新人メイドのアイリーン・メイディの一日は過酷だ。 オークブリッジ邸の貴婦人に仕えるのはアイリーンと執事のユーリのみ。
アイリーンは朝早くからお湯を沸かし、食事を作り家じゅうをピカピカに磨く。
十九世紀のイギリスの生活、それは回りくどく 重々しくわざとらしいものだった。
アイリーン・メイディの本名は愛川鈴佳。 母と祖母を相次いで亡くし家政婦紹介所に勤めていた。 ある日かなり良い条件の住み込みの仕事が舞い込んできた。
依頼主は翻訳家として活躍していた女性。 彼女は自分に残された時間を愛してやまない十九世紀のイギリス貴族の生活を送ることにした。
彼女の願いに理解を示した孫は自分は執事として祖母を助け、メイドを探していて鈴佳に白羽の矢が立った。そして鈴佳はアイリーンとして働くこととなった。
きびしい奥様には何か秘密がありそうだったが・・・
本屋さんに行くとかなり目立つところに置いてある文庫本『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の作者の本です。
以前から『櫻子さんの・・・・』に興味はあったのですが なんとなくこちらを買ってしまいました。
まず現実にはありえない設定です。
現実にない設定の小説でも『東京バンドワゴン』シリーズなどは 楽しく読み進めることができますが こちらは ついついツッコミを入れながら読んでしまいました。
奥様がメイドに現代では考えられないくらいかなり理不尽な要求をしても 彼女はそれを受け入れようとします。 奥様に叱られるとそれは自分が悪いからだ、奥様に申し訳ない、と考えてしまいます。 う~ん・・・私には理解できない感情です。
この一冊だけでこの作者を判断したくなくて ついついアマゾンで『櫻子さんの・・・』を注文してしまいました