MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『西遊記 はじまりのはじまり』

2014-12-02 00:09:08 | goo映画レビュー

原題:『Journey to the West: Conquering the Demons』
監督:チャウ・シンチー/デレク・クォック
脚本:デレク・クォック/チャウ・シンチー/ローラ・フオ/ワン・ユン/ファン・チーチャ
    ルー・ゼンユー/リー・シェン・チン/アイヴィー・コン
撮影:チョイ・サンフェイ
出演:ウェン・ジャン/スー・チー/ホァン・ボー/ショウ・ルオ
2013年/中国・香港

「わらべ歌」から「経典」への変化に合わせる演出について

 まず映像の展開が巧みで、最初は川岸辺りで起こる怪獣騒動を、クライマックスにおいては大日如来が大気圏外から孫悟空を手のひらで押しつぶし、孫悟空がその手のひらの毛細血管内に入り込んでしまうという壮大さに発展させる。おそらくそれは当初、主人公で後に三蔵法師を名乗る妖怪ハンターが、「わらべ歌 三百首」を携えて妖怪を更生させようと目論見るものの、やがて「大日如来経」を携えることになる過程と符合している。
 だからその間に三蔵法師を口説こうとして様々なアプローチを試みる妖怪ハンターの段(トゥアン)は、結果的に三蔵法師が自分の欲望を自制できるかどうか計っていたことになるとは思うが、そもそも三蔵法師が女性に興味があったのかどうか疑問が残る演出である。
 特に日本人には使用されている音楽が気になるところで、ラストシーンでかかる菊池俊輔作曲の「Gメン'75のテーマ」は改めて指摘するまでもないほどいまだに人気がある曲だと思うが、テレビドラマ『柔道一直線』で使用されていたみぞかみひでお作曲の「対決! 男二人::AMー10T2」が戦闘シーンで使用されていたことにも監督の知識の豊富さとセンスの良さを感じる。


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