色合いで、デザインは、のざらしの名にふさわしく、
「卒塔婆にしゃれこうべ」の絵柄。
近藤勇の「背中にスカルの刺繍」みたいな感じかな。