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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

 gifted ギフテッド

2017年12月22日 | 映画(か行)
平凡こそが幸せなのかも



* * * * * * * * * *

生まれてまもなく母を亡くしたメアリー(マッケンナ・グレイス)は、
母の弟である叔父のフランク(クリス・エバンス)とフロリダの小さな町で暮らしています。
メアリーは天から与えられた特別な数学の才能の持ち主。
けれどフランクは、ひたすら普通の子どもとして育てたいと思っています。
というのも、メアリーの母も同じ才能の持ち主だったのですが、
その才能のために通常の人らしい心とのバランスを保てず、
自殺してしまったのです。
メアリーに決して同じ思いをしてほしくないと、フランクは願っている。
そんなところへ、フランクの母、メアリーにとっては祖母が現れます。
祖母イブリンはメアリーに高度な英才教育を施すべきだと主張。
ついには養育権を巡って裁判になってしまいます。



このような裁判では、より裕福な方が有利なようで・・・。
お金があれば幸せとは限らないですけれど・・・。
このストーリーにおいては更に、
この類まれなる才能をどうすべきかというのが問題なのです。
才能の開花は二の次で、ごく普通に育てたいと言うのにはもちろん納得しますが、
本人も数学のことを考えるのが大好きなのだし、
この才能を伸ばすことこそが世界のためでもある
・・・などと主張されれば気持ちも揺れ動きます。
けれど多分、才能というのは押さえつけても
知らぬ間に育つものなのではないかな?
それをこそ、才能という。
「二十歳すぎればただの人」、などという言葉もありますが、
ホンモノはそうではないと思う。



面白いものですね。
数学については、大学教授も舌を巻くくらいなのに、
一方では普通に小学校一年生の感情を持っている。
このアンバランスは、本当に、うまく扱わないと危険なのかもしれません。



養育権の裁判というのも映画では時々見るシーンですが、
こういう時に本人の気持ちは考慮されないんですね。
まあ小学1年生の判断に任せるわけには行かないでしょうか・・・。
でも、いつもとても理不尽な感じがしてしまいます。



フランクは独身だけれど、一人で子育てをして、
時には一人の自由な時間がほしいと言う本音も見える。
立派すぎない叔父と、彼とともにメアリーを見守りたいと思う教師ボニーもステキでした。
2人一緒にベッドにいるところをメアリーに見られてしまったのはいかにもまずかったですけどね・・・。



<シアターキノにて>
「gifted ギフテッド」
2017年/アメリカ/101分
監督:マーク・ウェブ
出演:クリス・エバンス、マッケンナ・グレイス、ジェニー・スレイト、リンゼイ・ダンカン、オクタビア・スペンサー
天才度★★★★★
満足度★★★★☆