映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

LOFT/ロフト

2013年10月04日 | 西島秀俊
1000年前のミイラが・・・



* * * * * * * * * *

さてと、これはサスペンス・ホラーなんですね。
西島秀俊さんは、主役じゃなくて、どうにもしょうもない役なんですが・・・。


郊外の一軒家に越してきた、美貌の作家礼子(中谷美紀)。
その夜、向かいの何やら廃墟のような建物に、男が大きな荷物を運びこむのを目撃します。
男は大学教授の吉岡(豊川悦司)で、
運んでいたのは近くのミドリ沼から引き上げられたミイラだった・・・。
そのミイラというのが、1000年前の若い女性で、
彼女は自分の美しさを保つために自らその沼に身を沈めたというのだね・・・。
そもそも、礼子がここに越してきたのも、
何かそのミイラが呼び込んだみたいなところはあるよね。
いや、最後まで解決しない不明な出来事が色いろあるのだけれど、
この家を薦めたのは編集者の木島(西島秀俊)だったわけだよね・・・。
そうそう、西島さんは、はじめからなんだか冷淡で投げやりな感じのする、
嫌なやつという役柄だよ・・・、残念ながら。
でもその感覚は正しくて、この家の不気味さを作った本人であるわけだ。
ここに礼子をすまわせようなんてのが、そもそもとんでもない奴なわけ。
ただし、彼はミイラのことについては何も知らない。
礼子の身辺で、何やら不気味なことが起こり始めるのだけれど、
それはそのミイラの仕業ではなくて、
実は、ここに以前住んでいて1年ほど前から行方不明という
作家志望の若い女性に関係しているのだった・・・。
と、何やら関係が複雑になってきます。
吉岡が何やら影を引きずっているもの、
ミイラのせいというよりもそちらに関係していたわけで・・・
結局ミイラは直接的には関係していない。
だけれど、これら一連の事件の背景にミイラの何やら底知れない怨念のようなものが伺われる
・・・と、そんなところなのかな?
そのようです。



中盤くらいまではなにげに怖かったのだけれど、
死んだ女(安達祐実)がわりと実体に近い姿で現れるようになってからは、
なんだか滑稽味を感じてしまった・・・。
うーん、そうなんだよね。
見えるか見えないか、あるかなきか、
そういう気配みたいなものが一番怖いんだと思う。
ラストはどうも・・・・ね。
そもそもこんな田舎の古い家に女一人で住もうなんてのが、普通の神経じゃない!!
しかも向かいに不気味な大学の施設。
格安なのは間違いないけどねえ・・・。
それから、以前住んでいた女が残した小説というのが、結局内容には全く触れられていなかったけれど、
そこをもっとうまく利用できなかったのかなあ、と残念な気がする。
それは「平安期の女が、男の永遠の愛とおのれの美しさを失わないために沼に身を沈める物語」
だったりすれば面白いんじゃない?
なるほど~。

LOFT ロフト デラックス版 [DVD]
中谷美紀,豊川悦司,西島秀俊,安達祐実,鈴木砂羽
ジェネオン エンタテインメント


「LOFT/ロフト」
2005年/日本/115分
監督・脚本:黒沢清
出演:中谷美紀、豊川悦司、西島秀俊、安達祐実

ホラー度★★★☆☆
西島秀俊の魅力度★★★☆☆
満足度★★☆☆☆


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