映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

潔く柔く

2018年04月02日 | 映画(か行)

罪悪感はいつになれば消えるのか

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15歳カンナ(長澤まさみ)は幼馴染のハルタ(高良健吾)と気のおけない友人関係。
カンナはハルタのことを単なる友達なのか、それ以上のものなのか、
自分でも判然としていません。
けれど、ハルタの方はかなり異性として意識しているのですが、
勇気がなくて告白することができないでいます。

ある花火大会の夜、カンナは別の男友達と出かけて、告白を受けます。
ちょうどその頃、ハルタは自転車に乗ってカンナへのケータイメールを送信した直後、
交通事故で亡くなってしまうのです。

それから8年が過ぎ、カンナはハルタへの罪悪感で恋もできないまま、社会人となります。
そして出版社に勤める赤沢(岡田将生)と知り合います。
無遠慮でズケズケとものを言う赤沢をカンナは苦手に思うのですが、
実は赤沢にも拭いきれない大きな過去の傷を持っていた。
そうしたことを打ち明け合ううちに、いつしか二人の心は接近していきます。

「罪悪感はいつになったら消えるの?」と問うカンナに
「それは消えることはない。一生持ち続けるしかないんだよ・・・」と答える赤沢。
けれどもどこか赤沢が達観しているように見えるのは、
たった一人ではあるけれど、彼の心を思い図り、癒やしてくれる存在があり、
心の区切りをつけることができたからなのでした。
だから赤沢はカンナを気遣い、彼女にも一つ乗り越えて、
つらい気持ちをもっと落ち着いたものに変えることができるのではないかと思うわけですね。



直接的にではないけれど、自分が関係して人を死に追いやってしまう。
どうすれば心は癒やされるのか・・・。
重いテーマながら、まさに「潔く柔く」着地できたと思います。
単に少女コミックの映画化と思って敬遠していましたが、
これは結構良かった。

今から5年前の作品とは言え、
長澤まさみさんらの高校生姿はちょっとキビシイのではないかと思ってしまい、
その8年後のシーンになって妙にほっとしてしまいました(^_^;)

潔く柔く (2枚組 本編ディスク+特典ディスク) [DVD]
長澤まさみ,岡田将生
バップ


<WOWOW視聴にて>
「潔く柔く」
2013年/日本/127分
監督:新城毅彦
原作:いくえみ綾
出演:長澤まさみ、岡田将生、高良健吾、波留、中村蒼、古川雄輝

罪悪感度★★★★☆
満足度★★★★☆



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