映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

謝罪の王様

2013年10月05日 | 映画(さ行)
ワキゲボーボー・・・



* * * * * * * * * *

水田伸生監督、宮藤官九郎脚本、そして出演阿部サダヲとくれば、
「舞妓Haaaan!!!」「なくもんか」以来の黄金トリオ。
期待が高まります。
(しかし、そういえば私は「なくもんか」を見ていないのだった!!)
(不覚!)



本作の阿部サダヲは、東京謝罪センター所長「黒島」。
彼は自身を“謝罪師”と名乗っています。
ケンカの仲裁から国家間の紛争まで、謝罪の相談に応じ、自ら謝罪代行。
謝罪の最大級は半澤直樹もやっていたあの土下座ですが、
本作では土下座を超える究極の謝罪へと導かれます…。



一つ一つ区切ったエピソードが紹介されていきますが、
実はこれがバラバラのピースではなくて、
色々な人物や出来事が微妙に関連しあって行くという、とても興味深い展開を見せます。
実はこれこそが本作の見どころなのであります。



強面のヤクザに謝罪。
セクハラを謝罪(岡田将生がとんでもないセクハラ男だなんて(T_T)。)
芸能人の謝罪会見。
過去の過ちの謝罪。
トントンと話は進んで、笑いながらも、なるほどそういうことってあるよねーと
共感しつつ見ていくのですが、
私はラストのエピソードでちょっと戸惑いを感じてしまいました。
あるTV番組ディレクターが、マンタン王国という小国とちょっとした行き違いがあって
相手を怒らせてしまった。
しかし、黒島の謝罪のミッションは、
日本の風習や文化がマンタンと大きく異なることで失敗に失敗を重ね、
ついには国家を巻き込む一大事となっていく・・・。

異文化コミュニケーションは一筋縄ではいかない、と、
まあ、テーマは悪くないかもしれない。
でもなんだか何度もしつこいし、どこにも共感できないし、
くだらなさ過ぎて、笑えなくなってしまいました。
竹野内豊さんに濱田岳さん、
好きな俳優さんが目白押しででているのに、惜しい・・・。



しかし、なぜ黒島が“謝罪師” となったのか、
そしてなぜ喫茶「泣きねいり」を仕事の根城としているのか、という部分がまたいい。

そして、弁護士箕輪(竹野内豊)の娘が、
幼い時なぜあんなにもしつこくふざけた真似を繰り返していたのか、の答えも。


「謝罪の王様」
2013年/日本/128分
監督:水田伸生
脚本:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊、岡田将生、尾野真千子、高橋克実、松雪泰子、濱田岳、荒川良々
商売性★★★★☆
(でもやっぱり自分自身であやまりましょうね~)
満足度★★★☆☆


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