「7.2新しい別の窓」(2020.11.1)2 インテリゴロウ辻村深月
直木賞作家・辻村深月さんがゲスト、
ゴロ「お久しぶりです」
辻村「お久しぶりです」
ゴロウデラックス!
辻村「2年半前ですね。そのときも思ってたんですけど、稲垣さんはイケメンなだけじゃなく、知的さも備えていて、ハンサムなんだなと思って」
ゴロ「いやいや、作家の先生にそんな言われちゃ」照れ。
そうね、イケメンよりハンサムのほうが上ね。
いま映画化され話題になっている「朝が来る」
不妊に悩んだ末、養子をもらって育てている夫婦の前に、産みの母が現れ、両方の人生が描かれる。映画の監督は河瀬直美。
辻村「もともと私は河瀬監督の大ファンで、河瀬さんの世界観がすごく強いので、自分のものを撮ってくれる日が来るとは、ものすごくうれしかった」
ゴロ「作家さんて、自分の作品が映画化されるときはどんな気持ち?」
辻村「私の場合は、原作そのままを見せてもらうのだったら小説でいいじゃないかと思うので、原作を超えてほしい。どっちがその作品のことを思って何をするかという勝負で、圧倒的大差で負けたい。原作を超えてもらったら、送り出した甲斐があったと思う」
今回は特別養子縁組の話だったので、自分が産みの親、映画化は養子に出したようなもので、よりよい座組で育ててもらうという思いだという。
ゴロ「自分の作品て、やっぱり自分の子どものようなものなんですね」
養子縁組をテーマに書いたのは、直木賞受賞後、辻村さん自身が1人目の子を出産した直後で、編集者からの提案。さまざまな養子の資料を見るうちに、
辻村「養子、家族に対して、先入観がないと思っていたのが先入観だったと気づいた」
ゴロ「むかしのフィクションだと、養子であることを告知するのが重大な場面になりがちだけど」
いまは、養子を迎えると、「真実告知」といって、なるべく早い時期からもう1人お母さんがいると知らせることが推奨されているのだそうだ。「朝が来る」でも子どもにそれを話すシーンが印象的だったと、ゴローちゃんがその場面を朗読。
辻村「実の親に育てられていないというとマイナスの感覚になってしまうんですけど、もう1人お母さんがいるんだよと言うと増える感覚になる」
辻村「もう一場面、ごろうさんに朗読してもらいたいんですけど」
初めて赤ちゃん(養子)を抱いた場面で、母になった女性が「朝が来た。この子はうちに朝を運んで来た」という場面。
辻村「この感覚が書きたかったんです。不妊治療って、終わりですと誰も言ってくれない。まだ可能性があるんじゃないかと、どこまで続くかわからないトンネルの中のような、光の見えない状態だと思う」
稲垣さんはお子さんがいたとしたら?と聞かれて、
ゴロ「僕は姉がいて3人甥っ子がいて、一番上はもう大学生で下は小学生。いまだに目を見てうまくしゃべれない」
辻村「子どもがいたら何して遊びたい?」
ゴロ「お父さん遊んで!パパ!ねーねーねー!とか言われたら・・・部屋に鍵かけそう。地下室作りそう」
ハッシュタグ吾郎パパに向いてないと字幕が出た。
河瀬直美監督の手法は?
辻村「河瀬監督は、役積みという、役を積むための期間があって、俳優に登場人物と同じ環境で2週間生活させるんです。子どもを出産する少女役の蒔田彩珠ちゃん(つよぽんの舞台「道」で共演した子ね)は河瀬監督の母校に通って授業を受けて部活までやって」
ゴロ「そこまでやる!やっぱりそういうものが出てくるんですよね」
辻村「原作にはない、いい言葉が出てきていて、それは脚本にもなくて、役になり切った皆さんが自分の中から出てきた言葉」
さらに驚きのルールは、
辻村「完全な順撮りで、撮影期間中は役名でしか呼び合わない、私語厳禁」
ゴロ「私語厳禁!?ホントに?じゃ、女優さんとライン交換とかできない」
辻村「私も、普通だとちょっと撮影現場に伺ってご挨拶するんですけど、エキストラとして出ていただくならいいですけどと言われて。今回は遠慮しました」
ゴロ「えー!女優デビューのチャンスだったのに!」(笑)
「かがみの孤城」など学校を舞台の作品も多い。
辻村「学校でうまくやれた子だったら、小説に書かなかっただろうと思います。特に何があったというのでもないけど、教室に大きな忘れ物がある気がする、うまくやれなかった自分という」
ゴロ「僕もひとりで遊ぶのが好きで、スパイごっこの主人公になりきったり。友達とみんなで遊ぶというより、ちょっと変わった子だったかもしれない。あのときが一番楽しかったねって人がいるけど、それは全然ない」
小説家になろうと思ったのは、
辻村「小学校3年ぐらい。みんなは恋愛小説を書くのがはやってて、私はそのころからホラーとか学校の怪談みたいのを書いてたので、誰も読んでくれなかった」(笑)
稲垣吾郎を主役にするなら?
辻村「中学時代のお話を聞くと、子どもの世界と大人と仕事をする世界と、両方を知っていたと思うので、そこを書いてみたい」
ゴロ「デビューすると、徐々に徐々に世界が変わってくるんですよ」
辻村「そのころの友達の反応は?」
ゴロ「稲垣吾郎ってうちの学校にいたっけ?って。あまりにも目立たない子だったので。不思議ですよね、人前に立つとか目立つことが一番嫌いだったのに。初めて雑誌に出たとき、その雑誌が職員室に山積みになってて、先生に呼び出されて、これはおまえか?って」
辻村「先生たちも初めて知ったんですか。そこからまわりのみんなにもドラマが」
ゴロ「まわりも変わっていった」
辻村「その物語もすごく広がるはず」
ゴロ「香取、草彅もその小説に出ていいですか?」
辻村「出していいなら、ぜひ」
ゴロ「香取なんて小学校5年生ですから」
辻村「芸能界に入ってなかったら、どんな人になっていた?」
ゴロ「絶対、違う人格になってたと思う。ひととしゃべってないと思う、人見知りだったし。社交的になった!ゴロウは社交的になったよ!いろんな経験をして」
そういう少年が、よく十代で女優さんと裸で絡むなんてできたね!
(つづく)