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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

キングスマン

2015年09月17日 | 映画(か行)
徹底的にエンタテイメント



* * * * * * * * * *

スパイアクションといっても本作、徹底的にエンタテイメントです。
ヒリヒリした政治性はなし。
生死をかけたハラハラドキドキはもちろんあります。
というかキョーレツな修羅場がどっさり。
けれどそこはあえてフィクションを強調したかのように、
例えば人の頭が破裂するシーンなどはまるで花火のよう。
ここまでになると過度な残虐性ももう笑うしかありません。



表向きは高級スーツ店。
しかし実は世界最強のスパイ組織、「キングスマン」への出入り口なのであります。
さて、その組織の一員が謎の組織に殺害されてしまいます。
その欠員を補充するため、
ベテラン要員のハリー(コリン・ファース)は、
かつての命の恩人の息子エグジー(タロン・エガートン)を候補としてスカウト。
新人候補として集められた数人のうち、選ばれるのは一人のみ。
命がけの厳しい訓練と試験の日々が始まります。
一方ハリーは、頻発する科学者失踪に絡む謎の人物、
ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の調査を開始します。
彼はなんと前代未聞の人類抹殺計画を実行しようとしているのでした!!



「キングスマン」は、どこの国にも属さない独自の“正義”の組織。
ここの諜報員になるための試練というのが並大抵じゃない。
まずいきなり水攻めですからね! 
この撮影が、俳優さんたちはもちろんスタッフにとっても
一番大変だったそうですが・・。
見ている方も、とにかく度肝を抜かれました・・・。



ナイフを仕込んだ靴、銃にもなるし防弾用具にもなる傘、
色々な仕組みのある指輪やら万年筆やらライターやら。
非常に古典的なスパイ映画にオマージュを捧げているのも楽しい! 
54歳コリン・ファースがアクションに挑むというのも驚きですが、
さすがに高級スーツが決まっていて、なんともカッコイイ~。
予告編にも登場する、酒場でチンピラとやり合うシーンがもう、たまりません。
が、後々このシーンがまた別人によって繰り返されるところでまたニヤリ。
なんともイカした演出です。



ヴァレンタインの主張、
「人類は地球を滅ぼす病原体だ。地球を救うために大部分の人間を抹消しなければならない。」
というのも、変な「世界征服」より説得力はありますよね。
その用心棒役のガゼルという女性がまたキョーレツ!!
というわけで、実際全く退屈しないインパクトの強い作品なのでした。
しかし、若干“キングスマン”の特権階級意識が鼻につく。
エグジーのような下層の出身がスカウトされるのも異例という・・・
なんという格差社会。
その金持ちに見出されて、しっぽを振って意のままに動くというのは
なんだか悔しいぞ!
同じく高級スーツに身を包む必要がほんとうにあるのか???
いっそ、パンクスタイルでやって欲しいです。



ところで、キングスマンの登用試験の最終試験が、
自ら世話をしていた犬を殺すこと。
これ、福井晴敏のパクリではないでしょうか? 
それとも、元ネタはまた別なところにあるのでしょうか???

「キングスマン」
2014年/イギリス/129分
監督:マシュー・ボーン
出演:コリン・ファース、マイケル・ケイン、タロン・エガートン、マーク・ストロング、サミュエル・L・ジャクソン

キメッ決め度★★★★★
満足度★★★★☆