映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

身代わり忠臣蔵

2024年08月03日 | 映画(ま行)

吉良上野介は死んでいた?

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私、本作の原作を読んでおりまして、
とても面白かったので、映画もぜひ見たいと思っていました。
脚本も、原作者である土橋章宏さんが書いていますので、原作のイメージを損なわず、
そしてムロツヨシさんという名優によってより一層楽しい作品になっています。

いつも自分より立場の弱いものに対して強権的で意地悪な旗本・吉良上野介(ムロツヨシ)。
その陰湿ないじめに耐えかねて、赤穂藩主が江戸城内で吉良に斬りかかります。
赤穂藩主・浅野内匠頭は、即、切腹。

 

斬られた吉良も、逃げ傷を負い瀕死の状態。
しかし、逃げて死んだとなれば、武士の恥。
お家取り潰しも免れ得ません。
そこで、上野介にそっくりな弟・孝証(ムロツヨシ)を身代わりに立て、
幕府を欺こうという前代未聞の作戦が立てられます。

孝証は、家督を継ぐでもないごく潰しとして家を追い出され、
住むところもない破戒僧となっていたのでしたが・・・。
そして、身代わりは一時のことだけと思っていたのに、
ついに兄・上野介が亡くなってしまったため、
そのままずっと身代わりを務めなければならなくなってしまいます。

そしてまた一方、お家取り潰しとなった赤穂藩の家老・大石内蔵助(永山瑛太)は、
配下たちが仇討ちをしようとはやるのを、なんとかなだめていたのですが・・・。

 

個性豊かな登場人物たちが、このへんてこな忠臣蔵を一層もり立てます。

本作の良いところは、孝証と内蔵助がとあるところで出会い、
密かに相談を巡らすようになるところ。
まあそのことで、いっそう私たちは結末が予測できなくなるわけですが・・・。

とにもかくにも「お家」のため、しきたりとかメンツとかにがんじがらめの、
武士とはなんともつらいものであります・・・。

打ち首ならとんでもない恥で、切腹なら名誉。
うーむ。
本人が納得するならそれでもいいか・・・?

 

原作「身代わり忠臣蔵」はこちら。

(もう少し詳しくあらすじに触れています。)

 

<Amazon prime videoにて>

「身代わり忠臣蔵」

2024年/日本/119分

監督:河合勇人

原作・脚本:土橋章宏

出演:ムロツヨシ、永山瑛太、川口春奈、林遣都、寛一郎、森崎ウィン、柄本明

 

ユーモア度★★★★☆

満足度★★★★☆