MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『想いのこし』

2014-12-16 00:08:50 | goo映画レビュー

原題:『想いのこし』
監督:平川雄一朗
脚本:岡本貴也/HARU
撮影:葛西幸祐
出演:岡田将生/広末涼子/木南晴夏/松井愛莉/鹿賀丈史
2014年/日本

三カ月の猛特訓が報われないストーリー展開について 

 平川雄一朗監督の前作『ツナグ』(2012年)と比較するならば、再び幽霊譚である本作が良くなっている理由は脚本を他人に任せたからかもしれない。
 当初は2000万円や600万円などの金銭目的でルカの結婚の「仲介」や、高校野球部のマネージャだったケイの憧れの先輩への手紙の「代筆」や、元消防士だったジョニーが最先端の情報システムを備えた消防署に、もはや何の役にも立たない手作りの報告書を万が一に備えて送り届ける役割を代わりに果たしている内に、主人公で29歳のダフ屋のガジロウが無償で他人のために尽くせる気持ちよさを知り、自らポールダンスを習得することでユウコの10歳の一人息子の幸太郎に見せるというストーリー展開はビルドゥングスロマンとしても悪くはないのであるが、それでもどうしても理解できないことは幸太郎がポールダンサーをストリッパーと勘違いしていることで、当然のことながらユウコが自ら一度くらい幸太郎を店に呼んで自分が働いているところを既に見せているはずだからである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする