原題:『蠢動 -しゅんどう-』
監督:三上康雄
脚本:三上康雄
撮影:岡田賢三/大淵博道
出演:平岳大/若林豪/目黒祐樹/中原丈雄/さとう珠緒/栗塚旭/脇崎智史/増田久美子
2013年/日本
「蠢動」しないイメージについて
低予算で撮られた時代劇作品として十分に見応えはあるのだが、やはりクライマックスの殺陣のシーンには不満が生じてしまう。
クライマックスは主人公の剣術師範の原田大八郎が因幡藩の討手たちとの死闘が展開されるのだが、雪原で繰り広げられる殺戮であるにも関わらず雪が鮮血で染まることがなく、精々原田が最後に斬りつけた相手の首から血がほとばしるくらいである。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(ライアン・ジョンソン監督 2017年)のクライマックスを観たばかりだったせいかもしれないが、本作で描きたかったイメージとは、真っ白な地面がだんだんと赤く染まっていく過程ではなかったのだろうか?