現在、森美術館では「レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル」が催されている。
レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)はビルの外壁やエレベーターや美容院や教室や
スイミング・プールなど普段見慣れているものに手を加えて「見慣れない」ものに作り替える
ことを目論んでいるように見える。それはまさに「根こそぎ引っ張り出す」こと、「根拠」を
奪うことで見直すモダン・アートの「風景画」として機能しているのではないだろうか。
上の作品は「ダルストン・ハウス(Dalston House)」(2013年)という模型で、
本当はこれくらいの人数の参加で面白みがあると思うのだが、入館者数が多いために
実際の参加型の「建物(Building)」(2017年)の壁は一面が人で埋まってしまい、
わけがわからなくなっていた。
「根こそぎ引っ張られて(Pulled by the Roots)」(2015年)