MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『サボタージュ』

2014-12-04 00:34:13 | goo映画レビュー

原題:『Sabotage』
監督:デヴィッド・エアー
脚本:デヴィッド・エアー/スキップ・ウッズ
撮影:ブルース・マクリーリー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー/サム・ワーシントン/ミレイユ・イーノス
2014年/アメリカ

リュック・ベッソンも驚くヒロインの強さについて

 驚くべき脚本である。麻薬取締局(DEA)の特殊部隊を率いるジョン・ウォートンは、「ブリーチャー(破壊屋)」という異名を持つ捜査官であるが、ある日、8人の部下を引き連れて麻薬組織のアジトを制圧するどさくさに紛れて、一味が隠していた1000万ドルを盗んだ。しかしその1000万ドルが行方不明になったことから麻薬取締局内で問題になり、ウォートンたちは閑職に追いやられる。
 しかし麻薬取締局長のフロイド・デメルは彼らが盗んだという証拠が不十分として彼らを現場復帰させるのであるが、ウォートンが率いていたチームのメンバーが次々と暗殺されるという事件が起こる。あまりにもバカバカしいのでネタばらししてしまうが、メンバーを殺害していたのは同じ特殊部隊のメンバーである女性の薬物中毒者のリジー・マレーなのである。1000万ドルを盗んだという疑いから殺していくのであるが、女性一人で元米海軍特殊部隊隊員だったブライス・“トライポッド”・マクニーリーや他のメンバーを殺せるわけはなく、なおかつ4人の殺し屋に罪をかぶせようと指紋を採取するために指だけを切り取って殺して金網を巻いて川底に沈めるというシチュエーションは無茶すぎる。
 悪いのはリジーだけではなく、妻のカレンと息子のジェーコブを殺した犯人の居場所を教えてもらうために、ウォートンが1000万ドルでメキシコの警察を買収するのであるが、メキシコの警察に仁義を守るためにジェームズ・“モンスター”・マレーやジョー・“グラインダー”・フィリップスのような親友たちを犠牲にすることが理解できない。そもそも家族を殺されたのは麻薬組織の主犯だったエドガー・リアズをメキシコ警察に引き渡そうとした際に、メキシコの女性警官が銃殺してしまったことに原因があったはずだからである。
 ただラストで全ての仕事を終えてウイスキーを飲みながらバーの席についているウォートンの背後の壁に「SIN SIN SIN(罪 罪 罪)」と書いてあるポスターが貼ってあったところは面白かった。


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