映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

セイント・フランシス

2024年07月19日 | 映画(さ行)

女だからこそ、立ち向かう問題

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大学は中退で、正規の職には就けず、レストランの給仕として働きながら、
夏の子守りの短期仕事を探す34歳、独身のブリジット(ケリー・オサリバン)。

ようやく、6歳の少女フランシスの子守りの仕事にありつきます。
男児を出産したばかりの白人女性マヤと会社勤めの黒人女性アニー、
この2人のレズビアンペアの娘がフランシスです。

始めから、おっと思ってしまう設定。
多様性の時代。
今さら目くじらを立てることもありません。
さて、マヤは産後ウツなのかも知れないけれど、精神的にやや不安定。
また、仕事に出ているアニーは、日中マヤが浮気をしているのでは?
などと疑惑を持っています。
そうした家族の状況も波乱含み。
そして、ブリジットは妊娠していることに気づき、ほとんど悩むこともなしに中絶を決意。
そもそも、その相手のことを「付き合っている彼氏」とも認識していないようです。
単なるセフレ・・・? 
でもその彼は意外とイイ奴で、ブリジットを気遣ってくれたりしているのですけれど・・・。

ブリジットは、子供好きというわけではありません。
そしてフランシスは無愛想で気難しげ。
実は母親が赤ん坊にかかりっきりでしかも精神不安定ということで、
フランシスをかまってもらえず、淋しくて不機嫌になっていたようです。
そんなわけで、なんとも良好とは言いがたい、ブリジットとフランシス。

生理のこと、妊娠のこと、避妊のこと、妊娠中絶のこと・・・。
人類の半数は女性であるのに、
ドラマや映画でこのようなことが取り扱われることはとても少ないですね。
本作では目をそらさず、真っ正面からこのような問題に取り組んでいます。

ブリジットとフランシスは次第に友人同志のような良い関係に向かっていきます。
女性にしかできない、妊娠、出産。
リスクも大きいけれど、でもやはり子供は宝であるという示唆は悪くはありません。

子供がいなければ未来もないですもんねー。

 

<Amazon prime videoにて>

「セイント・フランシス」

2019年/アメリカ/101分

監督:アレックス・トンプソン

脚本:ケリー・オサリバン

出演:ケリー・オサリバン、ラモナ・エディス=ウィリアムズ、チャーリン・アルバレス、リリー・モジェク

 

多様性度★★★★★

女性の生理度★★★★☆

満足度★★★★☆



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