お正月の歌舞伎座は華やか。
初春歌舞伎第一部に行ってきました。
客席は花道横も販売するようになり、桝席も一席空けるのをやめて、大向こうもかかるようになっている。
二階席はちょっと空席が多いけど、一階と三階はわりと入っていた。めでたい。
一つ目は舞踊「卯春歌舞伎草紙」
出雲の阿国(七之助)と名古屋山三(猿之助)を中心にした歌舞伎おどりで、歌舞伎では珍しい大人数の踊り手が賑々しく華やかに展開。勘九郎と愛之助はかぶき者コンビで踊っていて、この二人の組み合わせはなかなかいいですね。猿之助と組むと、ちょっと技術対決みたいになるけど、愛之助とだとふんわりしてる。愛之助さんのように、血筋の家に生まれなくても踊りのセンスを持ってる人はいるのよね。そういう家に生まれても持ってない人もいるしね。
一座の踊り手の中で、千之助くんがやっぱりかわいくてきれい!若衆ではなくて女形で出てた。千之助くんは少年のころは、おじいちゃん(仁左衛門)のようになりたいと言ってたけど、ちょっと小柄なのよね。女形ならば、美貌の若女形で歓迎されると思うけど、いまはどう考えてますか?
最後、92歳の寿猿さんをわざと一人残して、みんな花道を踊りながら引っ込んでいってしまう。よーし!私も追いかけていくぞ!と一人で曲に乗って引っ込む寿猿さんを、自然に手拍子で励ます客席。「勧進帳」の引っ込みの手拍子はいただけないけど、こういうのは楽しくていいね!お正月らしいおめでたさでした。
二つ目は弁天小僧の「浜松屋」と白浪五人男の「稲瀬川勢揃いの場」
弁天小僧菊之助を愛之助、相棒の南郷力丸を勘九郎、日本駄右衛門を芝翫。
以前、七之助が弁天小僧をやったのは見てるけど、(そのときも南郷は勘ちゃん)、七之助は高く声を張るとキーキーしちゃうのがちょっと。愛之助さんは緩急が効いててよかった。やっぱりこの役は菊五郎に教わってるんですね。菊五郎がまだ菊之助のときにやった弁天小僧は、うまくはないのにとってもよかったの。「知らざあ言って聞かせやしょう」と、オレが菊之助だ!と名乗る菊之助。本物の不良青年て感じで、あて書きみたいでしたね。
南郷の勘ちゃん、シュッとしててカッコいい!愛之助の弁天と勘ちゃんの南郷は、「あら、あんたたち、そういう仲なの?」という匂いをちょっとだけ感じさせます。よいですね!
今回は二本とも、二人でコンビを組んでるのね。いいコンビ感です。
勘ちゃんは今年、本厄なんだって。でも、
「役者はヤク落としはしないんですよ(笑)」
そうか!役を落としちゃいけないよね!
二本立てで休憩30分挟んで、2時間強。私は現在の三部構成が見やすくていいなと思ってます。