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るろうに剣心 最終章The Beginning

2021年12月27日 | 映画(ら行)

剣心の「はじまり」の物語

* * * * * * * * * * * *

「るろうに剣心」シリーズ、完結編二部作の第2弾。
前作「The Final」は見たのに、こちらを見そびれていました。
剣心が不殺の誓いを立てるに至るまで、
そして、頬に刻まれた十字傷の謎に迫ります。

 

時は幕末。
「人斬り抜刀斎」と呼ばれ、恐れられていた男がいました。
多くの者を非情に惨殺するこの男こそ、緋村剣心(佐藤健)。
彼は、長州藩・桂小五郎(高橋一生)のもと、
影の暗殺者として佐幕派の者を倒す仕事をしていたのです。

あるとき、雪代巴(有村架純)という女に暗殺現場を見られてしまい、
他言されては困るため、そばに置き様子を見ることになります。

にこりともせず不思議な雰囲気をまとう巴。
一方剣心は最近、生きようとする執念の凄まじい男を倒し、
その男に頬に傷をつけられてからは、おのれの仕事に若干疑問を抱き始めていました。
剣心と巴は微妙な緊張感を持って対峙するのですが、
次第にかすかな安らぎのようなものを覚えるようになるのです。
決して人前で眠り込むことのない剣心が、巴のいる場所で、まどろむようになる・・・。

禁門の変により京を追われた長州藩の面々には、
しばらく潜伏の期間が訪れます。
そのとき剣心と巴は、農村で穏やかな二人だけの時を過ごします。
ほんのつかの間、二人に笑顔が浮かぶ平和なとき。
しかし・・・。

二人の間の緊張感、そしてそれが次第にほぐれていく様、
すごく繊細に描かれていました。
このシリーズが始まってから約10年。
佐藤健さんの演技の深まりを感じるところでもあります。
迫力満点の殺陣のシーンもさることながら、
私、こういう所にシビれて、感動しました。

2人の暮すあばら屋は、室内でも息が白く見える寒々としたところ。
この空気感がまた良かったです。
そんな中で、2人は互いのぬくもりを幸せに思いながら過ごしていたのですね・・・。

時は新選組の活動も華々しい幕末。
斎藤一(江口洋介)との対面シーンや、沖田総司(村上虹郎)との対決シーンもあって、
見所でもあります。
野球少年の村上虹郎さんもいいですけれど、沖田総司ときたか、カッコイイ!!

前作で、巴の弟・縁(えにし)がなぜそんなに剣心を嫌うのか、
ということにつながるスト-リーでもあり、
なるほど・・・と思うところでもあります。
ここの時系列が逆になっているところがまたいいのですよね。
まさに、Beginninng、剣心の始まりの物語が一番最後に描かれる。
なんてしゃれているのでしょう。
そして私は本作が一番好きかも知れません。

さっさと見れば良かった・・・。

 

「るろうに剣心 最終章The Beginning」

2021年/日本/137分

監督・脚本:大友啓史

原作:和月伸宏

出演:佐藤健、有村架純、高橋一生、村上虹郎、江口洋介、安藤政信

 

物語の完結度★★★★★

満足度★★★★★

 



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