原題:『Black Panther』
監督:ライアン・クーグラー
脚本:ライアン・クーグラー/ジョー・ロバート・コール
撮影:レイチェル・モリソン
出演:チャドウィック・ボーズマン/マイケル・B・ジョーダン/ルピタ・ニョンゴ/ダナイ・グリラ
2018年/アメリカ
逆に「干渉」されて存在感を失うヒーローについて
このようなスーパーヒーローものがアフリカを舞台にしているところに、例えば『ジオストーム』(ディーン・デヴリン監督 2017年)のような新鮮さを感じるし、『ワンダーウーマン』(パティ・ジェンキンス監督 2017年)が大ヒットしたことと同様に女性の次に黒人がフューチャーされたことに大きな意義があると思うのだが、ワンダーウーマンと同様にアヴェンジャーズの一員として組み込まれてしまうとブラックパンサーでさえ影が薄くなってしまう嫌いはある。
ところで本作のテーマである「他国への干渉」というのは難しい問題だと思う。ワカンダという国が持つ希少鉱石のヴィブラニウムが悪用されないようにその存在を隠してワカンダのこれまでの王は国を治めていたのであるが、結局、主人公のティ・チャラは世界の負の部分を見逃すわけにはいかないと敢えて世界にヴィブラニウムを広めることで世界平和を推進することにしてしまう。この判断は当然のことながら誤りとして続編が製作されるのであろう。
舞台のひとつとして韓国の釜山が選ばれているのであるが、『シェイプ・オブ・ウォーター』(ギレルモ・デル・トロ監督 2017年)でも釜山のことが語られており何故ネタが被ったのかが興味深い。