MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『フラットライナーズ』(1990年)

2018-03-21 00:12:24 | goo映画レビュー

原題:『Flatliners』
監督:ジョエル・シュマッカー
脚本:ピーター・フィラルディ
撮影:ヤン・デ・ボン
出演:キーファー・サザーランド/ジュリア・ロバーツ/ケヴィン・ベーコン/ウィリアム・ボールドウィン
1990年/アメリカ

死んでから分かる自分の生き様について

 5人の医学生が死後の世界を体験するために、意図的に心臓を停止させ脳死寸前に蘇生させるという実験を自ら実験台となり試み、その結果、実験台となった四人は幻覚に悩まされる。ネルソン・ライトは、子供の頃いじめていて不幸にして死んでしまった同級生の幻影が現われ襲われる。ジョー・ハーレーは遊びで抱いた女性たちの幻影に付きまとわれる。レイチェル・マナスは自分のしたことがきっかけとなって自殺してしまったと思い込んでいた父親が幻影となって現れ、このような彼らの臨死体験は彼らに嫌な思い出をもたらすのである。
 もしも死に際して肉体のみが滅び、精神が残ると仮定するならば、私たちは思い出の中で生きることになるだろう。その時、思い出の中に残っているものがその人の死後の世界となる。子供というのはかなり残酷な生き物で、意外と平気で悪いことをしてしまう。そして親に怒られながら善悪の判断を身につけていく。大人になるということはこの善悪を判断した上で、自分の子供の頃に犯した罪を償うという想いを込めながら社会の中で生きていけるようになるということであり、死期を目の前にした時に、もしも幸せに死ねるのならばその人は十分に償いができたと確信できたのであろう。彼らはまだ学生であったが故に悪夢に苛まれたのである。


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