キュートなバアサンになるために

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『安井かずみがいた時代』島崎今日子

2015-04-14 23:16:47 | 読書
               

 久しぶりに「むさぼり読んだ」本に出会えました。

安井かずみさんは1939年生まれ、1994年に55歳で亡くなった日本を代表する作詞家です。

 この本を読むまでは その名前は知っていても彼女の作品にどんなものがあるのかはっきりは知りませんでした。
しかし、本を読んでびっくり。 私が物心ついた頃から歌われていた多くの歌が彼女の作品でした。

 私の中での安井かずみ、という作詞家のイメージは やたらと目のまわりを真っ黒なメイクにしている 怖そうな人で加藤和彦さんの二番目の奥さん、という感じでした。

小学生の時、同級生たちと夢中になったのが フォーククルセダーズの『帰ってきたヨッパライ』という楽しい曲でした。 仲の良かったクラスメイトは はじめてお小遣いで
『帰ってきたヨッパライ』を買った!なんていって喜んでいました。
 そのフォーククルセダーズの中で私はなんとなく加藤和彦さんのファンになっていました。

 彼がサディスティックミカバンドのミカさんと結婚した時には ああ、カッコイイ、と思っていたのですが ミカさんと別れ、なぜにあの目の周りが真っ黒いオバサンと?と
奇妙な気分になっていました。

 その後、おふたりは 新しい時代の夫婦像を作っていき、マスコミにも登場してきました。

彼らは時代の最先端の街六本木に住み、夫が食事を作り、夫婦はいつも一緒でオシャレを楽しみ、パーティーに行き、高級品を身につけ、海外旅行にもどんどん出かけていく・・・夢のような生活を発信し続けました。

 その頃にはただただ すごいなあ、六本木に住むなんてさすがだなあ、と驚いていました。

 この本は 安井さん、加藤さんと生前交流があった人たちが それぞれの視点で見た彼らについて語っています。
著者はそれと同時に当時の社会情勢を書いています。

 彼らが活躍した時代は日本が一番元気だった時代でした。

私もその時代に生まれてはいたものの まだ幼くて社会との接点はほとんどありませんでした。
でもテレビのニュースなどで 何か『熱』を感じてドキドキしていました。

 その時代の『熱』を久々に思い出させてくれた本でした。

 そして、傍目には 華やかな彼女たちの暮らしも 実は寂しいものだったのかもしれない、という驚きの姿にショックを受けました。

私より上の世代の方はもちろん、お若い方にも日本の元気だったひとつの時代を感じていただける一冊だと思います。

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